今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

煤払の日に

2015年12月13日 | 生活

日曜の名古屋宅。今日は朝から気が重い。

これからやらなくてならない事が眼前に迫っているからだ。
エントロピー増大という偉大な物理法則に対して、それに不自然にも対抗せねばならない。
まさにその反自然的行為の労苦が、せっかくの休日の私に課せられているから気が重いのだ。
12月13日「煤払」の日に、「大掃除」の日と決めていた。

坐った腰が重い。
でも坐ったままでは一向に取り掛かれない。
意を決してゆっくり立ち上がり、まずはエントロピー増大の法則によって居間のフローリング上に散らばっているさまざまな物をかたずけ始める。
それらを1つずつ処理しなければならないのが効率悪い。
でも、捨てるか捨てないかの判断をし、捨てない場合はではどこにしまうかの判断と実行を、それぞれに個別にやらねばならないから仕方ない。
多くは床から床でない所に移動したにすぎなかった。
人はこれを「整理整頓」という。 

床が終れば、タオルを顔の下半分に巻き付けて、壁面に沿って家具類のホコリを取る。
ホコリは本棚の中がたまっている。
なるほど書店の主人がやるあの行為は、立ち読み客を追い出すためだけではないんだ。 

11時前になったので、ここで作業を中断して、近所の「あんかけ家」にあんかけスパを食べにいく。
この件に関しては先日も記事にしたが、
名古屋人はあんかけスバが大好きだから始業時間に合わせて行かないと、店外の行列になるのだ。
いつもは1(人前)だが、今日だけは1.5にする。
なにしろ今日はこれから、半日かけて室内運動を続けるから。 

いい歳した男が、カウンターであんかけスパの1.5ではなく1を頼んだりすると、アメリカ西部の荒れた町なら、「お嬢ちゃん、小食だねえ」と、がらの悪い常連客たちにからかわれてもおかしくないくらい、ここに来る男性客はこぞって1.5を頼む。

今日は私も堂々とその仲間入りだ。
注文を受けた店の女性は、なぜか営業的でない笑い顔をしめした。
いつもは1を頼むひ弱な男が、虚勢を張っているように見えたのか…
そして出て来たミラカン1.5の山盛りを頬ばる。
私だけでなく、他の客も食べる時は、手にした新聞をやめ、家族やカップルも黙々と、食べるのに専念する。
この至福の時を真剣に堪能するためだ。
量的には1でも充分だ。
でも1.5は至福の時がその分長く経験できる。たった100円の追加で。
幸福は質だけでなく、量でもあることを実感した。

部屋に戻り、幸福の余韻にひたる暇もなく、居間の掃除を再開。
居間内の区間ごとに物をどけて、掃いて、拭くの繰返し。
捨てるものがないので、整理整頓するには、収納箱などが 新たに必要になった。
これは掃除が終ったら買いに行こう。

居住と寝室を兼ねた居間の掃除だけで4時間を経過した。
このペースだと暗くなってしまうので、休まず、居間を出る。
あんかけスパ1.5を食べたから大丈夫。

さて、ここから、キッチン、浴室、トイレと狭いながら難物が待ちかまえている。
といってもキッチンはIHに改良されてからは、コンロ廻りがよごれなくなったのが嬉しい。
それと流しの奥(パイプに至る部分)は、日頃きれいにするようになったので、不気味な状態でなくなった。

浴室も毎日の使用後に浴室内をシャワーで流すようにしているし、排水口のネットも週一で掃除するようになったので、主に浴槽の汚れ落しだけですむ。 
それにしてもキッチンも浴室も専用のスポンジより白いメラミンの方がよく落ちる。
メラミンは消耗が激しいので、大きいものを小さく切ってたくさん使う。

浴室の掃除は、裸になってやった方がいい。
何かの間違いで頭から冷水シャワーを浴びても大丈夫。

最後のトイレは、キッチン・浴室からのノリで突き進めば、何が現れようと(どうせ自分のだし)平気で、最後は便器をなめるように磨く。

これで半年に一度の大掃除が終った。
すでに外は暗く、夕方5時を廻っている。
 たっぷり一日仕事だった。