夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

雨の降る日中は、読書・・♪   《初出2007.6.24.》

2008-05-14 22:00:44 | 旅のあれこれ
東京の郊外は、午後より雨が予測されたので、
私は10時過ぎに買物に出かけた。
スーパーの店内は、日曜日もさることながら、
私の思いと同様に午後からの雨を避けるように混み合っていた。

帰宅は11時過ぎであったが、まもなく小雨が降りだしてきたので、
『俺には・・いまだに・・幸運の女神がついているよ・・』
と私は家内に軽口を言ったりした。

午後になると本降りの雨となり、
私は居間の外れに簡易ベットに横たわりながら、
本を開いた・・。

足立全康・著の『庭園日本一 足立美術館をつくった男』の終章を読み終え、
『足立美術館 ~日本庭園と近代美術~』を日本庭園の章だけ読み込んだ後、
雨の降りしきる中の樹木を眺めながら、
軒下で煙草を喫ったりした。

足立美術館は、過日の19日(火曜日)に観て以来、
観る前の私なりのイメージと初めて現地で観た思い、
そして先程まで私の大半の脳裏を占領した熱い思い、
雨をしばらく眺めると、何となく心が吹っ切れた・・。

その後、平常心となった私は、
塩野七生・著の『ローマ人の物語』第21巻(新潮文庫)の残り10ページ程、
読み出した。

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どんよりとした曇り空の朝を迎えて・・♪   《初出2007.6.24.》

2008-05-14 21:58:11 | 旅のあれこれ
東京の郊外は、梅雨の時節に相応(ふさわ)しく、どんよりとした曇り空の朝を迎えている。

先程、天気予報をテレビで視聴していたら、
西日本から雨が降り、中国・四国地方、近畿地方、北陸・東海地方、そして関東地方と雨雲が移り、雨となる、
と報じていた。

私の住む地域では、午後より雨が降りはじめ、夜にかけて大雨が予測されている。

私達夫婦は過日、山陰地方などを周遊した折、
2泊3日の小旅行日は快晴時々曇りであったので、
出雲大社、宍道湖、松江城のお堀、足立美術館の庭園、東郷湖の羽合温泉の観光ホテルからの景観、
鳥取砂丘、城崎温泉の街並み、天橋立の情景などを思い馳(は)せながら、
雨の降りしきる情景を重ね、話し合ったりしている。

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夢幻のひととき、足立美術館の庭園・・♪  《初出2007.6.23.》

2008-05-14 21:53:44 | 旅のあれこれ
足立美術館の茶室の前は、秋の情景だった。

私はどうした訳が分からないが、お茶会に招待され、和菓子は避けて、抹茶を頂いている。
周囲の客人も面識のない女性ばかりであった。

この後、私は独りで軒下でたたずみ、
枯山水の庭を眺めていると、ひとりの年配の男性が傍に寄ってきた・・。
このお方は、軒下に部下のような40代の男性に安易な椅子を二席用意させ、
私に座るように目でうながしている・・。

私は年配の男性のお方とは面識がなかったが、
創設された足立全康・氏と分かった。

私は座ると、家内のような女性が抹茶の茶碗を私に手渡した・・。

私は頂ただくと、常温の純米酒であることに気付き、
私は照れて、扇子を取り出し、扇(あお)ぎはじめた・・。

『お気に頂けました・・』
と創設者は私に訊(たず)ねた。

『これだけの庭を創られたこと・・大変な事と・・感じました・・
思いつきはどなたでも出来ますが・・
いざ、具現化する時には・・
資金があったとしても・・出来ないことを言葉に重ねるばかりでして・・』
と私は言った。

創設者は微苦笑して、私の家内のように人に、
私が頂いている抹茶茶碗を指して、お代わりを持ってくるように、
手振りをしていた・・。

私は気付き、
『充分・・頂きましたので・・』
と言ったが、声にならなかった。


ここで夢だったか、と昼寝から目覚めた。

私は思い込みの激しい人なので、関心のある方、興味のあることが、
幼年期より夢の中で、よく見ることがある。
亡くなわれた創設者が夢の中で出てきたりするので、
不可解にも夢幻と現(うつつ)の世界を行き来することもある。

