高血圧症、2型糖尿病、脂質異常症は患者数の多い慢性疾患で生活習慣病と言われたくらい生活内容が病気の状態に深く関わる疾患群だ。
これらの疾患に肥満は悪い影響を及ぼす。減量が必要なのだが、食欲は個が生きてゆくために一番大切で強い本能的な欲求であるため、それを理性でコントロールするのは容易ではない。しかしそれでも医師は患者さんの生活に介入して、食事の量、味付け、食品の制限を指示し、なにがしかの結果を出すように働きかけなければならない。
現実ではたかだか5%でも減量を実現するのは難しく、患者と医師のせめぎ合いが続く。患者さんはしばしば努力してますとお役所答弁をするので、結果を出してくださいと切り返すことがある。これは嫌がられ中にはムッとされる患者さんも居られるので、相手を見て切り札的に使っている。
どんなに口うるさく指導しても努力しているつもりでも、結局結果が出なければ薬は減らせないし病気の改善も乏しい。口で言うのは簡単だが、結果を出すのは難しいと思い知らされてきた。唯、不可能というわけではなく年月を掛ければ理想には遠くても何らかの成果はあるものだ。