『蛇を踏む』 川上弘美著/文藝春秋社
同じ作者の『センセイの鞄』が好きだったので、ずいぶん前に購入した本。
ハードカバーです。帯に「芥川賞受賞」とあります。
私は、芥川賞を受賞した作品を(たぶん)読んだことがなかったので、
なるほど文学を芸術に高めるとこうなるのか、と思いました。
さっぱりわけがわからないけど、何が起こっているかはわかる。
踏まれた蛇が女に化身して晩ご飯を作って待っていてくれるんだけど、
煮物は食べられても刺身には箸がつけられない、とか、
なんか「そうでしょうね」という感じがしたりします。
表題作で受賞作の「蛇を踏む」より「消える」や「夜惜記」の方が
わけのわからなさでは上で、特に「消える」は土俗的なようで
舞台は巨大団地だったりするので、なかなかに怖かったです。
一方、なんとなく『宝石の国』を思い出したりもして、
つまり理詰めで理解しようとするのはナンセンスなのだろう、
と思ったりしたのでした。
一応ネットのレビューをちょっと読みましたが、
たいていの人が私と同様キツネにつままれていたので、安心しました。
一番面白かったのが当時の芥川賞選考委員の選評。
今まで興味なかったけど、こんな風にすべての選評がまとめられているんですね。
しかもこれ、非公式サイトなんですよ。すごいなあ。
いまは川上弘美さんが選考委員に入ってらっしゃるのも、ここで気づきました。
時の巡りを感じました。
同じ作者の『センセイの鞄』が好きだったので、ずいぶん前に購入した本。
ハードカバーです。帯に「芥川賞受賞」とあります。
私は、芥川賞を受賞した作品を(たぶん)読んだことがなかったので、
なるほど文学を芸術に高めるとこうなるのか、と思いました。
さっぱりわけがわからないけど、何が起こっているかはわかる。
踏まれた蛇が女に化身して晩ご飯を作って待っていてくれるんだけど、
煮物は食べられても刺身には箸がつけられない、とか、
なんか「そうでしょうね」という感じがしたりします。
表題作で受賞作の「蛇を踏む」より「消える」や「夜惜記」の方が
わけのわからなさでは上で、特に「消える」は土俗的なようで
舞台は巨大団地だったりするので、なかなかに怖かったです。
一方、なんとなく『宝石の国』を思い出したりもして、
つまり理詰めで理解しようとするのはナンセンスなのだろう、
と思ったりしたのでした。
一応ネットのレビューをちょっと読みましたが、
たいていの人が私と同様キツネにつままれていたので、安心しました。
一番面白かったのが当時の芥川賞選考委員の選評。
今まで興味なかったけど、こんな風にすべての選評がまとめられているんですね。
しかもこれ、非公式サイトなんですよ。すごいなあ。
いまは川上弘美さんが選考委員に入ってらっしゃるのも、ここで気づきました。
時の巡りを感じました。