今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

温泉ソムリエ

2013年06月08日 | 温泉
いわゆる世間的な(認定)資格の中で、「○○ソムリエ」って一番怪しげ。
本来のワインに近接した領域ならまだ許せるが、
まったく無関係なたとえば「温泉ソムリエ」となったら、怪しげの極北。
しかも、半日の講習を受けるだけで、その料金さえ払えばもらえるときた。

そういぶかりながら、私は「温泉ソムリエ」になるべく、
その半日の講習を受けてきた。

温泉ソムリエの開設者で「家元」と称する遠間和広氏が中心となって講演。
テキストを開くと、その詳細さに驚いた。
私とて、毎月温泉旅行をノルマとしている身、
『温泉の科学』を初めとする温泉についての文献は何冊も目を通した。
ただ、市販の本を読むだけの自己流の勉強だと、実用に耐える柔軟な知に達しない。
ていうか、自分の知識が実用に耐えうるかどうかの判断ができない。

これは”防災士”の勉強をしてわかったのだが、
世間的な防災の知識のままでは、まったく現場で応用が利かない。
防災の授業中に、「地震だ!」と叫んで、学生にその場で防災態勢をとらせると、
イスに付属した薄い簡易テーブルの下に無理やり身を隠そうとする。
「机の下に身を隠す」以外の行動の選択肢がないのだ。
室内に”机”がなかったら、どうやって身を守るのだろう。
本来的に考慮すべき内容を理解することが重要なのだ。

それとまったく同様に、温泉入浴の(通りいっぺんでない)実用的知識は、
温泉ソムリエの講習で初めて学ぶことができた。

主催者の遠間氏は温泉の正しい利用法をひろめる事に使命感を持っているようだ。
それは講習テキストの詳細ぶりを見ればわかる。
さらにメールでの質疑応答はまったく自由とのこと。
こういう人が”先生”なのだ。

私の本業は大学で教える側だが、
一生徒になって、その道の先生から教わることの方が、数倍も楽しい。
今日の半日の受講も、本当に楽しかった。

資格のハードルを下げて、まずは資格保持者のアイデンティティを得て、
その後、それに恥じないように自分で勉強する。
これはわが小笠原惣領家礼法研究所も採用しているやり方だ。

というわけで私もすでに得てしまった「温泉ソムリエ」たるに恥じないよう
この詳細なテキストを猛勉強する。