ふりかえってみれば

旅先で、偶然のご縁で出会った１２歳年下のケーキ職人の女の子と話をする機会があった。
お菓子の専門学校を卒業してフランスの菓子専門学校へ行って現地のケーキ屋で研修して、
日本に戻ってから大手ケーキ工場で働いて辞めた後に個人店の小さなケーキ工房で働いて辞めて
現在次の働き先を探し中、とのこと。
東京で一人暮らし中だけど働いている時は忙しくてお金を使うヒマが無かったから、
とりあえずお金には困っていない。でも家族からは関西の実家に帰ってきたらと言われる。
お姉さんのツテでまた海外へ行くという手もないではない。
まだ若いし独身だし、放射能のことを考えるとチャンスがあるなら海外へ行った方がいいのでは。
自分が好きなケーキ屋さんに直接アプローチしてみては。
思い切って自分でお菓子屋を始めてみては。
などと無責任に言いたい放題言いながら、
そういえば自分もこの年頃はいろいろ頭で考えて悩んであちこちさ迷っていたな～とふりかえった。
お菓子の専門学校も出てないし海外研修もしてないし
ケーキ屋数軒で働いたといっても終始ケーキ製造の仕事に従事してたわけじゃないし
パティシェの王道とはまるで別の裏道を歩いてきた自分。
この彼女と同じ年の時はちょうど長野の焼き菓子工房に住み込んでいた。
あれから１２年も経ったのか、と思うと感慨深いものがある。

そもそもどうしてケーキ職人を目指そうかと思ったんですか？という問いに
お互い「工作が好きだから」と答えて盛り上がる。
中でも何で料理とかパンとか和菓子ではなく、ケーキなのか？
誕生日とかお祝いの時に食べるのがいいな～と思って、と彼女の返答。なるほど～。
私は、小学生の時に社会の授業中テレビで見た「働くおじさん」という番組に出てきた
ケーキ職人のおじさんが絞り出し袋でバラの形にピンクのクリームを絞ってる情景が目に焼き付いていて。
ちなみにもうひとつ忘れられないのはガラス職人さんが色とりどりのガラス棒をバーナーで熱して
ガラス細工の小さな動物を作っている情景。それ以外の働くおじさんは全く覚えていない。
お菓子だけではなくジャムに力を入れているのはどうしてですか？と問われて
元々はお菓子の材料にするために旬の果物を甘煮にして通年使えるように瓶詰保存しておく、
というところから始まって、今でもそれは変わらないのだけど
こんなにジャム作るようになったのは、しいて言えば果物のいろんな色が好きだからかな～。
と、答えながらああ考えてみればそうなのか。と思った。
まるでかつての自分自身と向き合って会話しているかのような、ちょっと不思議なひととき。

悩んだり迷ったりしているとどこからともなくふっと何気ない縁が天から降ってくることもありますよ～
私が居候させてもらった長野の焼き菓子工房を知った時もそんな感じだったし。
でも今だからこそ思えるのは、年をとったからといって絶対的に立派な大人で名人級の職人になってる
というわけではないんだな～ということ。１２年経っても変わらず地道な手作業をやってる自分。
思えばあの頃の私は理想だけ高くてないものねだりをしていた。
頭で悩むより手を動かして労働した方が時間の無駄はないかもね。

畑仕事

昨夜は大雨。３時に雨音で目が覚めてそのまま夜が明けた。
久しぶりに午前中から一日がかりで畑作業に没頭。あー爽快。
コスモスの花がちらほら咲き始め、柚子とレモンの実がむくむくふくらんできた。
８月頭までしこたま採れていたブラックベリーはほぼ終わり。
お盆中雨が少なかったせいか、実の姿のまま枯れているのもある。
植木鋏で終わった枝をサクサク切り落とす。
今年新しく出た枝から来年花芽が出るので、びよーんと伸びた枝をトレリスに誘引する。
また来年よろしく。


↑庭のブラックベリーの横で。

夏休み終了ー

昨日１９日、長い車旅から久々に自宅へ帰って驚き。
涼しい～～。セミと鳥の声にまじってスズムシやコオロギなど秋の虫がいっせいに鳴き始めている。
一週間で一気に季節は移ろいだ。
夏休み前は容赦ない暑さにげんなりしていたけれど、涼しくなるとやる気も倍増。
さ、また頑張ろう。まずは片付けから。

