昨晩のNY時間の動きは面白かった。ECBのLTRO2がかなりの規模となり、欧州は一息つき、ユーロはやや下がった。米国はバーナンキ議会証言がQE3に言及がなかったということで、ドル高に振れ、金が急落した。全体としてまとめにくい動きのように思えるかもしれないが、私の頭の中では、ひじょうに整合していた気がする。
欧州の動きは、今までの米国で言えばQE1のあたりに相当するだろう。ようやく本気を出し始めた段階で、まだまだ先が長い。それに対して、米国は、万全にはほど遠いものの、すぐにQE3の必要性が生じるほどではない。欧州と米国の時間差がそこにはある。
今年後半の相場は、この「時間差」から、さらにドル高となるというのが私の考えだが、昨晩の動きはその先取りのように見えたわけだ。もちろん、今後いろいろな動きはあるだろう。まだユーロのリバウンドの余地もあると思う。しかし、全体としての時間差はまだあと2年は埋められないと見ている。
なお、QE3が今すぐ必要がないということと、FRBの「時間軸政策」の変更とはただちにつながるものではないが、投資家の頭には、時間軸の短縮化(いわゆる出口政策の発動=金利上げ)という連想が働いたことは間違いない。それが(金利を産まない)貴金属の急落につながったものだろう。
ということで、前から述べている、ドル高と金下げの実現の仕組みが見事に見えたのではないだろうか。なお、欧州も米国も時間差があるとは言え、上向きには違いない。円安はその方向で考えてよいと思う。
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まったくですね。一部連銀筋には利上げの声もあるようです。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M06JNK6KLVR401.html
ただ、いつかは引き上げ始めなければならないので、その辺の前兆を注意深く見ていきたいなと。このあいだもコメントしましたが、直近の米国債の需要がまだまだ旺盛なんですよね。ここをどう解釈するのか、自分でも悩んでます。いずれにしても、バーナンキもドラギもたいしたものです
http://americankabuki.blogspot.com/2012/02/updated-22912-thanks-kauilapele-for.html
株番組ストックボイスに若林さんが出演されたときのオンデマンドを貼っておきます。
私は株メインですが、これからもよろしくです。
ところでQE3については、アナリストによってあるなしが分かれてますね。株関係者の中庸は、「QE3とはアナウンスしないけど緩和拡大はある」というところのようですが、毎度株関係者は脳天気な傾向があります。バーナンキ証言後でも、堀古さんがNYから「あると見ている関係者が大勢」と言っていたのが印象的です。
米国債の動きはまだ揺れてますが、テクニカル的には金利上昇の方向と見ていいと思います。本当にゆっくりとですが方向は変わると思います。
ドラギは本当にトリシェとは違いますね。ダイナミックだと思います。
これってさん
金融業界のリタイアリストなんですね。こういう陰謀系サイトがあるとは知りませんでした。ただ、普段もこれくらいは退職しているのでは?と思えてしまうのですが。
現物くんさん
若林氏、それとなくどや顔ですね。やはり360円を目指すと言っているのですか。どうもありがとうございます。
連銀総裁も、人によって、様子見から、利上げ必要までいろいろですから、なんとも言えないですね。まあ、様子がおかしくなってくれば、いろいろな指標でわかるので、それから対処してもいいと思います。
DXY78をキープしましたね
GSRの動きは不穏な感じ・・・
はは。若林氏、一度ナマで見て見たいです。
ドルインデクスはやはり上昇かなと思います。
GSRも概略下げ、そして、GPRはついにパリティ。全体には景気プラス方向と見ています。
金とは逆に銀、プラチナは上げとみていいですか。宮田さんはユロドルが上昇して4月に1.4と予想されてますのでそこまでは金も銀もプラチナも上げかなと思ってました。ちなみに銀は4月に高値つけてます。49ドルから見て35ドルは安いですねー
いやぁ、銀とプラチナが上がるか下がるか、これは難しいです。GSRが下げる時は銀も上昇することが多いのですが、今回は、ドル高となるとまた違いますから。ちょっとこれは読めないというのが正直なところです。