前回に続けて、認知症予防教室生の優秀ぶりを報告します。長く続けるほど、脳機能の改善がみられる!という具体例です。考えたらすごいことですね。老化は、誰にしても角度の違いこそあれ直線的なのに・・・
山形県米沢市の「なごみの部屋」主催の、一般市民を対象にした講演会に行ってきました。
「なごみの部屋」はこのブログでもたびたび取り上げていますが、直近のブログに目を通してください。
米沢市「なごみの部屋」再訪ー「高専賃ではないのです」
中でも注目していただきたいのが「かくしゃくの会」
「この際、『かくしゃくの会』も6年目くらいになりますよね。ちょっとまとめて見ませんか」と声かけをしてみました。「なごみの部屋」のスタッフの皆さんの勉強会資料にするつもりでした。
頂いた私もうれしかったですが、「かくしゃくの会」に携わったスタッフの皆さん方もうれしかったはずです。
「93%が効果あり」の結論なのですから。
「確かに皆さん元気だなと思っていましたけど」
「はっきりお元気になられたねと話してる方もいるんです」
「だいたい、会自体が楽しいんですよね」
口々に自分の中で確信されていることが言葉になって出てきます。
テストを実施しようとすると、嫌がる方はいます。でもこうやって全体的な評価をするためにテストをするのではありません。
エイジングライフ研究所が考え指導しているテストはあくまでも個別生活指導のためなのです。複数回実施すれば、比較をして個別に適切な指導(改善中の方にはその調子!と評価し、維持の方にはもう一工夫を一緒に考え、低下の方には生活の中の低下要因を探る)をしてあげるべきものです。データをとるためにテストするわけではなく、テストはあくまでも受けた方々のためであり、有益なものとして有効に使う覚悟で実施すべきです。
その蓄積で、その教室や事業の成果を客観的に評価することもできると考えてください。
豊科町、小布施町そして「なごみの部屋」と最近続いてまとめを見ることができました。認知症予防教室では、その取り組みが長いほど、歳をとっていくにもかかわらず改善群が増えていくことがはっきりしています。
左は豊科町の結果です。
全体的な傾向としては、ほとんど同じことが、わかりますね。こういう結果からも「ボケるか、ボケないでかくしゃくでいられるかは生き方の問題」ということにもっと自信を持っていいのです。
専門的に検討しなくても6年前に比べるとはっきりと改善していることがわかりますね。
さて、講演会当日に「かくしゃくの会」参加者の方々もいらっしゃっていました。
上記テスト結果のご本人。見るかからにかくしゃくとなさっていてしかも最高齢の斎○妙○さんに、インタビューをしました。
「趣味のビーズ工作は作ることもだけど、『なごみの部屋』や友人にあげて飾ってもらうのがうれしい」(会場にたくさんの作品がありました)
「小脳梗塞をしたけれども、『かくしゃくの会』があったおかげで、参加したくて頑張った」
「今日もおしゃれをしてるけど、もっとしてくればよかった(笑)」
「『かくしゃくの会』は楽しいですよ~」
事前の打ち合わせなしで満点の応答ぶり!
実は「なごみの部屋」は、とうとう自前の立派な施設を持つようになりました。
レベルに分けたデイサービスがあり、居住部分も充実したものでした。入所の皆さんにも二段階方式の脳機能テストを実施していますから、どのくらいの生活ができるか的確に理解されています。
丁度であった入所者の方です。
「お元気なのですよ!体は車いすですが、脳が!そうすると、ご自分で車いすも上手に運転されるし、お部屋も見てください。楽しんでいらっしゃいます」
このように脳機能を理解しながら対応していくことは、入所されている方のメリットだけでなく、スタッフの側にも仕事のやりやすさや、納得につながっていくからこそ、民間でありながら「なごみの部屋」が二段階方式を導入している意味なのでしょう。
斎○妙○さんにお手紙をさし上げました。前半ですが。
89歳の方に、ボランティア活動を勧めることができる喜び。いいですねえ。