夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

夢幻のひととき、足立美術館の庭園・・♪  《初出2007.6.23.》

2008-05-14 21:53:44 | 旅のあれこれ
足立美術館の茶室の前は、秋の情景だった。

私はどうした訳が分からないが、お茶会に招待され、和菓子は避けて、抹茶を頂いている。
周囲の客人も面識のない女性ばかりであった。

この後、私は独りで軒下でたたずみ、
枯山水の庭を眺めていると、ひとりの年配の男性が傍に寄ってきた・・。
このお方は、軒下に部下のような40代の男性に安易な椅子を二席用意させ、
私に座るように目でうながしている・・。

私は年配の男性のお方とは面識がなかったが、
創設された足立全康・氏と分かった。

私は座ると、家内のような女性が抹茶の茶碗を私に手渡した・・。

私は頂ただくと、常温の純米酒であることに気付き、
私は照れて、扇子を取り出し、扇(あお)ぎはじめた・・。

『お気に頂けました・・』
と創設者は私に訊(たず)ねた。

『これだけの庭を創られたこと・・大変な事と・・感じました・・
思いつきはどなたでも出来ますが・・
いざ、具現化する時には・・
資金があったとしても・・出来ないことを言葉に重ねるばかりでして・・』
と私は言った。

創設者は微苦笑して、私の家内のように人に、
私が頂いている抹茶茶碗を指して、お代わりを持ってくるように、
手振りをしていた・・。

私は気付き、
『充分・・頂きましたので・・』
と言ったが、声にならなかった。


ここで夢だったか、と昼寝から目覚めた。

私は思い込みの激しい人なので、関心のある方、興味のあることが、
幼年期より夢の中で、よく見ることがある。
亡くなわれた創設者が夢の中で出てきたりするので、
不可解にも夢幻と現(うつつ)の世界を行き来することもある。

先程、庭に下り立ち、樹木を眺めながら、
過日の旅の折、足立美術館の枯山水の庭は、
私の心に何時までも残影があり、余韻があった、
と改めて認めたりしている。


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