それにしてもセミやコオロギの音って体は小さいのに何であんなに響くのだろう。
鳴くセミの横に立っていると、ワンワンうるさいくらいの音量に圧倒される。
日が暮れてリーリーリーと秋の虫が鳴き始め、しばしテレビを消して耳を澄ます。
リンリンリン、リリーリリーリリー、コロコロコロ、いろいろな楽器のオーケストラのよう。
意外と虫達も他の虫の音を意識しながら鳴いているのかも。

夏休みのお知らせ

今年の７月８月は何か妙に忙しいな～と思ったら、
庭のブラックベリーが去年の１．５倍以上採れている。適度な雨のおかげか。
「庭の果実でジャム作り」なんて言うと主婦の片手間仕事のようだが
１種類の果物で２０ｋｇ以上も採れるとなるとバカに出来ない。
それにしても農薬はもちろん、肥料もやらずによくこれだけ実るな～。
相変わらずブラックベリーの隣にカブトムシが羅列しているが
虫や鳥にかじられることもほとんど無い。
アントシアニンたっぷりの甘酸っぱい夏の果実。

「もう８月になっちゃった」と思う間もなく瞬く間に８月１０日。
今日から１９日までの夏休み中は、例のごとく車中泊の旅に出ようと思いますので
申し訳ありませんが、その間頂いたメールのお返事は遅くなります。
先週長野のブルーベリー農園さんで、今年も完熟無農薬ブルーベリー摘みをさせて頂いたので
ブルーベリージャム作りましたが、まだラベルを作ってないので夏休み終了後に販売開始します。

ここしばらくブログ更新を放置していたけれど、
実はブログに書ききれないほどいろいろな出来事や物事があった。
デジカメの写真をパソコンに入れたのも２週間ぶり。てんこ盛りの写真。
一気にまとめてやろうとしてもやれないもんだ。日々「少しずつ」だからこそやれると、
そういえば今年の年賀状には「薄紙を重ねるように」毎日を過ごしたいと書いたことをもう忘れてた。

ただ今、杜屋販売会イベント「暮らしの菓音」の第四回開催にむけて画策奔走中です。
新たにご参加頂く方との出会い、ご縁にあらためて感謝。
ドルチェ倉庫にまたすごく素敵な「時間・空間」が生まれそうで
一人で妄想しながらにやけています。
詳細が決まり次第また少しずつ準備状況をこのブログでお知らせしていきます。
どうぞお楽しみに。

お知らせです

やってもやってもやるべきことが雪だるま式に増えてくる～
さすがに２週連続で長野畑に行くのはキツイ。毎日ジャム作り。
このところ、お中元ではないお菓子のギフトセットのご注文がなぜか多い。内祝いやご結婚祝など。
真夏にお菓子作りが忙しいのも珍しいな。

とりあえずお知らせです。
８月１０日～１９日は夏休みとさせて頂き、その間の受注、発送、販売はお休みします。
夏休み中頂いたメールのお返事は遅くなります。
また、夏休み前のお菓子のご注文受付は本日３日終了します。
営業スケジュールにつきましてはこちら↓をご参照下さい。

「杜屋営業カレンダー」　http://moriya.chagasi.com/calendar.html

在庫のあるジャム、マーマレードのみでしたら９日までに発送可能です。
仙台パルコさん「新しい仙台みやげ展」には七夕前にもう１度納品させて頂く予定です。
今年も大盛況のよう。８０人の作り手さんの１万点の作品を販売ってすごいものがある。行きたい～～

新しい仙台みやげ展

７月２９日から仙台駅前パルコ４階にて始まっている「新しい仙台みやげ展」
追加納品分やっとご用意出来ました～
こないだ長野畑で収穫してきたばかりのルバーブで作った
炊きたてルバーブジャムに、毎朝摘んでる庭のブラックベリーのジャム。
焼き菓子は、仙台味噌入りのアレンジショートブレッド。
杜屋定番のショートブレッドは、地粉とバター、きび砂糖と天然塩だけで作ってますが
塩を仙台味噌に変えたもの。
ほんのり味噌風味のキャラメルのような味わいのあるショートブレッドです。
この機会にどうぞお試しを。６日には店頭に並ぶと思います。

それにしても「仙台の素材を使ったモノ」ってなかなか難しい～～～仙台産の果物って無いし。
静岡で入手出来るのは仙台味噌以外に無いかも。
比べて雑貨の作り手さんやイラストレーターさんなどのオリジナリティあふるる商品ラインナップのすごいこと！
宝箱から自分の好きなモノを発掘するような楽しさがある。
ちょうど週末から仙台七夕祭り。
観光がてら、帰省がてら、駅前パルコ４階に是非立ち寄ってみて下さい。

「クリエイターが創る、新しい仙台みやげ展」