ドル円は、ドル売りと円売りにはさまれて、板挟みというか、動きが非常にむずかしくなっている。もちろん、過去にあったような円安・ドル安というリスクオンもあるのだが、この場合は、ドル売りより円売りが強く、ドル円・クロス円は継続的に上昇した。
ここからの長期の動きは非常に読みにくく、両説あるようだ。ひとつは、米国利下げ、日本利上げがあっても、絶対的な日米金利差はあり、様様な条件から円売りが買ってドル円は再度150円を超えていくという見方、もうひとつは、この程度の金利差なら円売りにさほどの力はなく、ドルストレート全般でのドル売りに押されて、ドル円もかなり下がる(たとえば、120円くらい)という見方だ。
自分は前から言うとおり後者のシナリオを第1としている。現状では、ドル円の週足の平均線など、様様なテクニカルデータはドル円の下向きを示している。あと、もうひとつファンダメンタルズから重要視しているのは、米ドルの弱化である。これはゴールドの強さの裏返しであるが、米国はウクライナとガザとで失敗し続けていると思う。BRICS諸国からの信頼低下はいまだかつてないレベルだ。中東の原油代金もドルでなくてもよい部分が増加しており、このことによるドルの弱化が、現在のドルストレートの状況に表れていると思う。昔から言われていた世界史レベルでの米国の凋落がついに始まったのではないだろうか。
もしこの仮説が正しければ、過去のように、ユーロドルが1.5に達するようなドル安も考えられる。ドル円も再度、100円を割るような事態もあるかもしれない。そういう意味で、長期的に見た為替のファンダメンタルズは、円売りではなく、ドル売りであるというシナリオを第1にしているわけである。
来週も微妙な動きが予想される。かるくドル円ロングで様子を見たい。すこしでも利がのれば、直ちに回収というレベル。