ゆみちゃんの365日

日々の出来事を綴っています。

邦画サウスバウンドを見てきた

2007-10-09 21:26:53 | 映画

弟から10月6日から公開された映画「サウスバウンド」は面白そうだとメールが入った。ドラマの舞台は西表島だがロケ地は沖縄本島で主に古宇利島とのこと。古宇利島って知っている?と聞いてきた。誰に質問しとると言いたくなる。古宇利島へ渡る古宇利大橋は2年前の2月に開通した。無料の橋では日本一の長さ1,960メートルを誇っている。沖縄へ行く度に島へ渡ってその回数は8回を数える。橋の上から眺める羽地内海の色は感嘆の声が出るほど美しい。
どのような景色を見ることが出来るかと期待してイオンの映画館へ一人で出かけた。話題の映画でもなく平日が拍車をかけて観客は10数人と寂しい。
映画は自らの信念を貫く破天荒な父親を軸に家族の絆を描いた作品。主人公の父親一郎(豊川悦司)は昔、全共闘の闘士だったと言う設定で、その型破りな振る舞いは笑いたいところであるがそんなに笑えない。前半は東京が舞台。東京の下町で暮らす小学6年の二郎は父親が学校まで押しかけ「修学旅行費が高いのは学校と旅行会社の癒着が原因」などと騒ぐので恥ずかしく思っていた。やがて一家は、母親(天海祐希)の提案で沖縄の西表島へ引っ越すが、そこでも本土のリゾート開発業者と父親が闘いを繰り広げることに。せっかく家をきれいにしたのに立ち退きを迫られ、バリケードを築いて防御するもパワーショベルでいとも簡単に壊されてしまう。ここに出てくるパワーショベルはK社であれば文句はないがライバルのH社だった。父親が作った落とし穴にパワーショベルが落ちたときは思わず運転手は大丈夫かいなと思ってしまった。やがて子供も体を張って頑張る父親を尊敬のまなざしで見るようになる。強制執行で抵抗して警察に逮捕される寸前にドサクサ紛れに夫婦二人で船で他の島へ脱出してジエンド。
子供二人が通った小学校は全員で7名のパイカジ小学校でロケ地は名護市の東海岸にある嘉陽小学校。家族が住んでいた家があるロケ地は古宇利島で橋を渡った反対側と思われる。最後の海の中に岩が飛び出ている場面は本部町の備瀬。
母親役の天海祐希は今夜のさんまのまんまに出ていてさんまが年齢を聞けば40歳だってさ。長女が社会人の設定だったのでえらい若い母親役だなと思っていたがこれで納得。ロケのとき名護で台風に直撃されて大変だったと言っていた。この映画に点数をつければ70点。沖縄の景色の良さがあまり反映されていない。三丁目の夕日のように笑いに涙があれば申し分ないのだが・・・。

沖縄に父娘ではまっている関東在住のHN:ハリセンボンさんのこの映画を見た感想は視点がするどいので記載しよう。

 今月末に西表島に旅行する娘の誘いで、西表島に移住する家族の物語「サウスバウンド」を観に行った。

 ロケ地が西表でなく本島の今帰仁だったこともあり、娘は騙されたとがっかり。

 自分は、さすが森田芳光監督と期待以上の作品だった。

 物語は、学生運動の闘士だった夫婦が主人公。
 時代が変わっても権力や保守的な世間に背を向ける変わり者を豊川悦が演じている。

 彼の生き方はめちゃくちゃだが、いい意味で自由人。

 仏教学者のひろさちや氏が禅の極意を5項目上げている。

     1.莫妄想(余計なことを考えるな)

     2.一得一失(なんだっていい)

    3.自灯明(他人のことはほっとけ)

     4.放下著(常識を捨てろ)

    5.竿頭進歩(頑張るな)

 この主人公の生き方は、禅の教えそのもの。

 でも、釈迦の生きた時代とは違って、高度に制度化された現代では、自由人の存在を許さない。

 結末は、自由を求めて、子供を残して夫婦で権力から逃走する。

 この夫婦の生き様が森田芳光の夢であり、世間、制度のしがらみで疲れきっている現代人に、一時癒しを与えてくれる映画であった。

コメント (4)
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