無意識日記
宇多田光 word:i_
 



今週のニュースの一つに「YOASOBIの「アイドル」がオリコン史上最速登場5週目で1億回再生突破」ってのがあったわね。いやはや、凄いね。とんでもないね。

私、この歌昨日まで聴いた事が無くてね。というのも、YOASOBIのことだからタイアップ相手のアニメ「推しの子」にピッタリの歌詞を書いてくるだろうから初聴は是非アニメの中でと思っていたのだ。だけど「推しの子」の第1回って再生時間が80分以上もある…っ! 普通初回の主題歌は歌われてもエンディングだったりするので、この映画並みの長さを全編観てからかぁ、とか思ってたら2ヶ月近くが経っちゃった。てへへ。やっと昨夜観ました。

で、聴いた感想。

「全部のピークが「アイドル」の一言に集約されてる!」

です。

1番2番3番各々のサビの真ん中の

「君は完璧で究極の/
 まさに最強で無敵の/
 私はそう欲張りな/
 「「「アイドル!」」」


の所の「アイドル!」ね。ここにメロディの流れと音程の高低の、この歌の歌詞の、「推しの子」のストーリーとコンセプトの、そしてYOASOBIの(多分Ayaseの)キャリアの、J-popシーンのアニメとの蜜月の、あれもこれもそれもどれもあらゆる流れのピークが総て合わさった合流地点にこの歌のタイトルがコールされる、っていうね。いやここまで「出来過ぎ」だと呆れ返るわ。WBCの最後が大谷vsトラウトだったのに匹敵する。いや私の中ではそれ以上かも?

そうなのよね、この歌如何にも「あーいつものYOASOBIだなー」っていうオーソドックスなメロディの展開を見せておきながらこの「アイドル!」の瞬間にこちらの予想を上回ってフックの上限を突破してくるのよ。まさにブレイクスルーのお手本てヤツ。「かいしんのいちげき!」ってやつだ。クリティカル・ヒットだね。

こういう、通常の実力(?)以上のフックラインが登場する瞬間を、まさに完璧な「推しの子」の物語とのシンクロを見せる中でぶち込んでこれたっていやなんという引きの強さか…。話が古くて申し訳ないけど、小室哲哉ブーム全盛期にglobeがデビューして「Departures」を聴かせてくれたのを思いだしたわ。30年近く前なのかあれ…。天才ソングライターのクリティカル・ヒットは時代をまるごと呑み込んでいくものなのですね。


ということで、「じゃあ宇多田ヒカルという究極の天才(って言われても嬉しくねーだろーなぁ…)の「クリティカル・ヒット」っていつのどこだったと思う?」という質問が、この日記なら当然のように思い浮かぶわよね。私の答は決まってる。

「まだ。」

そう、多分まだなんですよ。宇多田ヒカルって、まだピークを迎えてない…というか、ポテンシャルを全部発揮し切れてないと思うのよさ。「最初の山」のピークは『UTADA HIKARU SINGLE COLLECTION Vol.2 Disc 2』だったと思うんだけど、後から考えたら「確かに頂点は頂点だったけど、登った山がまだ低かった。私はもっと高く登れるから他の山に登り直す。」ってことで『山は登ったら降りるものよ』と歌いながら人間活動に入っていって復帰してきて今、なのだ。

で。今まで何度も強調してきたように、アルバム『BADモード』は宇多田ヒカルの最高傑作には“ならない”。今後ヒカルが健康で、音楽を続けていてくれる限り必ずやもっと成長した姿を見せてくれると私は信じている。桁が違うのよさ。なので私は本当に心底長生きしたい。まずは漫画『ONE PIECE』の最終話までは確実に生きて(笑)、まだまだそこから生きていくでありますよっと。その間にいろんなミュージシャンたちの「ピーク」を横目で遠めで眺めていきたいかなと思います。

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へぇ、ラファエル・ナダルが来年での引退を考えてる、と。今年の全仏欠場が決まったんならもう彼にとっては引退同然だろうに、そこからもう一度這い上がろうというのか。とんでもない精神力だな。


フェデラーナダルジョコビッチマーレイ(表記揺れ有り過ぎ問題)のビッグ4のうち、ヒカルがお気に入りだったのはこのナダルだった。フェデラーがスマートな王子様~王様キャラならナダルは野武士とでもいえばいいのか、全仏14回優勝からもわかる通りスタミナとパワーの絶対量でまず優位に立つタイプだった。

女の子の男の子の好みはわからんもんだ、という大前提の上で話をするならば、あれヒカルさんってどちらかといえば線の細い王子様タイプがよかったのでは?という疑問があった。まず尾崎豊、SMAPで選ぶなら稲垣吾郎、V6で選ぶなら岡田准一、そして最初の旦那は典型的な薄口醤油顔(濃口よりしょっぱい)、二人目の旦那も眼鏡君(ド偏見)という感じで、だったらビッグ4で選ぶならフェデラーだろうと思わなくもなかった。ジョコ?サイコさんは対象外で…(問題発言)。

なのにラファがよかったのは何故なのか。好みの男子というより「共感」の方だったのかもしれんなぁ。そう、ヒカルはああみえて仕事上はスタミナとパワーで押し切るタイプなのではないかと。いいアイデアが浮かばなかったらでは一旦休憩してお茶しましょうではなくひたすら時間を掛けて捻り出すとか音を鳴らしまくるとか書き付けまくるとか物量で圧倒して答を導き出すタイプだったりするのでは?

実際の制作現場、創作現場を見たことがないから正確なところはわからないが、スマートさより泥臭さを愛するというのはどこかありそうだ。さっき薄口醤油顔に分類した紀里谷氏だって、映画となるとみんな泥塗れになってる印象だものね(また酷い偏見だな…)。

でもそれを言ったらフェデラーだってデビュー当時は神経質そうでどこか偏屈な職人芸という雰囲気が少しあったもんな。それが次第にメディア向けの発言も気をつけるようになって引退する頃には聖者扱いされてたけど、元々はもう少し人間臭い人だった。プレイ自体はずっとスマートだけど。

思うに、ヒカルはそういうメディア向けの「虚像」みたいなものにあんまり興味ないってことなのかもね。いや、フェデラーのプレイスタイルがスマートなのは実像そのものだけれども、もっとずっと終始一貫純朴で貫き通すようなラファの生き方とプレイスタイルの方が馴染んでいたのかもわからんわ。


うーん、結局、女の子の男の子の好みって、わからんわー。


あ、ナダルってプロデビューが2001年で今36歳(間もなく37歳)なんすか。ヒカルの方がデビュー先なのね…他の業界のこういう年数をきくと、如何にデビューして25年てのが長い年月なのかというのを改めて思い知らされるわ。いやぁ、これなら盛大に祝ってしまっていいんじゃないでしょうかデビュー25周年。そしてラファ、来年何とか復帰して有終の美を飾れることをお祈りしています。多分宣言撤回しても受け容れられると思うので、いつでも心変わりしてくださいね…。

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