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オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

今日聴いたCD 11月11日、そしてNHK杯

2011年11月11日 10時15分13秒 | 今日、聴いたCD
①シベリウス  ヴァイオリン協奏曲ニ短調 チョン・キョンファ(ヴァイオリン)アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団(1970年録音 デッカ盤)
②シベリウス  「カレリア」序曲 (1977年録音)
③シベリウス  「カレリア」組曲 ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(1975年録音 RCA盤)
④ブルックナー 交響曲第2番ハ短調(ハース版) ギュンター・ヴァント指揮ケルン放送交響楽団(1981年録音 RCA盤)

朝一番にシベリウスのヴァイオリン協奏曲のCDを聴いて深い感動を憶える。この前の日曜、NHK・BSでのNHK交響楽団の放送で、この作品を聴きました。ヴァイオリン独奏の竹澤恭子さんの演奏は力演で立派な演奏でしたが、この作品全体に流れる北欧の冷たい空気が気薄だったのが残念でした。
この作品をCDで聴くとなると、やはりチョン・キョンファの録音になってしまう。厳しく、孤独、純粋そして内に秘めたる情熱あふれる演奏は今も私をとらえ続けている。
チョン・キョンファの新しい録音が途絶えて、かなり経ちました。ステージに立ったという情報も聞かなくなりました。もう引退同然なのでしょうか?私の一番好きなヴァイオリニスト。こんな残念なことはない。
10数年前、東京出張の折、幸運にも彼女のリサイタルと重なり、サントリーホールで生で聴くことが出来ました。そして終演後、楽屋口で、私の悪い病気?の出待ちをしてサインを頂きました。その時、彼女が、あまりにも小柄なので本当に驚きました。こんな小柄な体から、あの厳しい演奏を生み出すとは・・・正に驚きでした。
チョン・キョンファの演奏するベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン協奏曲の新しい録音をぜひ聴きたいものです。いつまでも待ちます・・・。

ギュンター・ヴァントの死後、多くのブルックナーのライブ録音が登場して、私自身、訳が分からなくなってきた。ただ作品は後期の作品に集中しているようだ。初期の第1番から第3番の録音は、このケルン放送響との録音しかないようだ。
スケールの大きな後期の作品より、どうしても初期の作品のCDに手が伸びてしまう。シベリウスのヴァイオリン協奏曲と同様、アルプスから吹いてくる冷たい空気、自然の香りに魅かれるのだろうか・・・。
この第2番の演奏も音楽の流れに身を任すのみである。第2楽章は、いじらしいほど美しかった。


さて、いよいよ今日からフィギュアスケートのNHK杯!
午後3時からのBSでの生中継が楽しみである。アイスダンス、ペアの競技と続きます。これらをきちんと放送してくれるのは、さすが皆様のNHKである。
一番のお目当てはアイスダンスのマイア・シブタニ&アレックス・シブタニの兄妹コンビである。今年の春の世界選手権3位だっただけに、今シーズン、どれだけデイビス&ホワイト組、バーチュ&モイヤ組に迫れるか注目しています。
そして夜は浅田真央さんと鈴木明子さんの登場。鈴木明子さんが絶好調のようである。
また私の期待の星アグネス・ザワツキー、そしてキーラ・コルピの登場も楽しみです。
北欧美人のコルピの姿を見ただけでクラクラしそうです。


  

今日聴いたCD 11月2日

2011年11月02日 14時31分45秒 | 今日、聴いたCD
①リスト ハンガリア狂詩曲第2番 ウィーリー・ボスコフスキー指揮フィルハーモニア・フンガリア(EMI盤)
②ヨハン・シュトラウス2世 喜歌劇「こうもり」序曲
③ヨハン・シュトラウス2世 ワルツ「春の声」 キャスリーン・バトル(ソプラノ)ヘルベルト・カラヤン指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(1987年元日ウィーンでのライブ録音 ドイツグラモフォン盤)
④シベリウス 交響曲第4番イ短調
⑤シベリウス 交響曲第5番変ホ長調 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団(1989年録音 デッカ盤)
⑥シベリウス 組曲「恋人」ユハニ・ラミンマキ指揮エスポー市室内管弦楽団(1989年録音 フィンランディア盤)
⑦ディーリアス 「春初めてのカッコウを聞いて」「川の上の夏の夜」「間奏曲とセレナード~歌劇『ハッサン』より」「夜明け前の歌」「ラ・カリンダ」「去りゆくつばめ」「夏の歌」など ジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(EMI盤)

