あんたはすごい! 水本爽涼
第十七回
社員駐車場で腕時計を見ると六時前である。いくらなんでも早過ぎるか…と思った私は、例の二十四時間営業のファミレス、A・N・Lで夕食を軽く済ませようと考え、事実そうした。A・N・Lで腹を満たして、出たのは七時過ぎだった。この時間なら最悪でも開店準備の札は出ている筈だ…と踏んで、みかんへ向かった。
「おお、やっぱり少し早く着いたな…。だけど、開いててよかった…」
案の定、店には開店準備の札が掛けられていて、ドアは開いていた。
「なんだ、満君か…。今日は早いわねえ」
早希ちゃんは店内の椅子やテーブルを拭きながら、そう云った。
「なんだ、はご挨拶だな。この前の話が気になったからな…」
私は弁解がましく返していた。そこへママが奥から顔を出した。ママが出てくるのは、いつもワンテンポ遅れたこのタイミングである。
「声がしたから…、やっぱり満君か。この前は…あっ、そうそう、一昨日(おととい)だったわね」
ママが現われたからでもないだろうが、早希ちゃんは、ひと通り店内を見回した後、モップと布巾、それにポリバケツを片づけ始めた。この日は初めからカウンター席へ座った私は、本題へと入った。
第十七回
社員駐車場で腕時計を見ると六時前である。いくらなんでも早過ぎるか…と思った私は、例の二十四時間営業のファミレス、A・N・Lで夕食を軽く済ませようと考え、事実そうした。A・N・Lで腹を満たして、出たのは七時過ぎだった。この時間なら最悪でも開店準備の札は出ている筈だ…と踏んで、みかんへ向かった。
「おお、やっぱり少し早く着いたな…。だけど、開いててよかった…」
案の定、店には開店準備の札が掛けられていて、ドアは開いていた。
「なんだ、満君か…。今日は早いわねえ」
早希ちゃんは店内の椅子やテーブルを拭きながら、そう云った。
「なんだ、はご挨拶だな。この前の話が気になったからな…」
私は弁解がましく返していた。そこへママが奥から顔を出した。ママが出てくるのは、いつもワンテンポ遅れたこのタイミングである。
「声がしたから…、やっぱり満君か。この前は…あっ、そうそう、一昨日(おととい)だったわね」
ママが現われたからでもないだろうが、早希ちゃんは、ひと通り店内を見回した後、モップと布巾、それにポリバケツを片づけ始めた。この日は初めからカウンター席へ座った私は、本題へと入った。