新しいフィギュアスケートのシーズンの浅田真央さんのフリープログラムの曲目はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と発表されました。
単純な私は、公休日の今日は朝から、ラフマニノフの作品ばかりを聴いていた。
演奏はウラディミール・アシュケナージのピアノ、ベルナルド・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団による録音(デッカ盤)。
私は名門ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団の何か愁いを含んだ響きが大好きで、このCDを気に入っています。
さて話は変わりますが、昨年、わが街にNHK交響楽団がやって来ました。プログラムは「パガニーニの主題による狂詩曲」と交響曲第2番というオール・ラフマニノフ・プログラム。
地方の演奏会でラフマニノフの作品だけでオーケストラの演奏会が行われるとは、たいへん驚きであり、そして時代の流れを感じてしまいました。
私がクラシック音楽を聴き始めた頃、ラフマニノフの交響曲は本当にマイナーな存在で、演奏される機会も、あまりなくレコードも、ほとんどなかった。それが今や多くの交響曲全集、管弦楽曲集、ピアノ作品集といったアルバムが、多く発売されています。また私の手元にはオペラのCDもあります。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番が初演されたのは1901年、同じロシアの作曲家ストラヴィンスキーのバレエ「春の祭典」が初演されたのが1913年。同じ時代ですが両極端な音楽。
一方はロシアの大ロマン、そして片や大センセーションを引き起こした斬新な音楽。
しかし、今、どんどんラフマニノフの作品の録音が増えているのは、面白い。
やはり、あのメランコリー的で、愁いを帯びて息の深いメロディは、これからも多くの人々の心をとらえて行くでしょう。
さてさて私が初めてラフマニノフの作品を聴いたのは高校1年の時。NHKテレビの音楽番組。曲目は当然ながらピアノ協奏曲第2番。
ロシアの作曲家のピアノ協奏曲というとチャイコフスキーの1番しか私の頭の中になかった時代。
美しい旋律の中に、何か寂しさを漂わせた音楽に、すっかり魅了された私は、すぐにレコードを買いに行きました。
アルトゥール・ルービンシュタインのピアノ、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団による録音(RCA盤)
毎日、毎日聴いていた。あまりにもルービンシュタインのイメージが強すぎて、どのピアニストで聴いても何か物足りなさを感じてしまうという困った状態が今も続いています。
なお、このルービンシュタインとオーマンディによる録音は、まだCDで買い直していない。
なぜならCDのジャケットの写真が、レコードの時と違うからである。
ピアノを前にしているルービンシュタイン、そして指揮台からルービンシュタインを見つめているオーマンディの録音風景の写真でなければ、いけないのである。
それと、音質がレコードとCDでは変わっていたら怖い。
他人様から見ると変なこだわり。笑えば笑えである。
さて、今日、ピアノ協奏曲第2番を聴きながら、浅田真央さんは、どこの部分でトリプルアクセルを披露するのか?
そして第3楽章のフィナーレでは、どんな盛り上がりになるのか想像するだけで楽しくなります。
浅田真央さんはコメントしています。
「フリーのテーマは今までの人生。うれしかったり、悲しかったり、悔しかったり、色んな思いが入っている」
ラフマニノフの音楽に乗って浅田真央さんの思いが強く込められる演技。
おそらくタラソワさんも自国ロシアの地でのオリンピックで、自国の誇る作曲家の作品で真価を問うため、最高の振付を行うでしょう。
私は既にロシアの地で、ロシアの作曲家ラフマニノフの音楽をひっさげて、リンクに立つ浅田真央さんの姿に思いを寄せています。
(今日、聴いたCD)
①ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18 ウラディミール・アシュケナージ(ピアノ)ベルナルド・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団(1984年録音デッカ盤)
②ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調 作品27 シャルル・デュトワ指揮フィラデルフィア管弦楽団(1991年録音 デッカ盤)