トシの読書日記

読書備忘録

俗に言う娯楽小説

2020-09-12 15:54:36 | は行の作家



原宏一「天下り酒場」読了



本書は2015年に祥伝社文庫より発刊されたものです。ブックオフへ行ってなかなか読みたい本がなく、探しあぐねていたところ、本書を見つけ、こんな本はいつもならまず読まないんですが、なぜか気が向いて買ってみたのでした。


まぁたまにはこんなのもいいですね。息抜きにはちょうどいいです。今まで赤川次郎とか、そのあたりの作家を小馬鹿にしてたんですが、こんなのもありかなと。赤川次郎と本作家を同列にしていいものなのかどうか、赤川次郎を読んだことのない自分としてはちょっとわからないんですが、まぁそのあたりの作家ってことで。


どんぶり勘定の親父がやっている居酒屋へひょんなことから区役所を退職した男がアルバイトで入ってくる。この男がめっぽうやり手で店の経営をパソコンを使って管理し、またたく間に黒字へもっていく。そこから2号店、3号店と出店していき…と、ここまでは順風満帆だったのだが…という表題作、経営破綻した歯科医師が30過ぎの求職中の男と組んで歯磨きのサービスという新しいビズネスを始め、それが大当たりするのだが…という「ブラッシング・エクスプレス」とか、まぁよくこんなアイデアが湧いてくるもんだと感心しながら読み終えました。


こういった類いの小説(というより読み物か)はまずめったに読んだことがないので、ほかの作家はどうなのかわかりませんが、なかなかの筆力でつじつまの合ってないところもとりあえず見当たらず、3時間くらいで一気に読んでしまいました。面白かったです。

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