昨日、BSで放送で見たスケート・カナダでの鈴木明子さんの「こうもり」の余韻が残っているのか、朝から「こうもり」序曲を聴いてしまった。聴いていて頭の中で鈴木明子さんが舞っていた。放送では単に「こうもり」序曲としか曲名しか紹介しませんでしたが、しっかりと作曲者のヨハン・シュトラウス2世の名前も紹介して欲しかった。
ウィンナーワルツが、かもし出すウィーンへの憧れ、ウィーンの香り。これを大好きな鈴木明子さんが、今シーズン、氷上で演じる。こんな喜びはない。こんな喜びを味合うことが出来るのも、長年、クラシック音楽を聴いてきたお蔭である。
今日、聴いたのはカラヤンが1987年の元日、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートのライブ録音。私がオペラ以外で持っている唯一のカラヤンのCDである。当日、私は衛星生中継も見ている。キャスリーン・バトルの真っ赤なドレスを着ての「春の声」は忘れることが出来ない。

シベリウスの交響曲と言えば第2番が超有名である。正に何とかの一つ覚えである。しかし私は第2番は全く興味ない。聴く気もしない。私にとっての真のシベリウスの交響曲は第4番から最後の第7番である。
30代半ば、ヘルシンキ郊外ヤルヴェンパーの「アイノラ荘」に、ひきこもったシベリウスは、自然の持つ孤独感を感じながら、宇宙を見た!
私は第4番と第5番を続けて聴くのが大好きです。暗くシンと静まった真夜中のフィンランドの自然を描写したような第4番。そして夜明けから日の出に向かう壮大な第5番。シベリウスの交響曲を聴く醍醐味ここにありである。
ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団のCDは、私の好みに合ったカップリングで愛聴しています。
シベリウスは交響曲以外に多くの小品を書いていますが、私のお気に入りは組曲「恋人」です。あまり他人様に教えたくないのですが・・・。
ディーリアスの作品もシベリウスの「恋人」と同様。

昼すぎから、どこかのおじさんの影響で映画「モスラ」のDVDを見る。CGなど、この世にない1961年の特撮怪獣映画である。今となっては「特撮」という言葉が懐かしい。この頃の特撮怪獣映画は子供向きという考えはなく、大人の目線で制作しているので、今、見ても面白い。
モスラが東京タワーを破壊する場面は凄いものがあります。
「モスラ」と言えばザ・ピーナツが歌った「モスラの歌」が有名です。作曲者は古関裕而。この映画の音楽も担当している。
出演はフランキー堺、香川京子、志村喬、上原謙といったそうそうたる顔ぶれに、当時、人気絶頂だったザ・ピーナツ、そして音楽は古関裕而である。完全な大人の映画である。
古関裕而は歌謡曲の作曲家として有名ですが若い頃はリムスキー・コルサコフやストラヴィンスキーの音楽に傾倒し、1929年、日本人として初めて管弦楽曲で海外の作曲コンクールに入賞した履歴があるらしい。
映画「モスラ」は古関裕而のオーケストラ曲を聴くことができる貴重な映画かもしれません。
怪獣映画も奥が深い!

今日聴いたCD 10月28日

2011年10月28日 16時09分37秒 | 今日、聴いたCD
①ブルックナー 交響曲第2番ハ短調(ノヴァーク版) エリエル・インパル指揮東京都交響楽団(2011年5月東京文化会館でのライブ録音 EXON盤)
②ヴェルディ  歌劇「仮面舞踏会」(全曲) ルチアーノ・パバロッティ(テノール)ゲオルグ・ショルティ指揮ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団(デッカ盤)

今日も朝からインパル指揮のブルックナーの交響曲第2番を聴いてしまった。ブルックナーの初期の交響曲には、どうしても強く魅かれるものがある。後期の交響曲のようにスケールの大きさはありませんが、自然の息吹や瑞々しい詩情にあふれ、飽きることなく聴いている。
今日は特に第1楽章に魅かれた。弦のさざ波の上をチェロが第1主題を弾く冒頭は、聖フロりアンの自然が目に浮かぶようである。
なお、ブルックナーの初期の交響曲は後期の交響曲を十分に聴きこんでから聴いた方が絶対にいいと思います。ブルックナーの音楽に慣れていない状態で初期の交響曲を聴くと、全く面白くないでしょう。

ブルックナーを聴いたあとパソコンを立ち上げると、たいへん不愉快極まりないコメントあり。怒りも込み上げてきましたが、物事を、ああいう風にしか捉えることが出来ない方は本当にかわいそうである。

気を取り直して、ブルックナーの世界から、いきなりヴェルディのオペラの世界に入る。
私はオペラ大好き人間なので、当然、ヴェルディのオペラは大好きである。ヴェルディのオペラで大好きなのは「仮面舞踏会」「ドン・カルロ」「シモン・ボッカネグラ」など。普通の方だと「アイーダ」や「オテロ」を挙げると思いますが、私はやっぱり変わり者?最近はブルックナーと同様、初期の作品に魅かれるものがあります。
さて「仮面舞踏会」ですが、このオペラにはマリア・カラスが歌った2種類(スタジオ録音とスカラ座でのライブ録音)があり、おそらく、これが、このオペラの最高の演奏だと思いますが、私は、このオペラを録音の良い演奏で聴きたい時はルチアーノ・パバロッティがリカルドを歌ったゲオルグ・ショルティ指揮の録音を聴いてしまいます。
何と言ってもパバロッティの声の魅力には勝てません。

