9月に入って早や10日、ビックリするほど早く時間が過ぎてしまう。
仙台・藤崎個展に向けての作品作り、焦りながらも制作を続けている。
大きな作品は殆ど作り終えたように感じてはいるが、
まだ何かが足りないような気もしている。
もっと手の込んだものを作りたかったが、少し考えてみた。
何かハッキリとはしないが、落ち着きのある、ゆったりとした作品を作りたくなり、
この頃何故か丸い形ばかりが頭に浮かんできた。
穏やかな、そしてふっくらとした形、
抱(いだ)きたくなるような、抱(いだ)かれるような形が次から次と浮かんできた。
何はともあれ、浮かんだ形を図面に描き、忠実にロクロでつくっている。
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Autumn Concert
いつもお世話いただいている、金沢市有松・藤村眼科医院のご夫妻から
秋のコンサートに是非どうぞ、とチケットを頂いた。
北陸ヴォーカルグループ? どんなグループかわからなかったが、
頂いた曲目を読んでみると、オペラの曲であったり、アリアであったり。
藤村先生は、G . ヴェルディ のオペラ「 リゴレッ ト 」の歌をうたわれる。
こんなにも音楽が好きな私だが、いまだかってオペラを鑑賞したことは一度もない。
フランス取材で何度かパリを訪れたが、オペラ座前を素通りしていた。
夕食をとオペラ座の近くまで出かけたが、あえて中に入ろうともしなかった。
長い時間を要するオペラ、そして難しい発声で内容が掴み取れない。
そのことを頭から否定して、オペラ上演には出かけたことは無かった。
けれど、様々なオペラの中で、特に馴染みのある曲が抜粋されてよく歌われる。
それらは小さい頃から自然と記憶の中に刷り込まれている。
今回頂戴したプログラム、なじみの曲目が多く、
どのような方々が、どのような発声で歌われるか、と楽しみであった。
相変わらず残暑厳しい今年、昨日も厳しい暑さが照りつけた。
金沢城の際にある駐車場に車をいれ、コンサート会場まで日陰を探して歩いた。
土曜日の午後、あまりの暑さに観光客の姿もまばら。
午後2時、定刻どおりコンサートが始まった。
出演者の皆さんの歌を聴いて驚いた。 おこがましい表現だが、素晴らしい。
殆どがご年配だが、発声の基礎がしっかりと出来ていて、安心して聴いていられた。
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輪花壷 |
男性出演者は、藤村眼科医院の院長先生だけ。
先生の音域はバリトン。 とても力強く張りのある声で歌われた。
それもすべて原語。 素晴らしい。
11月10日、アルマンド神父が指導されていたカルメンコーラスの発表会が行われる。
アルマンドはいつも言っていた、「 私が召されたら、フォーレのレクイエムを歌って欲しい。」
コンサートではレクイエムの中から3曲抜粋して歌うことになった。
が、その中にバリトン・ソロがあり、皆さんから私にと依頼がきた。
これまでだったら遠くに旅立った友人、アルマンド神父を偲んで歌うところだが、
昨年の夏依頼、声帯の調子が至極悪く、耳鼻科で調べてもらった。
昨年の診断では声帯に炎症を起こしているのでと、薬を処方してもらった。
昨年以来、いまだに調子が戻らない。
藤村先生とご一緒させていただけるのなら、と承諾したが、
なぜ声が出なくなったのか、原因が分からない。
7月に数度練習に出かけたが、やはり声が割れてしまった。
バリトン・ソロの出だしは「 レ 」、どういう訳か、この音が割れてしまう。
個展の準備で焦りまくっているし、引くに引けない今の状況。
先月、藤村先生ご夫妻から一緒に音合わせの練習を、とお誘いを受け、
先生宅にお邪魔し、発声方法や無理に声を出さない方法を教えていただいた。
先生にソロを、とお願いしたが、偲ぶ会だから気楽にいきましょ、
楽しい神父だったから喜んでいただける、と言われ、肩の力がすっと抜けた。
それ以来、フォーレのレクイエムは練習していないが、
先生の歌い方に沿っていけば何とかなるだろう、と安易な考えでいた。
おりしも音の流れやリズムを表現するような壷を作っている最中、
北陸ヴォーカルグループの方々の歌唱を聴かせていただき、
何事も日々の鍛錬が必要、と認識したひと時だった。
コンサート前に作った輪花壷、
スズランのように清楚で愛らしく、品良く仕上げなくては思っている。
音の流れのように。
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