昨日、2月23日 枚方市駅前で「どこでも、誰にでも放射能健診を求める」署名を行なった。真ん中のピンクのタベストリーは、枚方在住の高松小児科医師が、ドイツでの国際会議(核戦争防止国際医師会議からの招請による)に参加する時に届けてもらおうと、急遽友人が和風の生地で作成しさた。
いま、市議会で問題になっている前市長の退職金返納問題。何が、問題? 分かりやすい投稿があったので「平和がいちばん」2月号に掲載した
市議会議論を傍聴して 沢野文明
枚方市談合事件の発覚は7年前。昨年、前市長の有罪が最高裁で確定したのを受けて、現市長は「(市長が)刑事事件で禁錮以上の刑に処せられたときは、退職手当の全額を返納させることができる」と規定されているとする条例を根拠に、前市長に支払われた退職金、2592万円×2期分、計5100万円余りの返納を請求しました。前市長への聴聞を経て、「審査会」が開かれ「返納命令は相当」との結論が出されて、1月29日、市議会で全員協議会が開催されました。
10人の発言者のうち8人が「返還命令は不当」との質問や演説を繰り広げました。主に前市長と親密な議員からです。前市長も傍聴席の中央で熱弁に耳を傾けていました。「そもそも冤罪だ」から始まり、「前市長は市財政の赤字を克服した功績」があり「すでに刑事罰で社会的制裁を受けているのに経済制裁とは非人道的だ」「本人は無職で妻がパートに出るなど生活が困窮している。支給から10年近く経って返還せよとは人の血が通っていない」など議員達は口々に主張しました。
しかし傍聴した市民の一人として、これらの主張は市民感情から外れたものだと思いました。冤罪?-有罪が確定した前市長は再審査請求していません。赤字財政を克服?‐当時どこの首長も抱える課題でした。生活困窮?‐12年間(3期)も毎年2000万円近い報酬をもらっていた人が生活苦しいのだろうか?
この議員たちの議論でスッポリ抜け落ちている視点は、退職金の5100万円余は市民が納めた税金だという点です。退職金の原資は血税です。そして談合により市財政に負担をかけたことや、辞職による市長選挙の実施、この事件に関る調査や事務、各種の委員会開催など、市に要らぬ出費をもたらしたことは疑いようもありません。その費用の出どころも税金です。また、一般職員が同じように「禁固以上の刑に処せられた」場合、退職金はゼロです。有無を言わせぬ冷徹な処分なのです。世話になり面倒見の良い市長だったから「退職金を返せは不当だ」というのは、市民の普通の感覚と余りにも乖離があり過ぎます。
若い議員が、前市長に対する「血が通った」処遇を要望して熱弁をふるいましたが、「君のヒューマンな心情は素晴らしい。そのヒューマンな気持ちで、若い世代の不安定雇用や市役所で働く非正規職員の労働条件向上のために尽力して欲しい」と心より思いました。