話は変わりますが昨日のプロ野球のドラフト会議は悲喜交々でしたが、面白いものがありました。
そして、あの巨人のハズレ1位はわが郷土の松本投手である。さて松本投手の高校は私の娘の出身校であり、その高校で私の妹の亭主(要するに義弟)は教師をしている。これから、いろいろな情報が入ってくるかもしれない。
そして巨人と言えば、あの名監督だった水原茂と三原修も、わが郷土出身である。
とにかく松本投手には練習に精進して巨人のエースになって、わが郷土の誇りになって欲しいものと強く願うばかりである。


今日聴いたCD 10月26日

2011年10月26日 14時41分44秒 | 今日、聴いたCD
①ブルックナー 交響曲第2番ハ短調(ノヴァーク版) エリエル・インパル指揮東京都交響楽団(2011年5月東京文化会館でのライブ録音 EXON盤)
②シューベルト 歌曲集「美しき水車小屋の娘」 イアン・ボストリッジ(テノール)内田光子(ピアノ)(2005年録音 EMI盤)

私はブルックナーの交響曲の中で最高傑作は?と聞かれたら迷わず第8番と答えると思いますが、一番好きな作品は?と聞かれたら第2番と答えるでしょう。第1楽章の弦のさざなみに乗ってチェロが演奏する第1主題を聴くだけでこの作品に引き込まれます。
さて、この交響曲第2番で魅力的な演奏の録音のCDが加わりました。
インパルは1988年フランクフルト放送交響楽団との録音以来2度目、そして東京都交響楽団も1986年の朝比奈隆との録音以来2度目の録音である。正直1988年のインパルの録音のCDも持っていますが、一度聴いただけで、全く印象に残っていません。
今回のインパルの録音は朝比奈隆の演奏のような物々しさはありませんが、たいへん瑞々しい演奏で、この大好きな交響曲の魅力満載で今回の新録音のCDの登場は本当に嬉しい。そして日本のオーケストラの演奏だからと言う意識は絶対に持ってはいけない。チェロの響きの美しさなど本当に見事である。
第2楽章のアンダンテの美しさ!これが聖フロりアン教会周りの自然の息吹だろうか?第3楽章のスケルツォのトリオではインパルの歌声が聞こえてきて胸が締め付けられる思いである。
なお、このCDは国内盤なので発売日の数日後、市内のCD店に買いに行ったら売り場に無く、ヨモヨモしながらネットで手配したのですが、「レコード芸術」の新譜月評が掲載された後にCDが届いたのが残念だった。地方のCD購入事情の悪さにはガッカリします。

この前は「冬の旅」を聴きましたが、今日は「美しき水車小屋の娘」
歌曲集「美しき水車小屋の娘」の私の本命の録音はフリッツ・ヴィンダーリヒのグラモフォン盤です。テノールの美しい声、またドイツ語の美しさ!この歌曲集でヴィンダーリヒの録音を超えるものは無いだろうと信じていますが、今日はイギリスのテノール、ボストリッジの録音で聴きました。ピアノは内田光子。
まさにボストリッジと内田光子の真剣勝負のようである。ボストリッジの繊細で表情豊かな歌も悪くない。そしてピアノの内田光子!
内田光子にはシューベルトのピアノソナタの素晴らしい録音がありますが、あのピアノソナタの世界がそのまま、この「美しき水車小屋の娘」の世界に移って来ているようで息を飲む。
以前、大阪で内田光子によるオール・モーツァルトによるリサイタルを聴いたことがあり、彼女の弾くピアノの奥の深い音色は絶対にマイクに入らないのではと思ったものですが、それでも彼女の1枚1枚のCDは私にとっては大切なものです。
モーツァルトのピアノソナタなどは、再録音して欲しいと思っていますが、もう無理だろうなあ。



今日聴いたCD 10月19日

2011年10月19日 15時00分15秒 | 今日、聴いたCD
今日は、やっとこさの久し振りの公休日。
朝一番、久し振りに病院へ行く。血圧を測ると上は140台、下は90台。
下が気になる。こんな生活(仕事)をしている限り、ダメなのかもしれない。

帰宅して気を取り直して久し振りにCDを聴き始める。

①ブルックナー 交響曲第1番(ハース版) 朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団(1994年録音 CANON盤)
②レスピーギ  交響詩「ローマの祭り」  アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団(1949年録音 RCA盤)
③シューベルト 歌曲集「冬の旅」(全曲) ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ(バリトン)ジェラルド・ムーア(ピアノ)(1962年録音 EMI盤)
④マーラー   リュッケルトの詩による5つの歌曲 ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ(バリトン)ダニエル・バレンボイム(ピアノ)(1978年録音EMI盤)

