サザンカの季節が移り行き、
庭には数種類のツバキが咲きだした。
雪の重みにも耐え、美しい花を見せてくれている。
雪の被害は全く解決していないが、
いつまでも気をもんでいても始まらない。
どうせ揉むのなら、粘土を揉む方がマシ。
そう思い、粘土の調合を始めた。
先般、カチカチになっていた粘土の再生を行い、
その後、どれくらい柔らかくなったかを再度確認し、
目的の青磁用粘土の調合を行った。
土練機=どれんき=は相変わらず分解したままの状態。
本来なら、もう組み立てて試運転を行っているところだが、
試運転用の粘土が調達できなくなってしまった。
と言うのも、
この冬の豪雪で、九谷焼の粘土製造工場の屋根が押しつぶされ、
粘土を作れなくなってしまったのだ。
その工場はロクロで使える粘土を製造している。
粘土にはロクロで使える粘土と使えない粘土の2種がある。
ロクロで使える粘土を調達しようと計画していたが、
豪雪被害でそれさえも出来なくなってしまった。
そのうちに使おうと、保存してあった粘土、
再生に時間を要したが、どうやら手で揉めるくらいになった。
出来る事ならば肩に、
体に負担が掛からない土練機を使いたかったが、
雪のためにすべてが狂ってしまい、
せっせと粘土揉んでいる。
いまいち気分が乗らずにいたけれど、
いつまでもため息をついていても仕方ないので、
必要分の粘土を用意した。
あの豪雪は何だったのだろうと思うほどの春の日差し、
ロクロを引く手を休めて外を眺めると、
これまでとは異なる景色が。
緑豊かな垣根のはずのカイズカイブキ、
すっぱりと整理し、風通しが良くなり過ぎた感も。
きっと新芽を出してくれる、茂ってくれる、
そう信じ、またロクロを回した。