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トクホの闇:横行するトクホ商品の嘘

2011-08-02 | Weblog
健康食品はちょっと怖いけど、トクホならば大丈夫、効果もあると思っている人が多いと思う。そもそもトクホが認可されるには、学術的なデータが必須なのだが、この学術的な証拠というものが一体どのライン以上なのか?論文になっていればというが、論文にはピンキリがあり、きちんと厳しい目でチェックが入っているものもあれば、内輪のお仲間で輪読して判子を押しあっているようなものもある。で、トクホの話だが、このサイトに書かれている暴露を読むと、トクホ申請に有利なデータをこしらえるための専用の産学官の研究所があり、そのデータをさらに産学官でつくった専用の学会で発表する「自作自演」が横行しているらしい。さらにいえば、この団体は天下りの受け皿でもあるらしい。ありそうなことです。というか、まあそうなんだろうなと思っていました。
私も科学業界に入って結構長くなってきましたが、いかにこの業界が「人間味くさい」ものであるかを如実に知るようになりました。庶民の皆様が盲信する科学的データにはピンキリがあり、研究者にも「発表してしまえば勝ち」というゲーム感覚の人もいれば、「少しでも疑問があるうちは発表してはならない」という慎重派までさまざま。「論文に乗ってるから」「学者が言ってるから」・・・とみなさん鵜呑みにするのでしょうが、これは「新聞に書いてある」「テレビで放送している」と同様にに玉石混合なのです。さらに言うなら、原発事故で露わになった「有識者の適当っぷり」も目に余るものがある。どうして全く分野違いの人が有識者として会議に?どうしてこの人が有識者なの?どのあたりで知識を有しているのか?・・・たくさんあります。でもこれは科学業界だけでなく、政治から音楽、スポーツまで人間のエゴが関わるどの分野でもそうなんだろうなと。本当の実力者は意外に目立たないところで良質なものをほそぼどと作ったり考えたりしているものです。

話がそれました。「横行するトクホ商品の嘘」是非ご一読を。
消えると困るので、一部抜き出してコピペしておきます。

 なぜこのようなことが横行するのか。そのカギの一つとなる公益財団法人がある。七百社以上の食品メーカーなどが加入する「日本健康・栄養食品協会」だ。定款にも謳っているが、トクホを広めるための窓口となる利害関係者集団だ。案の定、常務理事は厚生労働省からの天下りが座っている。〇九年の消費者庁発足を契機に、トクホの所管は厚労省から移ったが、縄張りには変化がない。

 この協会の問題点は「健康・栄養食品研究」という学術誌の編集・発行だ。トクホの申請には学術誌での発表が求められる。つまり、「自作自演」のようなこの雑誌でも可能だ。もちろん、他の学術誌に投稿されるものもあるが、食品メーカーが加入する団体でこうした雑誌を出していること自体が疑念を呼ぶ。ここで産官学が手を結ぶのだ。

 臨床試験を請け負う総合医科学研究所(総医研)という企業がある。ここはトクホの臨床試験を得意とし、「七割前後」(日本経済新聞)ともいわれたシェアを武器に〇三年に上場(現・総医研ホールディングス)を果たしている。手元に、その時期の「新株式発行並びに株式売出届出目論見書」という文書がある。創業者を筆頭とする株主には、何人もの学者が並ぶ。食品の効果を科学的に分析すべき学者が利害関係者になっていたのだ。ここでも産学は密接な関係にあることが分かる。

 前出の鈴木氏はこう語る。
「怪しい食品は枚挙に暇がない。現行制度はあまりにいい加減だ」