やはりブルックナーの交響曲は私の一番の世界。今日も、それを実感する。
ブルックナーと言うと多くの方は4番や7~9番の作品を聴くことが多いと思いますが、私は1番から3番の初期の作品が大好きである。自然のもつ優しさや寂しさ、孤独感が私の心をとらえている。
朝比奈隆は初期の作品だからと言って、こじんまりした演奏をしていない。後期の作品と同じ姿勢での演奏が本当に嬉しい。作品が小さくならない。
第2楽章のアダージョが美しかった。そして第4楽章のフィナーレは正に大自然が鳴り響いているようである。
そして心の底からブルックナーの交響曲第1番を堪能した。

トスカニーニ指揮のローマ3部作の録音の中で一番有名なのは「ローマの松」ですがCD化になって一番、驚いたのは「ローマの祭り」である。
LPレコードでも持っていましたが「ローマの祭り」は録音の古さを感じ、ほとんど聴くことがありませんが、オリジナル・モノラル・マスターテープからのCDを聴いてビックリ!とても同じ演奏とは思えなかった。
第1曲の「チェルチェンセス」の壮絶さ。第4曲の「主顕際」での祭りの騒ぎを一糸乱れない表現をするオーケストラの物凄さ。
CDの解説に書かれていますがLPレコードの時代のトスカニーニの録音のイメージの「硬い・きつい・きたない」の3Kが本当のトスカニーニの実像とかけ離れていたことがCDによって、本当によく分かってきました。

秋も深まってドイツ歌曲を聴くに一番いい季節になりました。
久し振りに「冬の旅」の全曲を聴く。やはり私の世代はフィッシャー・ディースカウになってしまう。
「冬の旅」で一番好きなのは第1曲の「おやすみ」です。何度も聴きなおしてしまった。
マーラーはどうしても交響曲が有名ですが、私は若い頃のように交響曲を頻繁に聴くことがなくなった。マーラーの交響曲に対する愛着が薄くなったのであろう。しかし歌曲は別である。
「私はこの世に忘れられて」は本当にに心にしみます。

今日聴いたCD 10月12日

2011年10月12日 16時03分59秒 | 今日、聴いたCD
①ブラームス 交響曲第2番 ニ長調 作品73
 ブラームス 交響曲第3番 ヘ長調 作品90 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団(1952年録音 RCA盤)
②エルガー  チェロ協奏曲 ホ短調 作品104 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)ジョン・バルビローリ指揮ロンドン交響楽団(1965年録音 EMI盤)
③ドニゼッティ 歌劇「アンナ・ボレナ」第2幕第3場「狂乱の場:あなたたちは泣いているの?~私の生まれた私のお城」 マリア・カラス(ソプラノ)ガヴァッツェーニ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団、合唱団(1957年スカラ座でのライブ録音)

LPレコードの時代、私はトスカニーニの録音が苦手だった。何枚かレコードは持っていましたが、響きのない固さのある録音が、どうもダメだった。しかしトスカニーニは、ずっと気になる存在でした。
そしてCDの時代になりトスカニーニの録音を再び聴いてみると、その響きの豊かさに驚きました。レコードでは、その響きの豊かが消し飛んでいたようである。
さてブラームスの交響曲。トスカニーニのドイツ物に関して、まだ何か偏見があるようである。残念ながら、私は昔から、そんな偏見を持つことがなかったのが本当に幸いである。これも今までの私の節操のない聴き方のお蔭かな?
演奏は、おそらくフルトヴェングラーの演奏と対極にある演奏でしょう。フルトヴェングラーの演奏のような神秘性はなく、アメリカのオケなのでドイツのオケのような、くすんだ響きが希薄なのが好き嫌いの分かれ目かもしれません。トスカニーニの演奏は感情に押し流されないブラームスですが、ベートーヴェンの交響曲と同様、トスカニーニの強い意志のあふれた演奏と言うべきか。
しかし、その中にも、歌心を忘れない、メロディを歌わせながらの頑固な音楽造りのトスカニーニの演奏の良さ、面白さを、ぜひ聴き取って欲しいものである。

ジャクリーヌ・デュ・プレのエルガーの録音は昔からの私の愛聴盤である。第3楽章や第4楽章は何度聴いても泣かされる。さて私の心の中に彼女が亡くなって現在もジャクリーヌ・デュ・プレと言う存在が強くあるので、音楽面では全く関係ないことですが、今でもダニエル・バレンボイムなる男、どうも好きになれません。

最後に。マリア・カラスは本当に凄いねえ。



今日聴いたCD 10月7日

2011年10月07日 16時30分41秒 | 今日、聴いたCD
今日の公休日も朝からCD三昧。
相変わらず行き当たりばったり。何ら作品と作品のつながり、関連なし。本能のままである。

