駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

誰もそこにある恐怖

2009年04月17日 | 世の中
 痴漢行為で強制わいせつ罪に問われた防衛医大の教授に最高裁が逆転無罪の判決を下した。なんということだ。失ったものの償いようがないではないか。
 この国には推定無罪などなく、逮捕推定有罪扱い起訴有罪確定扱いが実情だ。この恐怖と不当を、国民はもし自分だったらと自分に当てはめて考えてみる必要がある。
 告訴起訴された人が大学教授医師教師弁護士などだと、マスコミはここぞとばかりに叩こうとする。殊に強制わいせつ罪に於いてそれが著しいのではないか。他人の不幸は密の味で、それが人間の一面としても、それを助長煽動する報道は素晴らしいとは思えない。
 スカートの中を覗いたとして人生を棒に振らされた教授が居る。社会的制裁の行き過ぎだと思う。巨悪を見逃し小悪を暴いて騒ぐマスコミの作法は改めたい。それには視聴者読者が冷静に思慮深く対応することが一番有効だろう。ちょっとした行き違いで自分の身にも起こり得ることだと一人一人が気付けば可能なことだと思う。
 交通違反をしたことのない人はほとんど居ないだろう。私も速度違反と駐車違反で捕まったことがある。何千円かの罰金を支払った。普段、全ての人が20km超過で走っている橋の上、あれ今日はみんな遅いなと思ったら後の祭り。駐車違反は保健所へ書類提出のわずか数分道端に、婦人警官の姿が見えたので慌てて戻り発進したのだが、マイクで止まりなさいと命令され、こってり叱られた。婦人警官とのやりとりでは不適切な言動があったと思う。それを公務執行妨害などとやられたら、たちまち犯罪者に祭り上げられていた。職業はと聞かれて医師だというと余計な一言を言われたものだ。職権濫用と感じても冷静さを取り戻し、殊勝にしていた。勿論、以来婦人警官が大好きになった、ニャロメ。
 ことほどさように、チョットした行き違いで犯罪者扱いになる危険は誰にでもあり、報道の仕方によっては過剰な社会的制裁を受けてしまう。報道内容の吟味、取捨選択は読者視聴者の権利で義務なのを思い起こしたい。冷静公正な報道はやがて司法にも良い影響を与えるはずだ。
 私は教授の小犯罪を言挙げするよりも、社長や政治家の誤魔化しを粘り強く追求して明らかにして欲しいと考えている。いかがなものか。
 
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
恐怖 (ゆかり)
2009-04-18 05:36:14
疑われそうなことはやめといた方がいい。それも自己防衛。恐怖感があるなら特に若くてきれいな女性には近寄らないこと。マスコミは当分変わらないだろうから、こちらで対策せねば恐怖感に裏打ちされたかしこい方法です。
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さいわい満員電車なし (arz2bee)
2009-04-18 06:56:12
 満員電車はないので、大丈夫ですよ。
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