ウィトラのつぶやき

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介護認定基準、見直しの見直し

2009-03-17 08:26:48 | 社会
厚生労働省が介護保険の認定基準を4月から見直すことにしていたが、利用者団体からの強い反発があり、修正基準を見直すことにした、と報じられている。

どうも見直しの趣旨は調査員の判断が難しく、現在の認定基準では調査員の主観がかなり入り込んでしまうのを抑える、というところにあるようである。 おそらく、調査員が親戚から頼まれたりして、問題がない人を要介護者として認定したりしているケースが多々あることを懸念してではないかと想像する。いかにもありそうなことだろ思う。そして、調査員自身が客観的基準の確立を求めているのだという。

私はこれは方向が間違っていると思う。基準を明確化して調査員の判断によるばらつきをなくすのではなく、むしろ調査員の裁量の余地を大きくして柔軟に運用できるようにすべきだと思う。

そうすると、上述のように調査員の権限が強まり、金品を贈ったりして認定してもらおうという傾向が強まってしまうかもしれない。しかし、介護というのは人の問題であり、判断は極めて難しい。これを個人差が出ないような一般的基準を作ろうとどんなに努力しても完全なものはできないし、むしろ調査員のやる気をそいで、型どおりのいわゆる「お役所仕事」に追い込んでしまうことが懸念される。

調査員の権限を強化し、「自分が介護費用を運営して皆の生活を楽にするんだ」といった気概を持ってもらうことのほうがはるかに重要だと思う。

ここで問題となるのは硬直化した公務員の人事評価制度である。仕事内容を評価せず、「まじめに勤めたか」だけを評価する人事制度のもとで調査員の権限を強めてしまうと弊害の方が大きくなってしまうだろう。

人事評価制度を変えるのは難しい。それにしても、制度を変えるのなら調査員の裁量の余地を狭めるよりは、評価方法は今のままで調査員の仕事ぶりを評価する仕組みを強化する方向に動くべきだと思う

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