①ディーリアス 「ブリッグの定期市」「夏の庭で」「楽園への道」「2つの水彩画」「春を告げるかっこうを聞いて」「川の上の夏の夜」 チャールズ・マッケラス指揮ウェールズ・ナショナル・オペラ管弦楽団 (デッカ)
②ヨハン・シュトラウスⅡ世 喜歌劇「こうもり」序曲 ウィリー・ボスコフスキー指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(デッカ)
③ドヴォルザーク 交響曲第7番 オットマール・スウィトナー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団 (1983年録音)
④プッチーニ 歌劇「トスカ」 マリア・カラス、ジョルジュ・プレートル指揮パリ音楽院管弦楽団 (1964年録音 EMI)

イギリス音楽と言えば、ホルストの組曲「惑星」が超有名ですが、私自身はあんな騒々しい曲は、どうも苦手です。CDも1枚しかありません。ホルストの作品ですと、吹奏楽作品の方が好きです。そしてイギリス音楽ではエルガーやディーリアスのCDに、どうも手が伸びてしまいます。特にディーリアスの作品は私の心の中でジッと、しまっておきたい作品ばかり。演奏会で大喝采されるような作品ではなく、自分だけのものとして大切にしておきたい作品ばかりと言うべきか。これはシベリウスの作品にも同じ気持ちを抱いています。

喜歌劇「こうもり」序曲を聴くと、どうしても鈴木明子さんが頭の中で舞ってしまいます。

この前の日曜夜の「N響アワー」ではドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」が放送され、たっぷりと、この名曲のメロディーに酔うことができました。「新世界」は私にとって、たいへん懐かしい作品。生まれて初めて生で聴いたオーケストラの演奏で聴いたのが「新世界」である。今は亡き岩城宏之指揮のNHK交響楽団の地方公演。この曲を聴くと、いつもクラッシック音楽に出会った頃を思い出し懐かしい気持ちで一杯になります。
そして今日は久し振りに「新世界」のCDを聴こうと思っていたのですが、直前になって気が変わり第7番を聴いてしまいました。
第1楽章の何かいじらしいようなメロディも胸を打ちますが、やはり第3楽章のスケルツォが素晴らしい。ボヘミアの自然が目の前に現れるようである。
ドヴォルザークの演奏と言えばチェコフィル。チェコ物はチェコフィルの演奏を聴いていれば誰からも非難されませんが、世間様に背を向けている?私はスウィトナー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団の演奏で聴きました。独特の渋みのある当時のこのオケの響きが意外と、この作品にマッチしていて私は気に入っています。

昼からベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴くつもりでしたが、プッチーニの歌劇「トスカ」を聴いてしまった。
マリア・カラスのトスカ。
やっぱり凄いね。

今日聴いたCD 10月5日

2011年10月05日 14時50分27秒 | 今日、聴いたCD
今日は一週間振りの公休日。
朝から外出もせずCD三昧。それも目の前にあるCDを片っ端から聴いていくという乱聴状態。

①シベリウス 「悲しきワルツ」パーヴォ・ベルグンド指揮フィルハーモニア管弦楽団(EMI盤)
②「フラグスタート・リサイタルVol.3」より(デッカ盤)
 ワーグナー 「ヴェーゼンドンクの5つの歌」ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーンフィル(1956年録音)
 マーラー  「亡き児をしのぶ歌」「さすらう若人の歌」エイドリアン・ボールト指揮ウィーンフィル(1957年録音)
③ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 ヴラデミール・アシュケナージ(ピアノ)ベルナルト・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1985年録音デッカ盤)
④ヴェルディ 歌劇「リゴレット」(全曲)ガヴァッツェーニ指揮フィレンツェ五月祭管弦楽団(1960年録音)
⑤グラズノフ 交響曲第5番 エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード管弦楽団(1979年東京でのライブ録音)

いざ並べてみると、何ら関連のないハチャメチャな聴き方。本当に節操のない聴き方に呆れるばかり。

シベリウスとラフマニノフは数日前見たフィギュアスケートの映像の影響。
ワーグナーの「ヴェーゼンドンクの5つの歌」の録音はおそらく世界最高のワーグナー歌手と同じく世界最高のワーグナー指揮者による正に至宝と言うべき演奏。どんな雰囲気で両者による録音が行われたのだろうか?フラグスタートとフルトヴェングラーとのツーショット写真は見たことがあるが、クナとの写真は見たことがない。あるのだろうか?あるのならば一度、見ていたい。
ヴェルディの歌劇「リゴレット」はエットーレ・バスティアニーニ、アルフレード・クラウス、レナータ・スコット、フォオレンツァ・コッソットと言う名歌手たちの声の競演に酔う。