先程、庭に下り立ち、樹木を眺めながら、
過日の旅の折、足立美術館の枯山水の庭は、
私の心に何時までも残影があり、余韻があった、
と改めて認めたりしている。

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私は沖縄に向かって、黙祷・・。 《初出2007.6.23.》

2008-05-14 21:51:03 | 時事【社会】
東京の郊外は、梅雨の合間の快晴となり、
日中は夏の陽気の30度前後の暑さを迎える。

私は毎年、本日の朝は沖縄に向って、黙祷をしている。

太平洋戦争で、日本の国土である沖縄列島が直接に戦闘地域となり、
軍人の死もさることながら、一般の人々までが戦場の中で多大な犠牲の上、
沖縄戦は事実上集結した日である。
沖縄県は『慰霊の日』として、この日は戦没者追悼式が行われている。

私は昭和19年9月に東京の郊外で生を受けた身で、
沖縄に関して無知な方であるが、
かの戦争で日本の防波堤となり、一般人まで戦禍にまみれ、尊い犠牲の上で、
今日の日本の心の平和の礎(いしずえ)である、と思っているのである。

広島、長崎、そして各地で空襲などで亡くなった方は多いが、
直接にアメリカ軍との激戦地となり、一般の人々が戦禍の中で虐殺される事実に於いて、
戦争を知らない私でも深い心の傷として、今日に至っている。

このような思いから、私は国民のひとりの責務として、
沖縄に向って、黙祷をしている。

尚、敗戦後の日本の平和は、国際の各国の怜悧な国益に基づいて、
悪夢であるが核抑止を背景とした軍事力を根底とした政治・外交・経済で、
何んとか今日を迎えていると思考している。

一部の知識人の中で、憲法に明示されているから、平和が保たれたなどと無邪気な気持ちには、
ときおり歴史書から教示させられている私は賛同できないのである。





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足立全康・著の『庭園日本一 ・・・』・・♪ 《初出2007.6.22.》

2008-05-14 18:26:27 | 旅のあれこれ
東京の郊外は、過日『梅雨入り宣言』後、
初めて梅雨の時節に相応しい1日となった・・。

連日、30度前後の暑さが続き、
空梅雨かしらと水不足を心配していたが、
今朝の早朝から降ったり、止んだりした後、
10時過ぎから小雨が降り続いている。

私は梅の実を採った後、
ここ数日読んでいる本を午後より開き、読んだりしている。

『足立美術館~日本庭園と近代美術~』(山陰中央新報社)、
足立全康・著の『庭園日本一 足立美術館をつくった男』(日本経済新聞出版社)の2冊である。

最初の一冊は足立美術館の基本解説書であり、
あとの一冊は美術館の依頼主の人生の軌跡であり、
私なりに気になるお方である。

この本の帯には、作家の堺屋太一・氏が、

「金儲け、社会還元、道楽、三つとも該当する」・・・
そういいながら71歳で日本一の庭園美術館を創った人物、凄い!

このように推薦文として、明示されていた。

この文を読んだら、私なりに興味が沸(わ)き、購入した次第である。

この二冊は、足立美術館のミュージアム・ショップで私なりに選定し、
買い求めた二冊の本である。

この2冊を小雨の降り、
最高気温でも25度程度の過ごしやすい日中を読んだりしていた。

暑さに苦手な私としては、梅雨の時節、
待ち焦がれた静寂な小雨の1日でもある。
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梅の実を採(と)れば・・♪   《初出2007.6.22.》

2008-05-14 18:21:18 | 小庭の情景を眺めながら
昨日の昼下り、家内に梅の実を明日採る、と私は言った。

天気予報に寄れば、午前中は曇り、午後より雨が予測されていたので、
遅ればせながら梅の実の収穫日とした。

今朝、4時に目覚めると、雨がポッリと降っていて、
少し早めの雨になったのかしら、と布団のは中でウトウトし、
6時に起きだした。
その後、雨は上がり、庭に出たのは7時前後であった。


