駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

なぜわからないのか

2012年03月10日 | 世の中

     

  OO金庫、OO協会やOO組合・・・などで何億円もの金がよく着服されたと報道される。会計素人の私はどうして直ぐ分らないのだろうと不思議な気がする。十万二十万の金額であれば、と言うのも妙な発想だが、分からないこともあるだろう。しかし、億単位の金額を誤魔化すことができるというのはどういうことなのだろう。

 私に考えられることは、盗んだ本人しか帳簿を扱わないか、あるいは理解できない仕組みになっていて、監査と言っても帳簿上の数字の辻褄が合っているかどうかを見るだけだったのだろう。これ以外に、なにか誤魔化す手口があるのだろうか。

 もうひとつ理解しがたいのが、横領に着服とか流用などという、悪性度が低い表現が使われることだ。同僚上司そして何よりも顧客の信用を欺いているわけだから、泥棒よりも質が悪いとも言える。泥棒に似た響きの悪い犯罪用語で呼んでもいいように思う。尤も、悪そうな犯罪名になったから、止めておこうなどいう柔な悪党は居ないかも知れないが。

 強盗のやり方に詳しくはないがテレビ映画で見ていれば、億の単位の金額を窓口で強奪することは実際には困難のようで、せいぜい数百万円、場合によっては数十万円を鷲掴みで逃げるのが精一杯のようだ。逃走劇が面白いのか着服よりも大きく報道されることが多い。

 繰り返される着服犯罪に、なぜ調査反省して防止法が工夫されないのだろう。信用を欺く性質の悪い犯罪なのに、報道に厳しさが足りないのはなぜだろう。町医者は訝しく思う。

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