博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『将夜』その5

2018年12月14日 | 武侠ドラマ
『将夜』第25~30話まで見ました。

寧欠は「夫子」の直弟子たちが住まう「書院」の後山で日々11人の兄弟子・姉弟子たち(このうち大師兄は「夫子」とともに各地を旅していて留守中)のご機嫌伺いに励みます。一方、桑桑は寧欠が世間で「二層楼」の十三先生として名前が知られてきたことを利用し、彼の書「鶏湯帖」の写しを大量に作って一儲け企んだりしております。この「鶏湯帖」、書体の評価は置いておくとしても内容自体は「今日は酔っ払って帰れそうもないから、鶏肉のスープを残さず飲んでしまえ」という単なる書き置きなんですが、このあたりは「地黄湯帖」など実在の書作品のパロディになっているんでしょうか……


そして西陵国では15年間「幽閣」で幽閉状態にあった光明殿大神官の衛光明さんが堂々と脱獄。一路彼の探し求める「冥王の子」がいるらしい唐国へと向かいます。衛光明を演じるのは倪大紅。天盛王朝の初代皇帝から転生したようです。この爺さんが自力で封印を解いて下山する演出もなかなか厨二好きがします。衛光明を封印していた西陵国トップの掌教は強がりなのか、「面倒ごとは唐国に押しつけることにしよう」なんて言ってますが……

「二層楼」の13番弟子と神符師顔瑟の1番弟子の二重生活を四苦八苦しながら送る寧欠ですが、そうこうしているうちに北方の「荒原」に住まう「荒人」たちが一斉に南下を始め、金帳王庭や西陵の領土に侵入し、次々と防衛軍を打ち破っていきます。「荒人」たちは千年に一度の「永夜」の前触れとして誕生する「冥王の子」を待ち望む「魔宗」を信仰しており、「光明の子」を待ち望む「昊天道」を信仰する他の国々から忌み嫌われていたのでした。そこで西陵は各国に支援を要請し、ともに「荒人」を阻もうと提案します。


しかし唐王は王后の夏天が「荒人」の出身でかつては「魔宗」の聖女であったことから、援軍の派遣に消極的。他国が主に国学の学生を援軍として派遣しているのに目を付け、「書院」の学生を実地研修と他国の学生との切磋琢磨のために送り出すことを決定。「書院」では毎年「辺塞実修」(修学旅行とか実習旅行的なアレらしい)を実施しているのですが、今年は「荒原」への派遣をもって「辺塞実修」に代えるという名目をつけたのでした。

その「実修」のリーダーとして選ばれたのが寧欠。17の経穴のうち7つがまだ塞がったままということで、「二層楼史上最弱の弟子」と彼の派遣を不安視する声もある中、唐王は敢えて彼をリーダーとして指名。実は「荒原」の派遣には、遥か昔西陵国から「荒原」に持ち出されて以来所在不明とされる『天書』明字巻の捜索という裏の目的があるのでした。

かつて西陵国から『天書』明字巻を携えて「荒原」に派遣された神官が現地で心変わりして「魔宗」を創始してしまい、以来『天書』明字巻は「魔宗」の聖典としてその聖地で秘蔵されている模様。各国から援軍として派遣された学生たちも実はこの『天書』明字巻を真の目的としており、西陵国からも寧欠と因縁のある隆慶や、その上官にあたる「道痴」葉紅魚が捜索のために派遣されています。寧欠はその身を心配する兄弟子・姉弟子たちからそれぞれ餞別の品というかお役立ちグッズを託されて出立することになりますが……

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『将夜』その4 | トップ | 『将夜』その6 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

武侠ドラマ」カテゴリの最新記事