我が家は2本の白梅があり、
ここ10年は梅酒、梅ジャムなどで家内が頂いている。

梅の実の収穫は、わずか30前後であり、
平年は少なくとも100前後の収穫があったが、
収穫時が余りにも遅かったのである。

今年の6月は、旅行が2回、そして私が歯の治療で通ったりしたので、
何かしら梅の実の採り入れ時期を怠った為である。

枝葉の整理を半分程した時、小雨が降りだしてきた。

やむえず断念し、お風呂に入った後、時計を見れば10時半過ぎである。

東京の郊外は、梅雨の時節であるが、ほんのわずかしか降っていなく、
こうして綴りながら庭先の小雨を眺めたりしているが、
真面目に雨は降って欲しい、と大雨を期待したりしているのである。


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つかぬまの喜びとなり・・♪

2008-05-14 17:09:00 | 定年後の思い
東京の郊外は午前中は小雨が降り続いたが、
昼になると空が明るくなり、雨がやんだ・・。

まもなく薄日となり、樹木の枝葉の雨粒が光を帯び、
回復の兆しとなったのである。

『XXちゃん・・買物と散髪に行ってくる・・』
と私は家内に云った。

私は着替えて、身支度を整えている間、
薄日は消えて、どんよりとした曇り空となった・・。

私は、人を喜ばせて・・どうしてなの、
と心の中で呟(つぶや)いて、
『XXちゃんさぁ・・俺・・最近行いが悪いのかなぁ・・』
と私は云いながら、家を出た。

川沿いの遊歩道を歩いたが、やはりこの一週間小雨の降る日が多かったので、
川の水かさが増えている。

私は散髪屋(理容店)で、付近の草花などの他愛ない話を1時間ばかりした後、
最寄のスーパーで買物をしたのであるが、
相変わらずどんよりとした曇り空である。

帰宅後、天気予報を観ていたら、
明日から4日間は晴れマークを迎えるが、
やはり本日は回復を期待した方が甘かった、
と思いながら、家内のコーヒーと私の煎茶を淹れたりしている。

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山陰紀行 《下》 【2007.6.17. ~ 6.19.】

2008-05-14 13:15:16 | 
   第5章  海上から鳥取砂丘を眺めれば

浦富海岸から遊覧船の島めぐりは、
リアス式の風光明媚なダイナミックの景勝地で、山陰の松島と称されて折、
乗船し周辺の光景を観た後、
今回は特別クリーズとして鳥取の砂丘を海上から観る航路であった。

鳥取の砂丘が観えた時、あんなに細くかぼそかったかしら、
と思ったりした。
学生時代に1日かけて砂丘を散策したことがあるので、
45年近い歳月を想いかえしていた・・。

賀露港で下船した後、鳥取砂丘に行ったが、
家内は楽しみにしていた駱駝(ラクダ)に乗ったが、
私は興味がないので、周辺をデジカメで撮ったりしているうちに、
家内の乗せた駱駝は10分ぐらい周囲を廻った後、戻ってきた。

この後、遊覧馬車に私達は乗り、
砂丘まじるの草地の傾斜地を廻り、砂丘の丘陵を眺めたりしたが、
私は乗客のひとりの身勝手な身であるが、老馬が可哀想な心中となったりした。

昼食を砂丘の外れにあるレストランでビールを呑みながら、軽食を頂いた。
家内は土産売り場で、紫色のジャガイモを購入してきた。
沖縄に旅した時、紫色のサツマイモを頂いたことがあったが、
地元の品質改良に勤(いそ)しみ方が作られた、とのこと。

この後、麒麟の国の食と舞と称したイベントを市内の県民文化会館で観覧したが、
お神楽などの郷土の祭りごとに興味のない私は、
冷房の効いた席で大半は眠ったりしていた。
その後は、イカめし、飛魚つみれ汁を無料サービスで頂いたが、
つみれ汁の苦手な私は、見た目より遥かに美味であった。

