車谷長吉「飆風(ひょうふう)」読了
久しぶりにこの泥臭い私小説家、車谷長吉を読みたくなって買ってきました。短編が3編と、平成15年の上智大学の学祭での講演が収められています。
「密告(たれこみ)」という短編。これはすごいですねぇ。まるで平成版「こころ」です。そう思いながら読んでいたら、なんと主人公の友人が首を吊って自殺してしまうところまで「こころ」と同じでありました。
車谷長吉の小説を書くということへの姿勢は、最後の講演の中で繰り返し述べられています。 一部引用します。
「私は自分の骨身に沁みたことを、自分の骨身に沁みた言葉だけで、書いて来ました。いつ命を失ってもよい、そういう精神で小説を書いて来ました。生きるか死ぬか、自分の命と小説を引き換えにする覚悟で書いて来ました。人間としてこの世に生れて来ることは罪であり、従って罰としてしなければならないことがたくさんあります。小説を書くことも、結婚をすることもその罰の一つです。」
どうですか、この覚悟。思わず読み手側も姿勢を正して読まないといけない気持ちになってきます。車谷のすごいところは、これを口先だけの言葉でなく、それを実際の生活の上で実践しているんですね。見たわけではないですが、間違いないと思います。
車谷長吉、やっぱり目が離せない作家です。
久しぶりにこの泥臭い私小説家、車谷長吉を読みたくなって買ってきました。短編が3編と、平成15年の上智大学の学祭での講演が収められています。
「密告(たれこみ)」という短編。これはすごいですねぇ。まるで平成版「こころ」です。そう思いながら読んでいたら、なんと主人公の友人が首を吊って自殺してしまうところまで「こころ」と同じでありました。
車谷長吉の小説を書くということへの姿勢は、最後の講演の中で繰り返し述べられています。 一部引用します。
「私は自分の骨身に沁みたことを、自分の骨身に沁みた言葉だけで、書いて来ました。いつ命を失ってもよい、そういう精神で小説を書いて来ました。生きるか死ぬか、自分の命と小説を引き換えにする覚悟で書いて来ました。人間としてこの世に生れて来ることは罪であり、従って罰としてしなければならないことがたくさんあります。小説を書くことも、結婚をすることもその罰の一つです。」
どうですか、この覚悟。思わず読み手側も姿勢を正して読まないといけない気持ちになってきます。車谷のすごいところは、これを口先だけの言葉でなく、それを実際の生活の上で実践しているんですね。見たわけではないですが、間違いないと思います。
車谷長吉、やっぱり目が離せない作家です。
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