私だけの、私独特の青磁を創りたくて。
相も変わらず鉄さびを素(もと)から作っています。
この赤い錆が青磁の美しい青色に変化するのです。
若い頃から陶芸の先生がいなかった私。
市販されていた陶芸の本が唯一の参考書。
でも書いてある通りに調合しても青色にはならず。
試行錯誤の繰り返しで素から鉄サビを作ることにした。
なんとか求める色が出て繰り返し試験を行った。
そして安定した青磁釉薬を作れるようになった。
数種類の基礎の原料にごくわずかな鉄サビを混ぜた釉薬。
なんども水を取り替えてアク抜きを行った。
やさしく温かい色合いの青磁釉薬。
ヒマさえあれば釉薬のかくはん作業を行っている。
いよいよ窯焚きの準備開始。
炎がまんべんなく窯全体に流れる様に調整を行った。
今の時季の窯焚きは暑くて大変。
それでも昔に比べれば楽な作業である。
まきを焚くことが許されない今、ガスで調整している。
温度も希望の高さまで上がり慎重に火を止める瞬間を待った。
良い焼き上がりになってくれることを願う。