ここ数回、「遊びのことばかりで、認知症の初期の見分け方が書かれていない」と思っていませんか?
エイジングライフ研究所は新規のブログでも解説しているように、認知症の大部分は「高齢者が人生の大きな出来事や生活上の大きな変化をきっかけに、ナイナイ尽くしの生活に入っていく。具体的には、生きがいも趣味も交友もなく運動もしない、つまり脳を使う状況がない生活になるということで、その生活が続くうちに、脳の老化が加速される(廃用性委縮)。その結果である」と考えています。
アップしそこねた春の花たち
「脳の使い方」が大切なのです。
簡単に言い換えると
「生活ぶり。それも、その人らしいイキイキとした、楽しげな生活」こそが認知症を遠ざけることができる一番の近道です。
一般的に言われるように、「仕事の左脳」、「趣味の右脳」と考えてください。
生涯現役という言葉は、確かに魅力的な響きを持っています。
現役を続けることは達成感もあるでしょうが、同時に苦労も伴います。超高齢になってもそんな苦労をし続けるのですか?
まあ、それ以前に定年退職のように「現役」をはぎ取られることの方が普通でしょう。
第二の人生に入った時に、どのような暮らしぶりが大切なのかをわかっていただきたいという思いも、このブログを書くモチベーションのひとつです。
仕事を終えた第二の人生を豊かに過ごすことができるための一つの柱が趣味でしょうし、もう一つの柱が交友です。
さらに不可欠のものとして、散歩や運動もあげる必要があるでしょう。
世の中の人たちは、実はいま現職の人に対しても
「退職したら危ないね。だって趣味も友だちもいないんだもの」
「仕事辞めたら、何するの?みんなと一緒にすることはバカにしてるでしょ!」
「偉い人やまじめで固い人ってボケやすいよね。だって遊びを知らないどころか、遊んだら悪いと思ってるし」
などというと思いませんか?
これらは定年後、第二の人生に入ったら、それまでの左脳優先、仕事一辺倒の生活ぶりでは「脳が持たない」と経験的に思っているのです。当たってます。
「生涯現役」という言葉に憧れるよりも、
「長い間、左脳主体で生きてきました。
左脳さんありがとう。
さあ、今から右脳主体で人生を楽しむぞ。
子どもの時のように、ノビノビと遊んでも許される境遇になったのだから」というような気持ちが大切ですよ。
もう一つ、大切なことがあります。
左脳は「~しなくてはいけない」とか「~すべき」という物差しで働きます。
右脳は「おもしろいから、楽しいからもっとしたい」という働き方をしますから、右脳を使っていると、意欲が出やすいというメリットも知らなくてはいけません。
ヒトだけが左右の脳が分化しているのです。
情報処理の効率化のために、左右の脳に分化する必然があったのでしょう。
左脳と同じように右脳も使ってやらないと不公平、どころか宝の持ち腐れというものです。