AIによるフェイク、つまり嘘画像や嘘動画の拡散が社会問題化していく局面に入りつつあるが、そういう技術がある程度進んだ時点で逆転が起こる。それまでの「これは本当か嘘か?」という疑問が起こっていたところから、「画像や動画は基本的にフェイク」と視点が切り替わった後は「本物を写した写真や映像が本当に本物であることを立証するのが困難になる」のだ。まぁ電子決済や暗号通信が世に広まれたんだから無加工保証技術も何とかなるかもしれないけど、コストが心配だわね。
そんな世の中では、ますますミュージシャンの存在意義って「生演奏生歌唱生雑談」になっていくわけで。生身のイベントやコンサートをどんどん行っていくことが目指されるだろう。普段の生活でフェイク情報に倦んでいる人にとって目の前の生身の人間の存在は束の間の癒しになる筈…
…なんだけど、AIのみならず技術が進むと目の前の3Dな人間すら存在を疑われかねないからねぇ。「ホログラムじゃねーだろーな?」って。実際初音ミク以降、アバターやボーカロイドが3次元のステージに立って歌う姿はお馴染みとなった。そういや未だに実物観たことないな俺…現地じゃどんな風に視えてるんだろ? 昨年の紅白ではワンピのウタちゃんが3次元と共演してたけど、あんな感じになるんだろうか?
でもホログラムの技術が進んだら面白いと思うのよね。12年前の『WILD LIFE』は各地の映画館で生中継が観れたんだよね。ちょうど11年前の今日『WILD LIFE』のブルーレイが発売されてるけど、その映像とはまた別で。あれ今観る方法ないんかな? まぁいいんだけど。
当然各地の映画館での鑑賞は銀幕と5.1chとかのスピーカーの組み合わせで、要は大画面でBlu-rayソフトを観るようなもんだったけど、もしホログラム技術が発達して3次元投影が可能になったら、場所を映画館からライブハウスに移して、ステージ全体に演奏者と宇多田ヒカルを映し出す事が可能になる訳で。ここまで来たら鑑賞ってより擬似ライブ体験になってくるよねぇ。
問題はMCなんだけど、ステージ上から眺められる観客席の様子が各地に切り替えられる仕組みが出来るんじゃないかな。今福岡と繋いで声援を受けたから今度は札幌と繋いで喋ってみようとか…そんな「未来」がもう目の前まで来ている…? まぁそこまで行く前にまずは各家庭で「3DVR x 360R Live」を実現させないといけないけどねぇ。
もちろん、「そんなんヤだ! 実際に福岡に札幌に来て欲しい!」という事になるのは百も承知なのだけど、今までの『ヒカルの5』やこの『WILD LIFE』みたいに一箇所から動かないスケジュールしか取れないケースが今後も出てくるかもしれない…というか、「こういうスケジュールが空いたらライブしていいんだ」と思えたらライブの頻度が上がりはしませんか? その為にホログラム技術が活用されるんなら万々歳じゃあないのかなと。
例えばZepp Tokyoでのライブを各地のZeppのステージでホログラム技術で連動させて─いや流石にただの映像でそこまで客は入らないかもしれないけども─なんてことになったら楽しいと思うんだけどな。…やっぱり悔しさの方が大きい? うーん、そうかも(笑)。
てことで今後はライブコンサートの開催もそのシェアも方法論が多岐に渡り、故に「開催のハードルが下がる可能性が高まる」のは期待したいところなのではありましたとさ。結局は、何もかもがナマなのがいちばん!なんだけどね。
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