来週からの予測

政局は緊迫してきた。鳩山氏が小沢氏に「どうぞ（検察と）戦ってください。」と言ったというのは尋常ではない。佐藤優氏が言うようにまさに「民主党と官僚組織の権力闘争」ということになるだろう。陰謀論的に見れば、官僚組織の背後には米国の影がちらつかないと言えばうそになる。今回は、秘書の逮捕でとりあえず検察が矛を収めるあたりが一番あり得るシナリオであるが、民主党が、事務次官の廃止、捜査の可視化などを進めることに対して、官僚側が牽制してくる動きは今後もあるだろう。それに対して、最終的に、鳩山が法務大臣を経由して指揮権発動まで至ることができるのか、そこのあたりが今回の権力闘争の見所ということになるのではないか。ただ、現状、法務大臣が社民党であり、なかなかの難事であることは間違いない。

為替的には、政局はどう動こうと、この夏のサイクル的円安（100円近辺）に向けての方向性は変わらないと考える。前回のドル円80円ローを底として、これからどこまでの二番底を観測するかということだけが問題だ。

ドルの方は、欧州懸念のドル高と、商品高騰のドル安との綱引き状態が継続している。チャートは、ユーロドルの日足であるが、EMA62（青）に当たって下降し、またSMA200（黄）あたりまで下ヒゲを出して来たのが、週末の様相だ。来週も、このあたりの往復運動になると思われる。つまり、ユーロドルで1.43から1.46までである。自分としては、その後、プラチナなどがさらに上方ブレークすると考えており（P&Fでブレークシグナルが出る直前。1800ドル程度がターゲット）、それにつられて、金や原油もブレークして、ドル安が優勢になるという考え方に変化はない。金のP&Fもかなり三角に収束してきており、再来週あたりから、大きくドル安になると考えている。月末のメリマン変化日、FOMCおよび満月（30日）を目安としたい。