月に二三人高血圧や高脂血症で他院に通院しているのに、風邪を引いたとか眩暈がするとかと当院を受診される患者さんが居る。総合病院へ通院しておられるなら、何の抵抗もなく診察するのだが、同じ開業医で実は外科系の医師だったりすると、なんで調子が悪いと私の所へ来るのかと思ってしまう。掛かり付けの医師の方がよく分かるから、そちらへ行かれたらどうですかと、口に出して申し上げることもある。そうした患者さんは異口同音に、「いえ、あそこは薬を貰いに行っているだけだから」。としれっと答えられる。何とも失礼で奇妙な返事なのだが、そうは思っておられないようだ。
今日は診察させて頂きますが、次はいつもの所で診て貰われると良いと思いますよと切り口上で申し上げることもある。残念ながら私が喜んでいないあるいは不適当と考えている事だけは理解されるようだが、なぜそう思うのかは理解されないようだ。医者に掛かる意味、殊に高血圧症や高脂血症といった慢性の内科系疾患を診て貰う意味を理解されていないのだ。
「あのさー、薬を貰いに行っているだけってどういう意味」。とお聞きしたい。