今日、18CD限定盤のディーリアス・ボックスを予約する。4100円の価格は私にとっては超お買い得なのですが・・・。財務大臣閣下は怒るでしょうな~。
管弦楽曲だけでなく声楽曲やオペラまで網羅した、たいへんなアルバムである。
この数年、イギリス音楽の魅力に、どんどんハマっている。
自然讃歌、そして人生のはかなさと無常。
「レクイエム」や「人生のミサ」が我が家のスピーカーから、どう響くのか?
発売の11月が楽しみです。
それまで財務大臣閣下には内緒。正に地下活動である。

嫌々ブラームス、その2

2011年09月14日 15時29分56秒 | 今日、聴いたCD
21枚のCDがセットになった「フルトヴェングラーEMI録音集」からのブラームスの交響曲。
今日は交響曲第2番と第3番を聴く。オーケストラはベルリンフィル。なお今回のアルバムの2番のオーケストラの表記はウィーンフィルとなっていたが、間違いである。
第2番は1952年5月ミュンヘンにて、そして第3番は1949年12月ベルリンにての、いずれもライブ録音である。
3番は昔から定評のある録音だが、今回、演奏の素晴らしさに驚いたのは2番の方である。
以前から私の持っていた交響曲全集のアルバムにも収録されていましたが、何か録音状態がザワザワした感じが強く、あまり印象に残っていなかったのだが、今回の新リマスターによる録音を聴いていて別ものを聴いているような感が強かった。
楽器の音色が、はっきりと聞える。という事はフルトヴェングラーの表現がリアルに迫ってくると言う事である。
第1楽章のむせるような旋律の歌い方は最高である。また第4楽章はまさにフルトヴェングラーの魂の乱舞。壮絶感すら感じさせる。
最近、ブラームスの交響曲から距離を置いていた私ですが、今回聴いた2番の録音は、そんな事を忘れて久し振りのブラームスの交響曲を夢中に聴くことができました。
やはりフルトヴェングラーって凄いね。次元が違うね。



この前もコメントしましたが私の手元に10組のブラームスの交響曲全集があります。(朝比奈隆、ザンデルリング、バーンスタイン、フルトヴェングラー、トスカニーニ、ポールト、チェリビダッケ、ムラヴィンスキー、ヴァント、ワルター)
定評のあるベーム指揮ウィーンフィルの全集はLPレコード時代に聴いて面白くなかったのでCDで買い直していません。
この中で今、一番気になっているのは、やはりトスカニーニの録音です。
まだ、しばらくはフルトヴェングラーの録音を聴くことになりますが、次はトスカニーニである。
改めて聴き直して、どんな発見があるか楽しみです。






追悼、リチートラ

2011年09月07日 14時55分03秒 | 今日、聴いたCD
今日はまず、昨日、訃報を知ったイタリアのテノール歌手サルヷトーレ・リチートラのアリア集のCDを聴く。
「禁断の恋」と言うタイトルがついた2006年録音のSony Musicから発売されたCD.
「エルナーに」「カヴァレルリア・ルスティカーナ」「アルルの女」「アンドレア・シェニエ」「ルイザ・ミラー」「ドン・カルロ」「フェドラー」「ジョコンダ」「メフィストーフェレ」「道化師」「オテロ」からのオペラアリアが収録されている。
リチートラはパヴァロッティの後継者のように報道されていますが「アンドレア・シェニエ」や「オテロ」のオペラの名が並んでいるのでデル・モナコを意識していたのではないかと思ったりする。
落ち着いた声の中からイタリア・オペラ独特の力と輝きのある歌を聴かせてくれる。
解説書ではリチートラのコメントがあります。
「いつかはオテロを舞台で歌うつもりです。でもしばらく先の話です。その前に歌うべき役がいくつもあるし、長く歌い続けていきたいですから」。
私は、いつの日かリチートラが歌うヴェルディの歌劇「オテロ」の録音を聴く日を楽しみにしていましたが、その夢は、はかなく消え去った!
事故とは言え、まだ43歳の若さだった。まだまだ、これからだった。本当に残念である。
改めてご冥福をお祈りします。




(本日聴いたCD)
リチートラのアリア集を聴いたあと、本能のまま、いろいろと聴く。
関連のない本当に節操のない聴き方。書き並べてみるとハチャメチャで最悪である。しかし聴きたいものを聴く、聴いてみたいものを聴く、それでいいのではないか。

橋本國彦  交響曲第1番 沼尻竜典指揮東京都交響楽団(NAXOS)
芥川也寸志 交響三章   湯浅卓雄指揮ニュージーランド交響楽団(NAXOS)
ビゼー   「アルルの女」組曲 第1番、第2番 ユージン・オーマンディ指揮フラデルフィア管弦楽団 1976年録音RCA盤
ワーグナー 楽劇「ニュールンベルクのマイスタージンガー」より第3幕 オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・ドイツ歌劇場管弦楽団・合唱団(ドイツグラモフォン)

