駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

相性の問題だが

2014年11月24日 | 診療

             

 年に数人ご近所の先生から転院してくる患者さんが居る。色々な理由をおっしゃるのだが、中に前の先生は「おかしい」と言う患者さんがいる。そうかなあと思う。M先生は有能で如才ない人だ。確かにK先生はちょっと面倒くさがりだが、おかしいということはない。M先生は少し恐いところはあるがきちんとしている。まあこれは私の印象に過ぎないが、いずれにしても医師会の問題児ということはない。要するの相性が悪いのだ。そして相性の悪いのはどちらかと言えば患者さんの方に原因があるように感じることが多い。

 人間というものは自分が正しいと思いがちで、意見が合わなかったり言い分が通らないと相手が間違っていると判断してしまう。自己主張やこだわりの強い人ほどそういう傾向があるようで、あの先生はおかしいという患者さんは独特な自分の考えを持っておられる。どういうわけか、そうした患者さんは、特に歓迎していないのだが、当院に居着いてしまわれることが多い。こちらがそうした経緯を踏まえて、出来るだけ柔軟に対応するせいだろうか?。医者には接客業の側面があり、柳に風と対応するのがよいのだが、かなりの努力を要することもある。正直、ああまた来たかと思う患者さんが日に一二名おられる。相手にそれと悟らせないようになるには、かなりの修行が必要だ。

 年を取るとそうした対応が億劫になってくるのだが、幸い老医になるとだんだん本音でも角が立ちにくくなるところがあり助かっている。

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