4時過ぎに東郷湖にたたずむ羽合温泉に向かった。



   第6章  湖上に浮ぶような羽合温泉『望湖楼』

山陰八景のひとつに数えられる東郷湖の湖岸に建つ宿泊先の『望湖楼』は、
初めて泊まる観光ホテルであった。

湖上に陽が沈みはじめると、篝火(かがりび)が湖上を照らしだし、
彼方の山なみの稜線が翳(か)すみだした。

部屋の窓辺から前方の露天風呂の2つの建物が湖上に浮ぶように建てられ、
本館より桟橋で結ばれている。

湖岸、桟橋、そして湖上の露天風呂の建物の周辺に篝火が夜の闇に浮んだ。
そして、月の下で湖面は、篝火が揺らめいていた・・。

私は海辺に建つ観光ホテルは幾度も宿泊したことがあるが、
湖上に建つ露天風呂も風情があり、湖岸の本館の室内、ロビーはゆったりと出来、魅了させられた。


早朝の5時前に目覚めると、窓辺からの湖上の水面は鏡のように穏やかで、
前方の2つの露天風呂の周辺の湖面は、少し揺らいで折、
彼方の山やみの稜線は空と溶け合っていた。

こうした情景を眺めていると、初冬、初春、晩秋の時節を思考すると、
この観光ホテルは、どの時節でも周囲の情景と彩(いろど)りの調和が
取れる稀(まれ)なホテルである。

冬の時節、雪が舞い降る中、数日のんびりと滞在するのも良いかしら、
と夢想しはじめた・・。


   第7章  初めての足立美術館

旅から戻り、ここ2日間は枯山水の庭を思い返している・・。

私は枯山水の庭は、日本の各地で10数ケ所しか観ていないので、
設計されたお方の創作に基づき、作庭師が具現させながら、
庭師の方達が従事する総合作業と思い、
依頼主の思考を加味させた総合芸術のひとつと確信している。

その上、季節の移ろいに応じて変化する景観なので、
創作はもとより維持管理は苦労の絶えない庭と感じている程度である。

従って、素人なので観た感覚しか綴れない。

最初に感じたのは、借景が十二分に生かされたゆるぎない美の結晶と思い、
5分程、眺めた後は、確固たる美でありすぎるので、
心に余情が生まれないのである。

こうした思いになると、
西洋人の一部のお方が絶賛する理由が分かるのである。

いずれにしても、その季節の移ろいごとに眺め、
百年後の風雪に耐えた枯れた庭を観たい気になるが、
これは叶わぬ夢である。

私は絵画、彫刻、童画の世界には興味はないが、
陶芸の世界は多少興味がある程度である。

館内から茶室の『寿立庵』までの飛び石の配置、
そして松を中核とした庭には、
和やかな心となり、素直に感銘をした。

晩秋のひととき、この茶室で抹茶を頂ただき、余情を感じたまま、
その後、枯山水の庭を眺めるのも一考かしら、
と夢をみたりしている。


  第8章  旅の終りは、島根ワイナリー

旅の終りは、出雲大社を特別正式参拝した後、
米子空港からの飛行機便の時間に余裕があったので、
島根ワイナリーに立ち寄った。

昨今、日本の各地で観られるブドウを栽培し、ワインに製造をした後、
この付近に洒落たある程度の規模の直売店があり、
その一角で試飲コーナーが設置されている。

私は以前に綴ったことがあるが、
ワインに関しては《若葉マーク》の範疇であるので、
こうした機会の時は、積極的に頂いている。

8種類のワインある中で甘口を除いた4種類を呑みながら、
ツアーに参加した人達と微笑みながら試飲を頂いたりした。

結果として、私の好み味のワインにめぐり逢えなかったので、
残念ながら購入するまでには心身の波長が合わなかったのである。

これは日本酒の地酒と同様に、それぞれのお好味があるのだから、
致しがたいと思ったりした。

この後、喫煙コーナーで同乗した男性の人達と煙草を喫いながら、
談笑したりしたが、
ワインはハーフ・ボトル前後頂いたせいか、
煙草の味もより一層美味しく感じられたりした。

団体観光ツアーの場合は、同乗した人達と談笑し、
さりげない会話の間に、それぞれの人生観を享受を受けたりするのが、
旅先の魅力のひとつでもある。

尚、私なりのワインの好みは、赤、白のどちらでも良いが、
辛口で深みのある味が好みである。



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山陰紀行 《上》 【2007.6.17. ~ 6.19.】

