WBC世界フライ級タイトルマッチ王者内藤大助31勝20KO2敗２分け挑戦者同級14位亀田大毅10勝７KOの試合が有明コロシアムで昨夜行われた。ボクシングファンであれば亀田は本当に強いのかどうか確かめることが出来るので楽しみな一戦である。プロデビュー以来亀田は日本人とは戦わず東南アジアの弱い選手ばかりと試合をして派手なKOをし、また言い過ぎのビッグマウスで世間の注目を浴びている。本来世界14位の選手が世界タイトル戦をやるなんて無謀もいいところだが何せお客を呼べるので実現したのだ。前日の調印式には負けたら切腹したるとみえをきった。内藤は7月にチャンピオンになったばかりで年齢は33歳と歳はくっているが今まで世界戦は3回戦っているのでテクニックは身につけている。
その昔、亀田三兄弟はおやじが三人とも世界チャンピオンにしたると幼少のころから仕込んでいてよくテレビで取り上げられていたので応援していた。しかし最近の亀田家の皆さんの言動は世間のひんしゅくを買うくらいヒドイので嫌気がさしている。毎日放送が余りにも亀田を持ち上げるものだから益々図にも乗って手におえないくらいだ。今回の試合はチャンピオンの内藤に是非とも勝ってくれと願った。内藤には奥さんと可愛い子供がいる。内藤は子供の頃はいじめられっこで強くなろうと20歳になってからボクシングを始めた苦労人だ。彼の顔を見るとお世辞にも強い男には見えない。たたけば直ぐにでも泣いてしまうのではと思うくらいのたれ目の頼りなさそうな顔である。
試合は前半戦から内藤が一方的に打ちまくり亀田を３ポイントほどリードしていた。これは亀田が内藤が疲れてきてそれから反撃する作戦をとっているのだと思っていたが中盤戦も同様なのでこれは格の違いと思いを改めた。終盤は亀田がやけくそになり相撲のような引き落としを何度もやったり投げ飛ばしたり反則で減点３をくらった。内藤のKOを期待したが判定に持ち込まれ3対０で圧倒的な判定で内藤がチャンピオンの座を守った。亀田はまだ18歳なのでこれから強くなっていける。この負けで親子ともども頭を冷やし少しは大人に成長してもらいたいものだ。高い入場料を払って見たお客さんは物足りない一戦でさぞかし不満が充満したままお帰りになったことであろう。
[調印式の模様]
ＷＢＣフライ級タイトルマッチの調印式が試合前日の１０日、東京・文京区の後楽園飯店で行われた。前日計量では両選手ともにリミットの５０・８キロで一発パスした。
会場には長男・興毅（２０歳＝協栄ジム）、三男・和毅（１６歳）が乱入。トレーナーの父・史郎氏（４２歳）を合わせた亀田ファミリーと内藤の舌戦は次の通りだ。
口火を切ったのは興毅だった。大毅とともに突然、会場に現れ、報道陣席の内藤のほぼ正面でにらみを利かせていた長男が、会見のスタートとともに仕掛けた。
大毅選手へのメッセージは？との質問に内藤が「ないです」と答えた直後、「国民の期待に応えたれや」と突っ込んだ。内藤陣営が作ったポスターに使われている「国民の期待」のフレー
ズ。内藤が「オレ、記者会見してんだから。何で怒ってんの」と返して雰囲気は一気に険悪になった。
大毅「オレが負けたら切腹するよ。おまえ、負けたら切腹するんか」
内藤「オレはそんな約束できん」
史郎氏が「それじゃ成立せんやんか、あほ」と割って入る。
大毅「根性ゼロや。おまえとは意気込みが違うんや。そのベルト死ぬ気で奪いにいくわ」
――あらためて内藤選手の印象は？
大毅「顔がでかい」
続いて、大毅がこの日のために用意した金色のハーフコートに質問が及んだ。
――きょうの衣装は？
大毅「内藤と全然違うやろ。ボクシングのこと知らん人が見たら、どっちが王者に見える？こっちやろ。内藤君、これ着ても似合わんと思うわ」
内藤「なかなか似合う人もいないと思うけど」
スポーツ・メーカーからプレゼントされたグレーのジャージー姿の内藤が答えると、場内は爆笑に包まれた。
最後に「あらためて内藤選手、あしたは何のために戦いますか」との質問が飛ぶと、内藤は「国民のためです」と答えて再び笑わせた。
会見後の計量では、大毅がツーショットの写真撮影と握手を一方的に拒否。報道陣を振り払うように会場を後にした。残った内藤はゆっくりと水分を補給。「頭にくるかと思ったけど、家
族愛を感じた」と振り返った。いきり立つ１８歳の挑戦者と泰然自若を貫く３３歳の王者。試合前日の舌戦は王者・内藤大助（３３＝宮田）が、亀田大毅（１８＝協栄）に判定勝ちした。
