ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

12才新型インフル

2009-09-18 23:34:45 | Weblog
 17日に浜で小六12才男子が、新型インフル関連死亡の訃報。
 遠くの報道で、ニュース記事程度からの推測で、真実は担当医と当事者しか分からないが、最初の医師の診断判断の重さが厳しい。
 比較的軽症に見えても、急速な増悪はありうるし、インフルエンザかもと疑いを持った瞬間に、どうするかを決めなければならない。
 ウィルス性心筋炎から、脳症、脳出血に至ったというような内容にとれる。
 流行ってなければ、迷路に入り込むが、これだけ言われているこの時期の急性高熱疾患では鑑別診断の第一になる。
 弥次馬的には、ちょっと問題。
 タミフルの注意書き警告、“10歳以上の未成年の患者においては、・・・ハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。
 リレンザの注意書き、“気管支喘息・・・に本剤を投与する場合には本剤
投与後に気管支攣縮が起こる可能性がある・・・”
 これらの警告的文章が添付文書に書いてあるので、担当医は投与をためらい、患者さん側は、タミフルを異常行動でためらったのかもしれない。
 自分は内科医だから、15才高一以上しか診ないけど、飲んだ方がよさそうと考えた方には、「タミフル飲みますか?警告文もあるけど、飲んでいいと思います。」
「・・・」沈黙。「厚労省指導の注意書きがあるから、一応お話しときますけど、私は飲んでいいと考えます。でも、色々な考えもあるから、最後は(親御さん共々)自分で決めてよ。」と偉そうに言ってしまう。
 大体の方は半分以上は、親が「結構です、飲みません。」と答える。
 病態がきつそうな方には、もう一回位は勧めますが、殆ど変わらない。
 仕方ないので、カルテに“タミフル希望されず”と書いて終了。
 御家族の心底にビビリがにじんでいて、マスコミの宣伝浸透効果は深いのを感じ、マスコミの宣伝責任も重い。
 これまでタミフルなしで、増悪には出会わずは幸い。
 でも、今回の事でもっと内服希望が増えそう、交通事故と信号機設置の関係のように。医師の裁量も試される。
 心筋炎を起こしてしまったら、無理しないでそっと流して待つしかなさそう。
 今回の方は、お気の毒としか言いようがない。

 明日からは、何もなければ五連休。講演会原稿の見直しと手直し、右足が治ったら来週テニス予定、後はフリーな脳天気。
 色素沈着はまだ残っている。

※ 楽天、打たれたら打ち返し、雑でも勝って良かった。
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