2008-05-14 13:11:23 | 
   序章 明日より、山陰地方に小旅行

明日より家内と2泊3日のある旅行会社の周遊観光ツアーに出かける。

羽田空港から伊丹空港に出て、天橋立で散策した後、城崎温泉で外湯めぐりをし、宿泊する。

翌日は山陰の浦富海岸よりフェリーで海上から鳥取砂丘の景観を楽しみ、
賀露港で下船し、鳥取砂丘を鑑賞した後、
海沿いの羽合温泉に宿泊する。

その後、足立美術館で庭園を眺めた後、
松江の堀川めぐりの遊覧船に乗り、
出雲大社で参拝した後、米子空港より帰京する。

私は海上からの鳥取砂丘、そして初めての足立美術館の石庭に魅了されて、
ツアー旅行に参加するした。

梅雨の時節、雨が心配であったが、
先程ネットで現地の天気予報を検索したら、
東京の郊外と同様に暑い晴れ間が続きそうである。

私は暑さが苦手であるので、
帽子、サングラス、そして扇子が欠かせないのである。



   第1章  旅の始りは、里山の情景・・♪

私は伊丹空港は初めてであり、
これからの宮津の天橋立までの自動車道からの車窓の景観も初めてであった。

伊丹空港を9時半過ぎに下り、周遊観光バスに乗り込み、
三田市、篠山市の付近を通り過ぎ、舞鶴自動車道をバスは快走した。
西紀S.A.で最初の休憩でバスから降りると、
煙草を喫いながら周囲の景観を眺め、豊かな里山の山並みを見詰めると、
初めて旅に来た、と実感できた・・。

そして、福知山市の周辺に通り過ぎると、JRの山陰本線と交差し、
これからの旅先で国道と鉄道がお互いに道ずれになるので、
私なりに複雑な思いで、かぼそい山陰本線の線路を見詰めた。

綾部市からは綾部宮津自動車道を通り、
天橋立に着いた。

私は学生時代の最初の夏季に、
所属したワンダーフォーゲル部の夏季合宿で2週間ばかり歩いた後、
金沢の周辺で解散となった。

私はザックを背負いながら、金沢から京都に出て、
山陰地方を一人旅を1週間ばかり、山陰本線を頼り、周遊した体験があるが、
昭和38年の夏のことなので、遠い昔のことでもある。

果たして、天橋立の情景は記憶が薄れ、
こうした風景だったかしら、とバスから下り立った。



   第2章  されど、天橋立

日本の三文殊のひとつと知られている智恩寺から
黒松の中の遊歩道を歩き始めた・・。

私は神社仏閣に興味が薄れて折、
ボケ防止に良いかしら、と思う程度で、
黒松を誉(ほ)め、小判草のたわわな黄金色に染めた群生を見詰めながら、
どうして海沿いの黒松の樹木の下に群生した小判草が・・
と家内と驚いたりした。

遊歩道は日曜日の為か、市内の多くの家族連れが見られ、
私達の観光客と共に、宮津湾からの風に涼しさを享受したりした。

4キロ弱の遊歩道を歩いた後、籠神社で家内は参拝していたが、
私は鳥居の外れで、煙草を喫いながら、数多くの観光客を眺めていた。

周遊観光ツアーの多くは、自由昼食を予約し選定された昼食を頂くことがあるが、
私達夫婦は出来うる限る制約を避けて、
自分達で食事処を探して、その地なりの料理を頂いている。

昼食後、ケーブル・カーで昇り、傘松公園からの展望は、
先程歩いた遊歩道が黒松の弓状と景観となり、
一望できたりした。

あとは私は興味がないので、退屈を紛(まぎ)らすために、
股のぞきをし、海上と空を観たりしたが、失望感の方が多かった・・。

リストで下方に降り時、群生させたアジサイの花の色合いに慰められ、
天橋立を後にした。

一度、景観を楽しめば良い処であり、
二度目の私としては、たとえ季節を変えても私は失望するところかしら、
と思ったりした。

ただ、一度はこうした景観も観ればと思い、されど天橋立、
と家内と話したりしていた。



   第3章  香(かお)りある城崎温泉

陽が高い3時半過ぎに城崎温泉に近づくと、
円山川の水量の多さに私は驚いていた。

私は城崎温泉は初めてであり、
小説家・志賀直哉の『城の崎にて』を若き日々に読んだりしていたが、
内に綴られたことは忘れたが、きのさき、じょうがさき、などと混同している・・。