NAXOSレーベルの名物シリーズに「日本作曲家選輯」があり、私は1枚も欠かさず購入していますが、11月にいよいよ橋本國彦の交響曲第2番が発売されます。私が聴きたかった作品。当然世界初録音である。第1番は1940年の皇紀2600年奉祝曲として作曲された作品だが第2番は戦後、新憲法に捧げられた作品。敗戦を乗り越えてどんな作品を書いたのか楽しみである。またマーラーを彷彿させて傑作と言われている独唱と管弦楽のための「3つの和讃」も収録されているとのことで私にとって今秋、最高の聴きものである。

「ワルトシュタイン」と「テンペスト」

2011年02月18日 14時56分35秒 | 今日、聴いたCD
今日は久し振りにベートーヴェンのピアノソナタを聴く。
ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」と第17番「テンペスト」
ピアノはヴィルヘルム・バックハウス。デッカでのステレオ録音。
やはりバックハウス。淡々とした演奏から深い感動を憶える。その中で「テンペスト」の第3楽章のテンポの凄さ。ただ事でない音楽が鳴っている。
そして「ワルトシュタイン」は荘厳な建築物を見ているような気持ちになる。
まさにベートーヴェンがバックハウスに乗り移ったかの様な演奏と言うべきか!
ただただ、静かな感動のみ。



チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲

2010年12月24日 10時29分37秒 | 今日、聴いたCD

最近、NHKのハイビジョン放送では、この数年間のハイビジョン特集を、BSベスト・オブ・ベストとしてアンコール放送していますが、この中で興味深く、録画を見た番組が、2007年に放送された「強く、強く~バイオリニスト神尾真由子 21歳~」である。この番組は3年前、神尾さんがチャイコフスキーコンクールに優勝して直後、NHK交響楽団との四国ツアーを密着取材した番組です。このツアーは私の街にもやって来ましたが、チケットが発売と同時に売り切れになり、私はコンサートに行けなかったという悔しい思い出があるので、その悔しさからか、この番組を見ませんでした。そして、やっと今回、この番組を見る事が出来たしだい。

圧巻だったのはツアーの最終公演の大阪でのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲・第1楽章。曲の歌わせ方、そして、そこから生れてくる熱気。本当に将来が楽しみなバイオリニストである。

さて放送では第1楽章のみだったので、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の全曲を聴きたいと思い、手に取ったCDはハイフェッツの録音である。(残念ながら今年、発売された神尾さんのチャイコフスキーのCDは、まだ購入していません)

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77

ヤシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団(1957年録音) 国内盤 BMG RVCC-37176

私のお気に入りのCDである。一緒に収録されているブラームスのヴァイオリン協奏曲の演奏も大好きである。ハイフェッツの日本での評価は、どうなのだろうか?アメリカを拠点にしていたので、オイストラフやシゲティといったヨーロッパを拠点にしていた演奏家に比べて低く見られているのでは?と思う事がある。数年前まで、私もそうだった。しかしCD化された演奏を聴いてみて、これは凄い!古今東西のバイオリニストの中で最高の存在と思うようになったのは、この数年である。その、きっかけになったのが、このCDである。

ある雑誌でバイオリニストの天満敦子さんが、ハイフェッツの演奏には「色気がある」と述べられていました。演奏が速いと言われている演奏の為、本当に演奏の中に隠されたニュアンス、迫力に気が付きにくいのかもしれない。(ただ、私はあまり速いとは感じていませんが・・・)天満さんは、それを「色気」と表現したのかもしれません。ハイフェッツは単に技術だけの人ではない。その速く聴こえると言われている演奏の中に、どのくらい物凄いものが隠れているか、それを捜すため、これからもハイフェッツの録音を聴き込んでいきたいと思っています。

(余談)

昨日、ベームがバイロイト音楽祭で指揮した「ニュールンベルクのマイスタージンガー」のライブ録音のCDが届く。このところ間が悪く、連日、CDや本が届いている状態で、とうとう財務大臣閣下のお怒りが頂点となり、来年、春までCDの購入禁止にされてしまった。経済封鎖である。娘も大臣閣下に同調したため、反論の余地が無かった!暖かくなるまで、しばらく手持ちのCDをじっくりと聴くことにしましょう。

                     

 


ワルターの「巨人」

2010年12月03日 11時06分26秒 | 今日、聴いたCD
マーラー 交響曲第1番二長調「巨人」

ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団
(国内盤)CBSソニー 35DC90 (1961年録音)

久し振りにワルターの指揮するマーラーの「巨人」のCDを聴いて夢の中にいるような気持ちになる。何か魔法をかけられた様な感じである。
現在、オーケストラのレベルもどんどん上がり、マーラーの交響曲の演奏もたいへんな域に達してきたが、私は、この半世紀前の演奏が大好きである。
1961年、ワルター84歳の時の録音。約半世紀前の演奏であるが、演奏の古さは全く感じない。
大編成のオーケストラの威力をけっして誇示することなく、この作品の魅力をあらん限り伝えてくれるワルターの指揮の素晴らしさ。目の前でワルターがこの作品の魅了を語っているような気になります。
まさに「詩情」という言葉が思い浮かびます。
第1楽章、神秘的な序奏から始まり、かっこうの美しい鳴き声。正に夢の世界である。
また第3楽章のトリオの美しさ。これだけ美しく演奏した指揮者はいただろうか?
 
