長い間、この作品はホラー映画だと思い違いをしていた。おそらく「カプリコン」という5文字の響きが、80年代に多く作られたホラー映画のタイトルに似ていたからだろう(「エイリアン」「サスペリア」「サンゲリア」「バタリアン」等々・・・)。「カプリコン1」は30年前の映画だが、扱ったテーマが特異なので、今でも異色SF映画として異彩をはなっている。あらすじはwikipediaに記載されているので、ここでは書かないが、非常によくできた筋になっている。アポロ月面探査も、都市伝説にいわれるとおり捏造なのでは?とさえ思ってしまう。カメラワークがなかなか秀逸で、ブレーキを壊された車が町中を暴走するシーンや、複葉機が渓谷を急降下するときは、椅子を握りたくなるほどの臨場感を出していた(劇場なら握っていただろう)。監督はどういう人だろうと調べたら、ピーター・ハイアムズという人で、のちに「2010」を監督した人だ。奇異をてらわず、面取りしたような丁寧さを感じさせる作品作りは両作品に共通するので納得である。