ウィトラのつぶやき

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将棋ソフト不正利用疑惑、「ごめん」で済む話ではない

2017-01-18 13:59:11 | 囲碁

日本将棋連盟が将棋ソフトを不正に使った疑いがあるとして、三浦九段を3か月ほど出場停止にした。三浦九段は「濡れ衣だ」と主張して、将棋連盟は第3者委員会を立ち上げた。最近結果が出て、結論は「シロ」だった。疑惑を主張した渡辺竜王は謝罪のコメントを出し、谷川将棋連盟会長は辞任を表明した。将棋連盟がもし、これで済ませるつもりなら社会常識を大きく欠いた動きだと思う。

三浦九段は竜王戦の挑戦者に決まっていた。三浦九段は出場停止の決定のおかげで挑戦権をはく奪され、替わりに丸山九段が挑戦した。竜王戦の賞金額は4320万円でタイトル戦中最大である。三浦九段が挑戦していたら1/2の確率でタイトルを取る可能性があり、仮にタイトルを取ったとすると1/2の確率で翌年防衛する可能性がある。更に翌年・・・と加算していくと期待賞金額は1年分の賞金である4320万円になる。これに加えて他の棋戦にも出られなかったので、対局料だけで5000万円程度の損失を与えている。更に、「悪人」のイメージを与えたブランド価値を加算したくらいの賠償金を払うべきであると考える。

谷川会長は辞任するにしてもこの処理をしてから辞任するべきだったと思う。谷川会長は一時無敵であった将棋の強さに加えて、人格者で知られており、それだから連盟の会長に推挙されていたのだと思うが、一連の「ソフトカンニング問題」に対する将棋連盟の対応はお粗末以外の何物でもない。やはり、棋士としての能力と、連盟という組織を運営する能力は全く異なったものだと考えるべきだろう。

囲碁の日本棋院のトップは理事長と呼ばれているが、棋士が勤めることもあるが、財界などからの人がトップを務めることのほうが多い。現在の理事長も棋士ではない。やはり経営とプレーヤーは分けて考えるべきだと思うので囲碁界のほうが健全な体制になっていると思う。

大相撲も、大相撲協会の役員は全て力士で占められているので将棋界と同じ問題があると思っている。相撲界で八百長疑惑などの問題が出た時の対応がしっくりしないのも、横綱として実績はあったかもしれないが、組織運営に関しては素人の人が運営しているからだと思う。他の日本の伝統芸能も同じような問題を抱えていると想像する。これを機会に体制を再検討するべきだと思う。


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