さて私の所持しているCDはレコードの時代からCDの時代に突入して、CBSソニーから初めてCD化されたワルターの録音である。おそらく初めてCD化された過去の演奏家の録音のCD化のはずである。
価格を見ると3500円で今では考えられない価格である。なお解説書を読むと、CD化にあたりオリジナル・マルチ・テープから録音当時のプロデューサー自らの手でリミックスさせたCDとのことである。これ以降、何度か再発売されているはずだが、音質の変化はあるのだろうか?この音質が保っているのであれば幸いである。

ベームとシュターツカペレ・ドレスデン

2010年11月19日 10時44分27秒 | 今日、聴いたCD
①モーツァルト:交響曲第29番イ長調K.201
②マーラー:亡き子を偲ぶ歌 (独唱)クリスタ・ルートヴィヒ
③ R. シュトラウス:交響詩「死と変容」

カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン
(輸入盤)ORFEO C607 031B 1972年8月15日ザルツブルグ音楽祭でのライブ録音

今日は朝から久し振りにモーツァルトを聴く。シュターツカペレ・ドレスデンの渋く味わいのある響きに魅了される。
第4楽章、足を踏み鳴らして指揮するベームの足音を聴くとゾクゾクするものを感じる。
それにしても渋いプログラムで正に通好みのプログラムである。
そして本当に素晴らしい響きである。
このベームとのライブ録音のCDは私の持っているCDの中で最上位の愛聴盤である。
ベームはウィーンフィルとの関係がたいへん有名ですが、私自身、本当にベーム自身が愛着を持ち、本領が発揮できたのは、このドレスデンのオーケストラではなかろうか?と思うことがあります。
ベームのマーラーは珍しいが、やはりルートヴィヒの独唱が素晴らしい。ただ、どちらかと言うとベームの指揮だったらマーラーよりR. シュトラウスの歌曲を聴いてみたかった。
そしてR. シュトラウスの「死と変容」が凄い。まさにライブでのベームの凄さを見せつけられる演奏。
ベームとシュターツカペレ・ドレスデンのコンビのライブ録音は他にはないのだろうか?
私は大学生時代、東京でブロムシュテットの指揮で、このオケを生で聴きましたが、このベーム指揮の録音のような響きを感じることは出来なかった。薄っぺらいベートーヴェンだった。
ベームという指揮者の持つ力量の凄さを改めて痛感しました。

ヴァントのブルックナー交響曲全集

2010年10月29日 17時00分23秒 | 今日、聴いたCD
先週、ギュンター・ヴァントが1974~1981年に掛けてケルン放送交響楽団と録音したブルックナー交響曲全集のCDが届きました。9枚組で何と2390円の超お買い得であった。
今、一生懸命、聴いているベートーヴェンの弦楽四重奏全曲を中断して、このブルックナーの録音を聴いていく。今日までに1番、2番、3番、6番、7番、8番を聴き終える。
私自身、何と言われても最高のブルックナー指揮者はヴァントと朝比奈隆の2人である。この2人はブルックナーの交響曲を指揮することによって、自己の芸術性を高めるだけ高め、最晩年には、ブルックナーの最高の境地まで達することの出来た恐るべき指揮者である。
さて、今回のブルックナー交響曲全集は、まだヴァントが、失礼な言い方だが2流扱いの頃の録音である。
ヴァントには晩年のベルリンフィルやミュンヘンフィルなどとのライブ録音が大変有名で、何で今頃、巨匠と言われる前の録音を嬉しがって聴くのか?と思われる方がほとんどでしょう。
しかし、聴いてみて本当に良かった!この時、既にヴァントのブルックナー演奏はしっかりと完成しているではないか!晩年に比べてテンポが早めで、金管楽器の扱いが鋭い刃(やいば)のように聴こえてくる。
聴いた中で第7番が特に素晴らしかった。ベルリンフィルとの録音より好きである。第1楽章冒頭のチェロの朗々たる響きはブルックナーを聴く醍醐味満点である。
ヴァントは晩年、初期の作品を指揮しなかったので第1番~第3番の録音は貴重である。その中で第1番が素晴らしかった。大自然が鳴り響くような第4楽章は本当に素晴らしく何度も聴き直しました。
初めて、この録音(レコード)が我が国で発売された時は、どのように発売されたのだろうか?さっぱり憶えていない。早く気が付くべきだった。
晩年の崇高な演奏にはない面白さがあります。とにかくヴァントのブルックナー演奏の変遷を知る上で欠くことの出来ない録音である。
今度の休みの日には第4番と第5番の録音をじっくりと聴くつもりである。