Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

ワイエス

2007-10-09 | Weblog
 だらだら過ごした連休だったが、練習だけは毎日3時間ほどした。差し迫ってさらう曲がないので(いや、あるのだけど)、基礎練習帳を中心にソロ曲なんかもやってみた。2日目頃にワインが突然飲みたくなったのだが、ストックがなかったので、近くの激安ワイン店で、店長絶賛のチリピノを買ってきて飲んでみる。1200円。デイリーワインとしては良いほうだとは思うのだが、なんだかラムネのような薫りがしてグラスが進まず半分以上残した。
 翌日、友人の2次会の前に、青山ユニマット美術館へ行ってみた。シャガールのコレクションを主体に、ピカソ、ユトリロ、藤田等の作品を常設展示してある。全体を通して、一番印象に残ったのは藤田嗣治の「バラ」。乳白色のバックに、同じ乳白色の花瓶に挿されたバラという構図なのだが、この乳白色が実に質感があって暖かく、展示会場に入った瞬間に目が惹きつけられた。解説を読むと、やはりこの乳白色が発表当時から話題だったらしく、藤田氏独特の秘技であったようだ。Wikipediaによると、炭酸カルシウムを油中で使うのが秘訣らしい。藤田氏に関しては、数年前のテレビ放送で初めて知ったのだが、若い頃にフランスに渡り成功をおさめたものの、第二次世界大戦中に帰国して描いた戦争画が戦後に批判を受け、フランスへ再び渡航。フランスに帰化し、それから日本へは一度も帰らなかったそうだ。詳しいことはわからないが、フルトヴェングラーが戦後にナチスへの荷担疑惑として裁判を受けた時の話を思い出した。企画展として、アメリカ画家のアンドリュー・ワイエス(現役)の作品を展示していた。アメリカ東部の荒野と人家をとらえた作品は、絵から風が吹いてきそうなくらいにリアリティーがあった。ワイエス氏の得意な描法にテンペラがある。油絵の具に卵を混ぜる方法なのだが、卵中のレシチンによる乳化作用で油と水が分離せず、長時間の保存に耐えるという。忘れ去られていた方法だが、ワイエス氏が復活させたということ。単純な天然物を用いた古の技法に惹かれた、ちょっと調べてみよう。残念ながら、画集は売り切れていた。
 宴開始まで少々時間があったので、ワイン専門店のカウンターでスーパータスカンを味わう。前日との違いにあまりに感動したので、ボトルで買って帰ろうかと思ったが(3000円程度)、新入荷のジゴンダスが目に付いたのでそちらを購入してしまった。パーティーは意外にもいつものメンツばかりだった。久しぶりに再会した同期は2人くらい。さすがに地方で働いたり家族を持ったりでなかなか集まれないのか。なかなかまとまりがある宴でよかった。普通に飲んで、珈琲飲んで解散。