脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

講演会報告・東御市・前向きな皆さん

2006年01月16日 | 各地の認知症予防活動

P506ic0010158403_2 長野県東御市は、東部町と北御牧村が合併して平成16年にできた町です。北は浅間山、南は蓼科・八ヶ岳に面し、千曲川の穏やかな流れが町のあちらこちらから眺められます。豊かな緑が広がって、なんだか懐かしいような気がしてきます。
アートビレッジ明神館に泊まりました。その時の写真ですが千曲川支流から、流れの形に夕霧が立ちのぼっていました。
お米がとてもおいしかったです。

P506ic0010551625_1 P506ic0010813773_3 江戸時代を彷彿とさせる海野宿の町並みも保存されています。

昨年、長野県小布施町の「ボケ予防教室」開講時に、数人の保健師さんたちの見学がありました。その中にいた若手保健師さんが熱心に「二段階方式」の導入を図って、実現。私は昨年12月に講演に行きました。

伺ってわかったことがいくつかありました。

若手保健師さんが熱心にボケ予防を勧める理由は、今は異動された先輩保健師さんの指導の賜物でした。まさに「人」を育てることは「可能性」を育てることですね。
もちろん東御市出身の彼女の「私ここが好きなんです」という呟きも聞き逃しませんでしたよ。

東御市は「人」に恵まれています。
  前述のベテラン&若手保健師さん。
  後述の保健補導員の方々。
  一般市民の皆さんたち(如何に前向きかはアンケートをご覧ください)。
  一緒に勉強会に臨んだスタッフの皆さん!
皆さんの頭の中に具体的な高齢者の姿が浮かんでいることがよくわかりました。その人たちの理解が深まるという期待を感じながらの勉強会は結構スリリングなものでしたね。
在宅介護支援センターの保健師、看護師さん達のキラキラした反応、訪問看護師さんが意欲的に取り組もうとしていた姿も印象的でした。
更にもう一つ。スタッフの意欲がどんなにあっても、それを認める上司の理解がなければ事業は先に進みません。そうなのです、東御市はその点でも恵まれていたのです。

二つの町ぞれぞれの形で行われていた高齢者に対する施策に
「脳機能から見たボケ予防」の切り口を加えて、少しづつ取り組みが始まっていました。

講演前日に羽毛山公民館での、「脳イキイキ相談会」に参加しました。脳のイキイキ度チェックを行って生活指導するのです。
スタッフの皆さんが生活指導をしている時には、ベテランのボランティアさん(保健補導員OB会の皆さん)が右脳訓練をやってくださっています。
更に、区の保健補導員さんたちによる、お茶・おかし・自家製漬物(さすが長野!)の用意までありました。「時間的に負担では?」と問うと、笑顔で「地域のお年寄りのことですから」との答えです。
翌日お会いした海善寺や上八重原地区の教室のお世話役の方々からも、同様の「わが地区だから、世話をするのは当たり前」という気持ちが感じられました。

都市化が進むにつれて、このような緊密な近隣関係は、時間的な問題や過干渉になるなど弊害の方が強調されて、ドンドン消えていっています。
私は、高齢社会においては高齢者の自助の精神は当然ですが「気にしあう関係」がどうしても必要だと考えています。エイジングライフ研究所が提唱する「地域ぐるみのボケ予防活動」の根底にも、この精神は脈々と流れるはずです。豊かな人間関係や近隣との関係を見直すときが来ているのでしょうね。

「地域のお年寄りのことですから」というボランティアさんに「ボケの予防」と「脳の健康」という知識をプラスすれば、
①自分の生き方を見つめられる
お年寄りが一人、一年大ボケになるのを遅くできれば500万円セーブ!

「地域のお年寄りのことですから」の考え方はそのまま「地域の子供たちですから」につながります。個人を大切にしながら、高齢者や子供たちに目を向けていくような社会でなければいけません。
理想といわれることを覚悟して理想をお話しました。

12月の講演会のアンケートをまとめて送ってくださったので、付録です。
たくさんですが、「東御市の皆さん」がわかります。私と保健師さんのやり取りも付録の付録「tomi.xls」をダウンロード


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