MMT理論(Modern Monetary Theory、現代金融理論)というものがあるらしい。昨日BS1930で与党自民党西田昌司参院議員が賛同者として説明していた。自国のお金でする国の借金はどれだけあっても心配ないそうだ。どうも経済学というのは怪しげなことを言って人心をたぶらかす、と言えばMMT理論賛同者の西田昌司氏にあなたは財務官僚と同じくわかっていないと言われてしまうかもしれない(西田昌司さんは専門家に随分挑発的なことを言う人だ)。
しかし似たようなことは聞いてきた。即、国に借金があっても個人資産がそれに見合う以上にあるから大丈夫という説明だ。これが果たして経済学的にどの程度似た考え方なのかよくわからないが、だから借金があっても大丈夫というところは同じだ。笑ってしまうのは政府日銀財務省は我々はそんな怪しげなことはしていないと主張するのに対し、アメリカのMMT論者は良い実例は日本だと、日本をMMT理論実践国だとしていることだ。
経済理論には幾つかの仮定が必要で、それがうまく隠されていると思う。日本がMMT理論実践国に見えるのは日本人がお上に従順でしかもそこそこ理解力があり、日本がある種の監視社会だからだろう。借金で破綻しないのは、ゼロ金利でもお上の方針と受け入れ、反論を封じ込める弥縫策が有効な信用が生きている社会だからではないかと、経済素人の臨床医は見ている。
しかし要注意なのはMMT理論が新興宗教のように動き出すことだ。MMT理論が成り立つには幾つかの仮定が必要で、それは難しいということをMMTを認めない経済学者はきちんと政治家に説明しないと危険な気がする。積みあがった積木は一個でも破綻すれば総崩れになるからだ。昨日、小一時間聞いただけで素人の理解だから間違っているところも多いかもしれないが、市井の臨床医の診立てが当たることもある?。