「天下のM造船の係長さんだもんな。反発するわけにはいかないし・・・」
佐賀係長はへへへと媚びたように笑った。
「接待麻雀なんだから・・・」
高木課長がつぶやいた。
「接待麻雀って負けるようにしなきゃいかないんでしょう?」
ボクは訊いてみた。
「負けるのが見え見えの打ち方はかえってお客さんに失礼よ!」
ママがタバコをふーっとふかして口をはさんだ。
「だって、相手は麻雀という勝負事が好きなんでしょう? 手を抜いていることが分かったら楽しくないでしょう!」
「ママの言う通りだ。真剣に打つ! しかし相手があまり負けないように気を使うってことだな・・・」
大崎さんがボルシチの肉を口にいれながら言った。
「だけど仲間内でやるときは上司といえども遠慮しちゃダメよ!」
ママがボクを見つめて言った。
「落合さんは修繕船課の係長さんておっしゃいましたよね? 修繕なんて仕事があるんですか?」
ボクは話題を変えた。
「あるさ、けっこうおいしい仕事なんだ。このボルシチみたいにいろんなものが入っていてね・・・」
大崎さんがマダムを見てにやっと笑った。
「細かい仕事の積み重ねだけど、定価があるわけじゃないし、支払いも延払いじゃなくて現金で振り込まれるし・・・」
「スペックヲホンヤクシテタラ、ベッドトカ、ナベナンテノモアッタヨ!」
とつぜんテーブル席からだみ声の日本語が大崎さんをフォローした。
カラリヨフさんだ。
翻訳を仕事にしているが、しゃべるのはあまり得意ではないようだ。
「いろんなお仕事があって楽しいわね」
マダムがぼくにウインクをとばしてきた。
「このボルシチおいしいですね」
「でしょう? たくさん作るからおいしいのよ!」
ボクはシチューの中のジャガイモみたいにハザマトレーディングの一員として溶け込んだ幸せを感じた。
「司くん、いる!」
スイングドアがばーっと開いて永野の顔がのぞいた。
─続く─
昨日はコメダ珈琲店で友人ふたりと月2回の雑談会を楽しんだ。
医療のことや時局の話をコーヒー一杯で2時間半。
ここではゆったりとした時間を提供してくれる。
「うまい、はやい、やすい」でおなじみの吉野家で「ごゆっくり」を楽しんでいただける「牛すき鍋」と「牛ちげ鍋」がコンロにのせて提供されるそうだ。
回転すしのくら寿司ではこだわりのコーヒーや食後のスイーツなどデザートも回ってくるという。
「ごゆっくりサービス」の新しい流れがきている。
佐賀係長はへへへと媚びたように笑った。
「接待麻雀なんだから・・・」
高木課長がつぶやいた。
「接待麻雀って負けるようにしなきゃいかないんでしょう?」
ボクは訊いてみた。
「負けるのが見え見えの打ち方はかえってお客さんに失礼よ!」
ママがタバコをふーっとふかして口をはさんだ。
「だって、相手は麻雀という勝負事が好きなんでしょう? 手を抜いていることが分かったら楽しくないでしょう!」
「ママの言う通りだ。真剣に打つ! しかし相手があまり負けないように気を使うってことだな・・・」
大崎さんがボルシチの肉を口にいれながら言った。
「だけど仲間内でやるときは上司といえども遠慮しちゃダメよ!」
ママがボクを見つめて言った。
「落合さんは修繕船課の係長さんておっしゃいましたよね? 修繕なんて仕事があるんですか?」
ボクは話題を変えた。
「あるさ、けっこうおいしい仕事なんだ。このボルシチみたいにいろんなものが入っていてね・・・」
大崎さんがマダムを見てにやっと笑った。
「細かい仕事の積み重ねだけど、定価があるわけじゃないし、支払いも延払いじゃなくて現金で振り込まれるし・・・」
「スペックヲホンヤクシテタラ、ベッドトカ、ナベナンテノモアッタヨ!」
とつぜんテーブル席からだみ声の日本語が大崎さんをフォローした。
カラリヨフさんだ。
翻訳を仕事にしているが、しゃべるのはあまり得意ではないようだ。
「いろんなお仕事があって楽しいわね」
マダムがぼくにウインクをとばしてきた。
「このボルシチおいしいですね」
「でしょう? たくさん作るからおいしいのよ!」
ボクはシチューの中のジャガイモみたいにハザマトレーディングの一員として溶け込んだ幸せを感じた。
「司くん、いる!」
スイングドアがばーっと開いて永野の顔がのぞいた。
─続く─
昨日はコメダ珈琲店で友人ふたりと月2回の雑談会を楽しんだ。
医療のことや時局の話をコーヒー一杯で2時間半。
ここではゆったりとした時間を提供してくれる。
「うまい、はやい、やすい」でおなじみの吉野家で「ごゆっくり」を楽しんでいただける「牛すき鍋」と「牛ちげ鍋」がコンロにのせて提供されるそうだ。
回転すしのくら寿司ではこだわりのコーヒーや食後のスイーツなどデザートも回ってくるという。
「ごゆっくりサービス」の新しい流れがきている。