今年は朝比奈隆の生誕100年の節目の年です。カラヤンも同様でしたが、カラヤンの方は全く興味はありませんでしたが・・・
今年の春から朝比奈隆の最も得意としていたブルックナーを第1番からたどっていましたが第0番を含めて10曲なので、もっと早く9番までたどり着けるかな?と思いましたが、甘かった!後期になればなるほど作品の重さを痛感しペースが落ちてしまいました。
今日はやっと最後の第9番です。また今日は特別な日です。この巨匠の命日です。(2001年12月29日没)偶然、私の公休日が重なって、この日にブルックナーの最後の交響曲を取り上げるのは何か身の引き締まる思いです。
ブルックナー 交響曲第9番 ニ短調
第1楽章 壮重に、神秘的に
第2楽章 スケルツォ
第3楽章 アダージョ
ブルックナー、最後の交響曲である。あの傑作の第8番をさらに厳しく、そして荘厳に凝縮したブルックナーの最高傑作になるはずだった。しかし残念ながら第3楽章を書き終えたあと、未完成のままブルックナーは死去。もし第4楽章が書き上げられていたら、どんな凄い作品になっていただろうか?
第3楽章がアダージョでよかった!スケルツォだったら興ざめだったかもしれません。
第1楽章の冒頭は8本のホルンによって演奏される旋律によって、この作品の計り知れない厳しく、雄大な世界に投げ込まれる思いである。この楽章の最後はまさに死を前にしての作曲者の魂のすさまじい激しさなのであろうか!
第3楽章のアダージョは第8番のアダージョと並ぶ最高傑作。演奏時間は8番と比べて短いが本当に厳しい音楽である。ブルーノ・ワルターの言葉に「マーラーは神を見ようとした。ブルックナーは神を見た」がありますが、ブルックナーは、このアダージョで神を見たのであろうか?
私が所持している朝比奈隆の第9番の録音は下記の通り。
①大阪フィルハーモニー交響楽団(1976年4月神戸文化ホールでのスタジオ録音)ジャンジャン盤
②新日本フィルハーモニー交響楽団(1980年6月東京カテドラル聖マリア大聖堂でのライブ録音)ビクター盤
③東京都交響楽団(1993年9月東京文化会館でのライブ録音)フォンテック盤
④大阪フィルハーモニー交響楽団(1995年4月大阪、ザ・シンフォニーホールでのライブ録音)ポニーキャニオン盤詳しくはこちら
⑤NHK交響楽団(2000年5月NHKホールでのライブ録音)フォンテック盤
⑥大阪フィルハーモニー交響楽団(2001年9月大阪・ザ、シンフォニーホールでのライブ録音)EXTON盤
第9番は朝比奈隆のブルックナーの演奏歴の中で一番、最初の取上げられた作品である。(1954年大阪フィルの前身である関西交響楽団)
また⑥はおそらく朝比奈隆生涯最後の録音と思われます。(2001年9月の録音、同年12月死去)
私にとって①④⑥の録音が好きです。その中で一つと言われたら④になります。⑥はどうしても最後の録音という事でどうも普通の感情で聴くことが出来ません。①は熱気溢れる演奏ですがオケの完成度は④や⑥に譲ります。④は、まだ死の影の無い充実しきった演奏で私は定評のあるギュンター・ヴァント指揮ベルリンフィルの録音より好きです。
最後にブルックナーの第9番と朝比奈隆にちなんだ私事の思い出を一つ。
1978年9月朝比奈隆はNHK交響楽団の定期演奏会に客演し第9番を演奏しました。9番の前にショパンのピアノ協奏曲第1番がありソリストは初来日のクリスチャン・ツィマーマン。ショパンとブルックナーという私にとっては変な?プログラムでした。第9番はアダージョが素晴らしかった。N響の充実した弦が鳴り響き絶品でした。N響との録音は⑤がありますが、ぜひ1978年の演奏もCD化して欲しいものです。
さて終演後、私の悪い習性が出てホールの楽屋口に自然と脚を運んでしまいました。そして巨匠が登場してサインを頂いたのですが、その時、巨匠から声を掛けられてしまいました。
巨匠「(大きな)NHKホールで初めて指揮したが、上手く聴こえましたか?」
私 「(驚きながらも)ハイ、素晴らしい演奏でした」
あまりの突然だったので巨匠の意とする答えになっていなかったかと思いますが大切な思い出となってしまいました。
朝比奈隆が亡くなって7年経ちましたが未発表の録音もまだまだCD化され、また1980年の東京カテドラル聖マリア大聖堂でのライブシリーズもセットでCD化されるようで私にとって、この亡き巨匠はますます大きな存在になって行くことでしょう。この半年、かなり集中してブルックナーの録音をききました。朝比奈隆の芸術の素晴らしさもありますが、やはりブルックナーの交響曲の魅力を再認識し、ますますブルックナーの世界に深く、深く入り込んで行く事が出来、幸せでした。
最後に私にとって朝比奈隆のブルックナーの録音で大好きな録音のベスト3を挙げて終わりたいと思います。(番号順)演奏は全て大阪フィルハーモニー交響楽団
①交響曲第3番 ニ短調「ワーグナー」 1993年10月大阪フィルハーモニーでのスタジオ録音(ポニー・キャニオン盤)
②交響曲第5番 変ロ長調 1973年7月東京文化会館でのライブ録音(TokyouFM盤)
③交響曲第8番 ハ短調 2001年7月サントリーホールでのライブ録音(EXTON盤)
今年の春から朝比奈隆の最も得意としていたブルックナーを第1番からたどっていましたが第0番を含めて10曲なので、もっと早く9番までたどり着けるかな?と思いましたが、甘かった!後期になればなるほど作品の重さを痛感しペースが落ちてしまいました。
今日はやっと最後の第9番です。また今日は特別な日です。この巨匠の命日です。(2001年12月29日没)偶然、私の公休日が重なって、この日にブルックナーの最後の交響曲を取り上げるのは何か身の引き締まる思いです。
ブルックナー 交響曲第9番 ニ短調
第1楽章 壮重に、神秘的に
第2楽章 スケルツォ
第3楽章 アダージョ
ブルックナー、最後の交響曲である。あの傑作の第8番をさらに厳しく、そして荘厳に凝縮したブルックナーの最高傑作になるはずだった。しかし残念ながら第3楽章を書き終えたあと、未完成のままブルックナーは死去。もし第4楽章が書き上げられていたら、どんな凄い作品になっていただろうか?