感覚的なイメージとしては、歌人・吉井 勇が京の祇園で詠まれた、


かにかくに 祇園はこひし
寝るときも 枕の下を 水のなかるる


と著名な歌に、どうした想いか分からないが、重ね合わしている・・。


街中の『喜楽』の一室に通されたが、昔からある旅館のたたずまいであった。
畳の井草(いぐさ)の香りが匂い落ち着いた和室で、
和花の名前が部屋名として名付けられていた。

4時過ぎに、浴衣と下駄、そして扇子を持ちながら、外湯めぐりに街の中に出た。
日中の熱気が残る中、扇子で扇(あお)ぎながら、街中の店先を眺めたりした・・。

店先の椅子で地ビールを呑める処で、
私はビール、家内は特性あるアイスクリームを頂いた。
この街は、外湯めぐりと称され、
外湯の七箇所がそれぞれ特色ある湯処となっているので、
私達と同様に、浴衣と下駄、草履姿が多く
、宿泊している旅館により、浴衣が差異があり、
特に女性の華やいだ浴衣に好感し、私は眺めたりした。

その後、外湯に一軒に入浴後、
家内を外湯の前のベンチで待ったいた時、
花菖蒲(ハナショウブ)の咲いた一角で20代の4人の女性が
お互いに記念撮影をしたりしていた。

そして、この中のひとりが私にシャッターを押して、
と言うしぐさで近寄ってきた。

私はシャツターを押した後、
華やいだ浴衣もさることながら、
携帯電話を持ち合わせていない若き女性の4人に好感を増した・・。

外湯めぐりをしながら、浴衣と草履で街中を散策する時ぐらいは、
せめて日常の携帯電話を持たないで歩いて欲しい、
と思っていたのからである。

このことは情緒、情感であり、少なくとも文化の問題と確信している。


夕食後、夜の街を散策し、射的などの遊技場で戯れ、
外湯で入浴し、地ビールの香りと味を甘受け、
浴衣姿の人々を眺めたりした。

その後、家内と散策したら、前から4人の女性と合い、
若き女性達は黙礼をした。

私はほんのひとときであったが、日本の文化も健在であった、
と微笑みながら、黙礼をした。

夜のとばり、街の中を歩く下駄を音を聴きながら、
私は眠りに付いた。



   第4章  余情のある山陰の情景

城崎温泉を朝の8時過ぎに後にし、香住で日本海が観えた時、
呑兵衛な私は車窓から香住酒造の看板を探した・・。

私に住む近くの日本酒専門販売店に於いて、
7年前頃、香住の方達が『香住鶴』5種類の試飲の招待を受けて、
私は参列し、試飲しながら、
香住酒造の人々と私なりの山陰地方の旅の思いでを重ね、談笑した。

さわりのない美酒と感じ、2本の1升瓶を抱え、
タクシーで帰宅したことがあったりした。

私は香住の街並みを意識したのは、昭和63年頃であった。
今は亡き紀行作家・宮脇俊三・著の『途中下車の味』の中で、
『一円電車と松葉ガニ』に於いて、
香住の蟹、余部鉄橋が綴られ、
私は深く感銘を受けた作品であった。

このような想いで、
山陰本線の線路が国道の車窓から樹木の林から見え隠れした後、
余部鉄道が観えた時、これがあのお方が感動を享受した鉄橋か、
と想いにしたった。
そして、教養人なのに恥じらいを知る含羞ある宮脇俊三・氏の残された作品が数々想いだされた。


                         《つづく》
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されど、エビス・ビール・・♪    《初出2007.6.16.》

2008-05-14 13:08:32 | 食べ物、お酒
明日から2泊3日の小旅行に行くので、
我が家では冷蔵庫にある食料、嗜好品の在庫調整をしている。

朝食後、家内が、
『美味しい食パン・・頂きたいわ・・』
と私に言った。

私は買物する予定が無かったが、
『10時過ぎたら・・スーパーに行ってくるよ・・』
と明るく言ったりした。

結果として、出かける前に家内からスーパーのチラシを渡され、
真夏のような炎天下の中、帽子を被(かぶ)り、サングラスをかけて出かけた・・。

スーパーで家内がチラシに付けた赤丸の印(しるし)を買い終えた後、
ビールの売り場を何気なしに見た。


明るいチョコレート色の手提げ袋を見て、
ひと目で『エビス・ビール』と思ったりした。
エビス・ビールが積み上げた下に、
手提げ袋が5ぐらいぶら下がっていたのである・・。

