パルコン旅行記

☆マイホーム建築への道のりとパルコンでの生活
(番外編を含む第1章~第5章)
☆寄り道日記

アンバランスなお年頃

2013-09-05 19:00:17 | ちょっと寄り道=独り言=
 甥っ子1号は、元気一杯のチャキチャキBOY。

幼い子供なら、誰でもそうだと思うけど、
この年代の子は、興味のある事や、気に入ったフレーズ、
世間の会話やニュース報道など、なんでも吸収する。

でも…、
その知識や言葉を、上手く使いこなす事が出来ない。

「吸収力が優れているなら、使い方も理解していて欲しい」
…と、大人は思うのだけれど、
言葉の使い方というのは、大人の私達でさえ上手く出来ない事が多々ある。


 甥っ子の近所には、
両足の長さが違う為、歩行に障害のある同級生A君がいる。

入学し、一緒に通学してくれる通学団の子供達に、A君ママは言った。
「A君、足が悪くて歩くの遅いから宜しくね。問題があったら考えるから。」

それから暫くして、
A君は、「班のみんなに虐められるから学校に行きたくない」…と言い出した。
A君ママは、怒って妹(甥っ子のママ)に泣きついて来た。

ついでに、甥っ子に
「おばさん、A君歩くの遅くて問題があるから考えた方が良いよ
…と言われた。と話して来た。


 A君は、確かに歩くのが遅かった。
でも、歩くのが遅いというより、
通学団の友達に、ふざけて鼻くそをつけるなどして歩調を乱したり
…という事もあった様で、高学年のお兄ちゃん達の怒りを買い、
ガツンと怒られたか、そんな事があったらしい。

A君ママは、
自分の子供のした事が発端で、お兄ちゃん達の怒りを買った事を理解した。
自分の言った「考えるから」という言葉に、
甥っ子が、反応した事についても、よく理解していた。

でも、妹(甥っ子のママ)は、引いた。
ドン引きだった。
息子に、どう説明したら良いのか…。
どう注意すれば良いのか…。
かなり悩んでいた。

******************************

 あれから5ヶ月…。
A君は、両足の長さを揃える為、半月の入院を要する手術をした。

ある日、妹(甥っ子のママ)の家にA君ママがやって来た。
どうやら、クラスのみんなにお見舞いの手紙を貰ったらしく、
「連絡帳にお礼を書いたから、先生に届けて下さい」…との事。

そのついでに、みんなからの手紙の内容を語りだしたA君ママ…。
「クラスで飼っていた金魚が死にました」
…という内容が3人くらい居た。と笑いながら話し、
「1号君からは、『病院の食事は薄いと思います』という内容だった」
…と、教えてくれたらしい。

 等々、
こんな話をしている横から、甥っ子1号が一言。
「金魚は死んじゃったけど、A君は死なないでね!」

…妹(ママ)は、凍りついた。
家に入って、コンコンと息子を叱った(諭した)。

・病院は、元気な人が行くところ?
・全身麻酔が必要な大変な手術をするんだよ。って教えたよね?
・自分が病気で入院していて、
 金魚は死んじゃったけど1号君は死なないで…と言われたらどう思う?
・1号は体の不自由な所はないけれど、それが普通だと思ってたらいけないよ。
思いついたありとあらゆる事を、言って聞かせた。

******************************

 入院している人や弱っている人に、
「死」の話や、その類の話をする事はタブーだ。
まして、「死ぬな!」という言葉は、適さない。

でも、
甥っ子にしてみれば、精一杯の励ましであったと思う。

 
 元気にスクスク成長している事に、日々感謝をしつつも、
その過程にある甥っ子を見ていると、
言葉の使い方やTPOについての教育は、本当に難しい…と、身に沁みて感じる。



※TPOとは、
Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとって、
「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語。




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