第3楽章がアダージョでよかった!スケルツォだったら興ざめだったかもしれません。
第1楽章の冒頭は8本のホルンによって演奏される旋律によって、この作品の計り知れない厳しく、雄大な世界に投げ込まれる思いである。この楽章の最後はまさに死を前にしての作曲者の魂のすさまじい激しさなのであろうか!
第3楽章のアダージョは第8番のアダージョと並ぶ最高傑作。演奏時間は8番と比べて短いが本当に厳しい音楽である。ブルーノ・ワルターの言葉に「マーラーは神を見ようとした。ブルックナーは神を見た」がありますが、ブルックナーは、このアダージョで神を見たのであろうか?
私が所持している朝比奈隆の第9番の録音は下記の通り。
①大阪フィルハーモニー交響楽団(1976年4月神戸文化ホールでのスタジオ録音)ジャンジャン盤
②新日本フィルハーモニー交響楽団(1980年6月東京カテドラル聖マリア大聖堂でのライブ録音)ビクター盤
③東京都交響楽団(1993年9月東京文化会館でのライブ録音)フォンテック盤
④大阪フィルハーモニー交響楽団(1995年4月大阪、ザ・シンフォニーホールでのライブ録音)ポニーキャニオン盤詳しくはこちら
⑤NHK交響楽団(2000年5月NHKホールでのライブ録音)フォンテック盤
⑥大阪フィルハーモニー交響楽団(2001年9月大阪・ザ、シンフォニーホールでのライブ録音)EXTON盤
第9番は朝比奈隆のブルックナーの演奏歴の中で一番、最初の取上げられた作品である。(1954年大阪フィルの前身である関西交響楽団)
また⑥はおそらく朝比奈隆生涯最後の録音と思われます。(2001年9月の録音、同年12月死去)
私にとって①④⑥の録音が好きです。その中で一つと言われたら④になります。⑥はどうしても最後の録音という事でどうも普通の感情で聴くことが出来ません。①は熱気溢れる演奏ですがオケの完成度は④や⑥に譲ります。④は、まだ死の影の無い充実しきった演奏で私は定評のあるギュンター・ヴァント指揮ベルリンフィルの録音より好きです。
最後にブルックナーの第9番と朝比奈隆にちなんだ私事の思い出を一つ。
1978年9月朝比奈隆はNHK交響楽団の定期演奏会に客演し第9番を演奏しました。9番の前にショパンのピアノ協奏曲第1番がありソリストは初来日のクリスチャン・ツィマーマン。ショパンとブルックナーという私にとっては変な?プログラムでした。第9番はアダージョが素晴らしかった。N響の充実した弦が鳴り響き絶品でした。N響との録音は⑤がありますが、ぜひ1978年の演奏もCD化して欲しいものです。
さて終演後、私の悪い習性が出てホールの楽屋口に自然と脚を運んでしまいました。そして巨匠が登場してサインを頂いたのですが、その時、巨匠から声を掛けられてしまいました。
巨匠「(大きな)NHKホールで初めて指揮したが、上手く聴こえましたか?」
私 「(驚きながらも)ハイ、素晴らしい演奏でした」
あまりの突然だったので巨匠の意とする答えになっていなかったかと思いますが大切な思い出となってしまいました。
朝比奈隆が亡くなって7年経ちましたが未発表の録音もまだまだCD化され、また1980年の東京カテドラル聖マリア大聖堂でのライブシリーズもセットでCD化されるようで私にとって、この亡き巨匠はますます大きな存在になって行くことでしょう。この半年、かなり集中してブルックナーの録音をききました。朝比奈隆の芸術の素晴らしさもありますが、やはりブルックナーの交響曲の魅力を再認識し、ますますブルックナーの世界に深く、深く入り込んで行く事が出来、幸せでした。
最後に私にとって朝比奈隆のブルックナーの録音で大好きな録音のベスト3を挙げて終わりたいと思います。(番号順)演奏は全て大阪フィルハーモニー交響楽団
①交響曲第3番 ニ短調「ワーグナー」 1993年10月大阪フィルハーモニーでのスタジオ録音(ポニー・キャニオン盤)
②交響曲第5番 変ロ長調 1973年7月東京文化会館でのライブ録音(TokyouFM盤)
③交響曲第8番 ハ短調 2001年7月サントリーホールでのライブ録音(EXTON盤)