私は若い男性の店員さんに、
『エビス・ビール・・買ったら、この手提げ袋を頂けるのですか・・』
と訊(たず)ねた。

このお方は解からないらしい、
『店長・・』
と前方にいた人を呼んでいた。

店長らしい中年の男性が私は前に来て、
『お客さま・・何か・・』
と私に黙礼をしながら言った。

私は先程と同様なことを言った。

『お買い上げ頂いた方には、この手提げ袋・・
差し上げることになりまして・・』
と店長は言った。

結果として、エビス・ビール500mlX6缶入りのワンパックを買い求め、
少しお洒落に手提げ袋を頂いた。

『思いがけずに・・お洒落な・・
この手提げ袋を頂けて・・嬉しい限りです・・』
と私は店長に言った。

店長は少し照れながら、
『お客様に喜んで頂き・・ありがとうございました』
と笑顔を浮かべながら私に言った。

帰路、左手に家内から指定された買物を提(さ)げて、
右手に明るいチョコレート色の手提げ袋を提げていた。

私は日常はエビス・ビールも呑むが、キリンのラガー・ビール、
アサヒのスーパー・ドライも呑んだりしている。

ただ、お洒落な手提げ袋に関しては、
若い女性がブランド物の手提げ袋にあこがれ、所有している感覚と同一かしら、
と定年退職後の3年生の身である私は、苦笑している。

尚、旅行先でビールを呑む時は、
北海道の場合は、サッポロのクラシック・ビール、
沖縄の時は、オリオン・ビールと決めて折、
こればかりは浮気が出来ないでいる。

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風はそよぎ、光はまぶしく・・♪   《初出2007.6.16.》

2008-05-14 13:02:59 | 小庭の情景を眺めながら
東京の郊外は、雲ひとつない青空とり、朝の陽射しが射し込んでいる・・。

私は主庭に下り立ち、大きな樹木の下で煙草を喫ったりした。

風がそれぞれの樹木の枝葉を揺らしながら、通り過ぎている。

紫木蓮(シモクレン)は陽射しを受けているが、
たわわな葉も揺れ、木漏れ日(こもれび)となり、
地表は葉陰で彩(いろど)っている・・。

こうした情景も朝のひとときであり、
日中は夏の陽気となり、30度前後が予測されている。

暑さに苦手な私は、朝のひとときの情景をこよなく愛(いと)おしく、
ぼんやりと木漏れ日(こもれび)を見つめたりしている。


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生活家電、享受すれば・・♪   《初出2007.6.15.》

2008-05-14 12:56:01 | 時事【社会】
東京の郊外は昨日より梅雨入りとなったが、
本日は夏のような陽射しとなり、今後の1週間は晴れ時々曇りの日が多く、
少し戸惑いを感じたりしている。

水の水源地は・・と少し心配したりしている。

家の水道の蛇口をひねれば、水道水が出て、
お風呂、洗濯、トイレなど日常生活には欠かせない水であるが、
ともすれば忘れがちである。

私も生活家電の洗濯機、冷蔵庫、掃除機、エアコンなど一度享受したりすると、
後戻りが出来ないのが本音である。

テレビの利便性を長らく視聴し、パソコンもネットの魅力を知った今、
私の日常の友となっている。

このようなことを昼寝を1時間程した後、ぼんやりと感じたりしている。

私は少なくとも携帯電話ぐらいは、
過剰な利便性に抵抗し、世の流れに逆らうのもひとつの生き方かしら、
と思ったりしている。

尚、我が家は私は定年退職後の3年生の身であり、
家内と2人暮らしであるが、
電話に関してはNTT東日本の推奨する『ひかり電話』で対応しているが、
日常生活で不便を感じたりすることはないのである。



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突然、夏の陽射しとなり・・♪   《初出2007.6.15.》

2008-05-14 12:53:41 | 小庭の情景を眺めながら
東京の郊外では昨夜、本日の天気予報は、
午前中は雨、午後より曇り空、と予測されていた。

日曜日から2泊3日の小旅行となるので、
雨の上(あ)がった午後より、銀行、郵便局を廻った後、買物の予定としていた。

今朝、日中は曇り後快晴と報じられていたので、
家内は本格的に洗濯などを始めていた・・。
私は快晴となった10時半過ぎに、
帽子とサングラス、そして扇子を身に付けながら歩き始めた。

