オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

再録 2010年NHK杯「豊の部屋」

2013年05月09日 16時35分18秒 | 浅田真央さん

フィギュアスケートのシーズンも終わり、今はよく以前の映像を見ています。
今日は2010年のNHK杯のエキシビションの映像。
バンクーバーオリンピックの次のシーズン。浅田真央さんが佐藤信夫コーチの元でジャンプの修正を初めた初めてのシーズン。
この大会、浅田真央さんは8位。
NHK杯エキシビションの放送で恒例になっている「豊の部屋」
樋口豊先生と太田由希奈さん、刈屋アナウンサーが出演。
浅田真央さんが登場して、豊先生が号泣した忘れられない放送です。

(略)
豊先生  「今は、ちょっと苦しい時期かもしれないけど、絶対頑張ったら、絶対、元に(号泣・・・)がんばろうね」
真央さん 「頑張ります」
由希奈さん 「ジャンプの修正て、とても時間がかかるし、何万回も跳んできて、それで変わるから、意識して何回も何回もして、ようやく無意識に出来るようになるので、本当に時間が、かかるかもしれないけど、でも絶対に」
真央さん 「徐々に良くなっている実感があるので、時間がかかると思いますけど、すごく実感は感じているので、もうちょっとかなあと思います」
刈屋アナ 「でも、これは絶対に自分では、やらなければいけないと思うと決めてるわけですね。これを、やらない限りは、さらに次はない」
真央さん 「今シーズン、もう一度ジャンプを見直す時期だと思っているので」
刈屋アナ 「オリンピックで銀メダル獲って、世界チャンピオンになって、さらにジャンプを一からやる決意は、ものすごく勇気がいると思ったのですが?」
真央さん 「自分でも、あまり(ジャンプが)しっくりして来ていなかったので、オリンピック終わって直ぐに、そう思いました」
刈屋アナ 「樋口先生は今の苦しい気持ちを思うと、自分の実感として、その苦しさがわかるのですね」
豊先生  「今日は真央ちゃんの代わりの僕が泣いときます。でも次の(ソチ)オリンピックまで、まだ長いし、もっと前に治るよ。苦しい時期を過ごせば過ごすほど、次の幸せも一杯、大きくなってくるだろうし。ね!」
刈屋アナ 「本当に高い所に行くためにはと思った決意でしょうから、これは何があっても、ぜひ、それを進んで欲しい。それは今回、ファンの皆様はわかったと思います。今回の姿を見て」
由希奈さん 「真央ちゃんは、十分、頑張っていると思います」
(略)
刈屋アナ 「ぜひ新しいスタートを納得できる形で進んで行ってくださいね」
豊先生  「ゆっくりと。焦らないでくださいよ。待ってます!」

今見ると、決意を心に秘めた浅田真央さんの凜とした表情が印象的。
あれから3年経ちました。
今、この会話を聞くと、本当に浅田真央さんの、この3年間の重さを感じます。
今回、この映像見て、浅田真央さんとキム・ヨナを比べることが、いかに無意味なものか改めて痛感しました。
真央さんの今までの苦労が、やっと花開いてきました。
新しいシーズンの浅田真央さんのプログラムが楽しみです









映画「野菊の如き君なりき」

2013年05月09日 12時49分36秒 | 映画
このところ休みの日には必ずDVDなどで映画を最低1本見ている。
何もかも忘れてドラマに没頭する。やはり現実逃避なのであろう。
フィギュアスケートのシーズンも終わってスカパ!の「Jスポーツ」を解約して外国映画の専門チャンネル「スター・チャンネル」と契約したのも大きかったかもしれません。GW中には「スターウォーズ」全6作一挙放送があり嬉しかったな。
DVDやテレビの映画専門チャンネルなど、もともと高校生時代から映画は大好きだったので、私にとって本当に嬉しい時代になりました。
さて昨年12月は木下恵介監督の生誕100年でした。
わが国の映画監督では黒澤明が世界的にも断トツで有名ですが、木下恵介は絶対に忘れないで欲しい。
生誕100年だから見ていると言う訳ではありませんが、日本映画もよく見る私にとって木下恵介の作品は絶対避けて通れない作品ばかりである。
私が木下恵介の作品を初めて見たのは小学生時代の映画教室。「なつかしき笛や太鼓」だった。
さて数日前、木下恵介の代表作と言える「二十四の瞳」と「野菊の如き君なりき」を続けて見て、静かな感動を憶えました。
「二十四の瞳」は我が郷土の小豆島が舞台。余談ながら我が家の墓所も小豆島にある。
さて「二十四の瞳」は、戦闘シーンなど全くないが、やはり反戦映画だと思います。
世界地図的から見ると小豆島など、本当にちっぽけな島。
そんな島の子供たちが大きくなって戦場にかり出され、白木の小さな箱に入って島へ帰ってくる。
高峰秀子扮する大石先生と子供たちの交流のシーンが美しければ美しいほど、この恐ろしさ、悲しさが強く迫ってくる。
ひとたび戦争が起きると、一番辛いのは我々庶民なのだという、木下恵介の強いメッセージが伝わってきます。

そして昭和30年制作の「野菊の如き君なりき」
この作品は久し振りに見た。大学生時代、今はなくなったらしいが池袋文芸坐で見た。おそらく、それ以来であろう。
原作は有名な伊藤左千夫原作の「野菊の墓」である。残念ながら私は原作は読んだことがない。
昔、この映画を見た時は何とも思はなかったが、今、見ると大きく心を揺り動かされた。
この違いはなぜだろうか?私も年をとって、昔を回顧する年代になったためだろうか?
原作の舞台は関東の田舎らしいが、この映画では信州が舞台になっている。
信州の美しい自然を背景に少年と少女の、はかない恋を描いた作品。
そんなストーリーだが木下恵介の手にかかると、まさに超一級の作品になる。まさに木下恵介の魔法にかかったように。
白黒の画面から伝わってくる明治の時代の雰囲気。
特に有田紀子扮するヒロインの民子の哀しさ。本当に胸がしめつけられました。
一番、忘れられないシーン。
民子が意に沿わない縁談を受け入れて花嫁姿で嫁ぐシーン。
人力車に乗った民子がふっと顔を上げます。
自分自身、もう二度と思いを寄せた政夫に会うことは出来ないという永遠の別れ、そして、これからけっして自分自身幸せになれないという覚悟を告げているようで、本当に胸を打ちます。
そして、その花嫁行列の悲しいくらい幻想的な美しさ。映画を見ている者は、その後の民子の悲しい死を知っているだけに、なおいっそう悲しさが迫ってきます。
それにしても、映像で映し出される撮影当時の原風景の美しさ。
こののち、日本の風景は一変してしまった。
アスファルトにコンクリート、民家にはテレビアンテナ。そして近代建築。
残念ながら、現在、ロケで、こういう作品を撮るのは、もう不可能だろう。
映画「野菊の如き君なりき」は、我々日本人が、何か失くしてしまったものを思い出させるような作品と言うべきでしょう。

木下恵介の作品は以前、レンタルビデオで「女の園」や「永遠の人」など、かなりの作品を見ていますが、それっきりになっています。
もう一度、じっくりと見直して行きたいものと思っています。