無意識日記
宇多田光 word:i_
 



前回に引き続き曲構成の話。といっても、内容は少々趣を変え、内容もより簡潔に。

*****

前回は、
スタートの「Passion」~「This Is Love」
エンディグの「Automatic」~「光」の流れが
それぞれアルバム「ULTRA BLUE」とライヴ「ヒカルの5」
エンディングとオープニングを連なりに演奏したものだと私的に指摘した。

今回も、選曲に見られる特徴をひとつ取り上げてみたい。

セットリストを今一度振り返ってみる。


OPENING from EXODUS

Passion ~ United Version ~
This Is Love
traveling
Movin'on without you

SAKURAドロップス
FINAL DISTANCE
First Love

Devil Inside
Kremlin Dusk
You Make Me Want To Be A Man

Be My Last
誰かの願いが叶うころ
COLORS

Can You Keep A Seceret ?
Addicted To You
Wait & See ~リスク~
Letters
Keep Tryin’

~ Encore ~

Automatic



全20曲が、非常に明解に5つのパート&アンコールにわかれているのがわかる。
セット本編は4曲/3曲/3曲/3曲/5曲の計18曲、アンコールが2曲である。
疾走する4曲からバラード3連発、UtaDA3曲は全く違ったムードに。
再びバラードの3曲を今度は今泉さんを迎え演奏、最後また5曲で盛り上がる、という
意図のハッキリとした曲の配置だ。2時間を間延びすることなく
聴き手の興味を惹き続けることを目論んだのだろう、練られた構成といえる。

で、私が言及したいのは、それぞれの小パートの中での楽曲の順番なのである。

逐一各パートを検証してみる。

「Passion」~「This Is Love」は最新アルバム「ULTRA BLUE」からの楽曲。
「traveling」は2002年の「DEEP RIVER」から、
そして、「Movin'On Without You」は1999年の「First Love」からである。

次のバラード3連発の順序。
最初の「SAKURAドロップス」は2002年の「DEEP RIVER」から。
次の「FINAL DISTANCE」も同アルバムからであるが、最初の発売時は
2001年の「Distance」アルバムからのシングルカットの体裁だった。
最後はご存知、1999年の「First Love」のタイトル・トラックだ。

UtaDAパートは、勿論総て2004年の「EXODUS」からの楽曲である。

続いては今泉さんパート。
3曲とも2006年の「ULTRA BLUE」からであるが、
シングル盤自体の発売は「Be My Last」が2005年、
「誰かの願いが叶うころ」が2004年、
そして「COLORS」が2003年なのであった。

ここまでくれば、私が何が云いたいかは瞭然だと思ふ。
そう、ひとつのアルバムからの選曲であるUtaDAパートを除いて、
それ以外の3つのパート総ての中で、
新しい曲から古い曲へと遡る順序で歌われているのである。

思えば、元々このUTADA UNITED 2006は、
宇多田ヒカル/UtaDAの集大成という触れ込みもあるほどであったから、
例えばキャリアを年代順に辿ったり、逆に遡ったり、という安直なセットでも
別によかったと思うが、そうはせず、上記のように本編を5部構成とし、
その中で小さく何度もキャリアを遡るカタチにしているのだ。
更に、ココから先の選曲/曲順も吟味しておこう。
この本編5つめのパートがまたミソなのである。

皮切りは2001年の「Can You Keep A Secret ?」
そのまま続いて1999年の「Addicted To You」へと突入する。
直前の今泉さんパートの流れのまま、更に遡っていくかたちだ。
しかし、ここから流れが反転する。
今度は2000年にシングルとなった「Wait & See」が前曲の興奮を引き継ぎ、
2002年のシングル曲「Letters」へと雪崩れ込む。
最後には2006年の16thシングル「Keep Tryin’」で大団円という展開なのだ。

それまでのUtaDAパートを除く3つのパートでの方法論を踏襲するのならばここは
「Keep Tryin’」~「Letters」~「Can You Keep A Secret ?」~
「Wait & See ~リスク~」~「Addicted To You」

という風になっていたところだったわけ。


何故このような曲順になっているのだろうか。
そのことについての考察はまた稿を改めて。(次回とは限らない。たぶん違う)
私の考察を記す前に、読者諸氏のご意見もコメントして頂ければ面白くなると思ふ。
それによって私が書く内容がまた変わるでしょうからね。(卑怯かな~?(笑))


コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
Unknown (スワニー)
2006-10-24 00:36:46
ただね、これ、最初は曲順、違ったのよ~。

これ以上はいえないけど。
 
 
 
コメント早っ (i_)
2006-10-25 06:42:31
> すわすわにー



貴重な情報どうもありがとんv

「恐らく意図的ではないだろう」と続けるつもりだったので、

その情報はプラスですわんv
 
 
 
Unknown (うるみ)
2006-10-25 13:19:18
私も、意図的ではないと思うなぁ。

適当にならべたわけじゃないけど、
歌詞作りのように、ものすごい意図があるわけじゃぁないと思う。

感性でんなー♪
直感直感w
 
 
 
意図いとおかしv (i_)
2006-10-31 22:26:54
> うるみ

直観の積み重ねの意外性、ってすっごく美しいもんよ。
たぶん、今回のセットリストの流れも、そういう結果だと思ふ。
最近は、ヒカルもそのことを自覚、というか自分の中に取り込んでいて、
わざと物忘れを激しくして誠実さ、誠意を貫徹しようとしているように
見えるのが凄く興味深い。オイラもだから、最近は記憶に刻みつけよう、
とするより、その都度よい文を書こう、というほうにシフトしてみているよ。
たぶん、「BLUE」を聴くに、彼女は「よい曲を書こう」という意識が
これまでになく(これまでもその点には凄まじいものがあったけど)充実している、
んじゃないかな~。ただ、機嫌が悪いのはやめて欲しい。伝染るんだよねぇ。(苦笑)

 
 
 
Unknown (うるみ)
2006-11-01 23:10:05
私はぎゃくに、
機嫌はわるくないと思うよ。

楽しそうな気がしてる。

ま、直感ね。
 
 
 
わるくない予感も~♪(ナニソレ (i_)
2006-11-03 00:12:29
> うるみ

機嫌が悪くないとすれば、それは嬉しいw
そっちに予感が外れているのなら、大歓迎ですわん♪

でも、それならメッセ更新して
楽しさと機嫌のよさをお裾分けしてほしいなぁ、と
思う私はあつかましいですねそうですね。(^∇^;
 
 
 
Unknown (うるみ)
2006-11-03 15:34:00
気まぐれ屋のくせに、よく言うよ(笑)
 
 
 
即レス (i_)
2006-11-03 15:38:56
きまぐれロボットですからねぇ私(^^;;

概要文表示がなぜかうまくいかなくて困惑中の管理人ですた。
 
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