梅雨の間の晴れ間は、暑いと体験上解かっていたが、
昨日の22度前後の日中の雨降りからして、
急激に上昇した28度前後の快晴は暑く感じられた。

帰宅後、私は開口一番、
『XXちゃん、お豆腐、買ってきたから・・』
と私は家内に大声で伝えたりした。

こうした突然に夏の陽射しとなったので、
途中で紫陽花(アジサイ)の白、薄紫色の花の色合いに心を寄せる余裕もなく、
帰宅後、洗面所で顔を洗ったりしている。

紫陽花を観賞し、心を寄せるのは、
小雨が降り中で、独りでたたずみ時が最適と、
思い返したりしている。



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梅雨の時節の小花・・♪    《初出2007.6.15.》

2008-05-14 12:50:15 | 小庭の情景を眺めながら
東京の郊外は、昨日の午後より梅雨入りとなり、
今朝方まで雨が降り続いていた・・。

先程から雨が上(あ)がり、庭の樹木の枝葉はしっとりと濡れ、
地表は黒土となり、清々(すがすが)しい朝の情景となっている。

私は庭に下り立ち、樹木を眺めながら、煙草を喫ったりした。
庭の一角に群生させた半夏生(ハンゲショウ)は雨粒をたたえて折、
上部の葉の数枚は白く化粧したような色合いを見せ、
梅雨の時節を教示してくれる。

唐糸草(カライトソウ)の緑色の葉も成長がめざましく、
先端の円棒上の花穂はうっすらとピンク色に染め上げられている。
初夏になると、可憐なピンク色合いを深め、近づくとかぐわしい匂いとなる。
20代の女性かしら、と余計なことを思ったりしている。

我が家では、残念ながら紫陽花(アジサイ)はないので、
買物、散策の折、小公園などに立ち寄り、享受したりしている。

淡い紫色、透きとおる青色の色合いが好みであり、
小雨が降ったり時、散策の折、偶然に見かけると、
傘を差しながらも、見惚(みと)れてしまい、しばらく独りでたたずんでいる。

この時節、忘れてならない菖蒲の一種の杜若(カキツバタ)が美の極致と、
思いを寄せたりする。

この梅雨の時節、私なりの散策をしながら、
歴然とした美を享受を受け、心は深まったりしている。

尚、こうした小花たちは、茶花としてこの時節に相応しいかしら、
と思ったりしている。



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遅ればせながら、梅雨入りとなり・・♪  《初出2007.6.14.》

2008-05-14 12:48:24 | 小庭の情景を眺めながら
私の住む東京の郊外は、平年より6日遅れの梅雨入り、
と気象庁は報じていた。

朝は曇り空で時折薄日が射し込んで、
10時過ぎにパラパラと気まぐれに降ったり、止んだりして、
昼下りから小雨が降り続いている。

私は読書に関しては、
塩野七生・著の『ローマ人の物語』(新潮文庫)を読み続けて折、
《悪名高き皇帝たち》のネロの時代を読んでいる。

文庫本の帯に、本当にネロは暴君だったのか!?、
と提示されていると、
時を忘れたかのように日中の大半はローマ帝国に埋没してしまい、
先程まで読んだりしていた・・。

文庫本の20巻目であるが、この『ローマ人の物語』シリーズとしては、
道の折り返し地点の程度であり、まだまだ先が長いのである。


梅雨の明ける頃の7月下旬に果たしてどの時代までかしら、
とぼんやりとした脳裏で思ったりしている。

そして、梅雨の晴れ間の時には、
庭の手入れ、梅の実の穫(と)り入れ、ときたま国内旅行と、
退職後の自在な私なりの生活も程ほどスケジュールが埋まっているのである。

こうして綴りながら、前方の主庭を眺め、小雨の降りしきる中、
樹木の枝葉はしっとりと重そうに濡れている・・。
深みを増した葉の色合いも夜までのひととき、
静寂の中で、それなりの風情ある情景を彩(いろど)っている。

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