昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(210)悪魔の兵器

2014-06-29 03:09:09 | エッセイ
「実験は誰が予想していたよりも大きな成功を収めた」
「世界の終末を思わせるような強力で長い大爆発」
 
 このアラモゴルドにおける初の原爆実験成功の報告書にポツダム会談に臨んでいたトルーマン米大統領は浮かれたようになった。
 それまでの会談ではチャーチルやスターリンに主導権を握られていたが、以降は審議を牛耳るようになった。
 
「私には合点がいかなかった。報告書を読んだあとの彼はまるで別人だった。ロシア人たちにあれこれ指図し、会議をおのれの意のままに進めた」とチャーチルは語っている。
 
 スターリンの反応は、「アメリカはこれで核独占を楯にヨーロッパ支配を企むだろうが、自分は奴らの脅しには乗らない」と述べ、軍部に対日参戦を急ぐように命じ、科学者には(原爆)研究のペースを上げるように命じた。

 戦後米ソ冷戦の始まりである。

 <キューバ危機>
 強硬路線の冷戦政策が悲劇的な影響をもたらすことをケネディに実際に印象づけたのは、1962年10月のキューバ・ミサイル危機だった。
 アメリカ本土に1メガトンの核弾頭を着弾させることが可能な島に、ソ連がSS4準中距離弾道ミサイル(MRBM)を配備していることが判明した。
 
 アメリカの先制攻撃を恐れたソ連は、ソ連国内への攻撃を思いとどまらせ、アメリカのキューバ侵攻を未然に防ぐ効果を期待して、キューバへのミサイル配備という賭けに出たのである。
 
 カーティス・ルメイはキューバ空爆を進言したが、ケネディは海上封鎖にとどめた。
 
 ルメイは怒り狂ったが、ケネディはアメリカ国民に対して宣言した。
「私たちは軽率な、あるいは不必要に、世界的核戦争の道を歩むつもりはありません。全面的核戦争が起きれば、仮に勝利したとしても。口の中には死の灰が詰まっていることになるでしょう。しかし、危険に直面しなければならない状況のもとでは、どちらの側も、いかなるときも核戦争のリスクから逃れることはできないのです」

 しかし、「冷戦下で最も危うい瞬間だっただけではない。人類史上、最も危険な瞬間だった」という事件が起った。
 キューバに向かう船舶を護衛するソ連潜水艦B29の近くで、アメリカの駆逐艦が爆雷の投下を開始した。
 
 ソ連の潜水艦が核兵器を搭載していることに気づいていなかった。
 ソ連の通信担当将校はそのときの様子を次のように語っている。
「爆雷が船体のすぐそばで爆発したのです。金属製の樽の中に座って、外からハンマーでたたき続けられているような気分でした。・・・当直士官の一人が気を失って倒れ、別の一人が倒れ、三人目が倒れ・・・。これですべて終わりだ。誰もがそう思っていました」
 潜水艦内はパニックに陥った。サビツキー艦長が司令部への連絡を試みたものの、失敗に終わった。
 そして艦長は核魚雷の発射準備を部下に命じた。
「ここでもたついているあいだに、戦争は始まってしまったようだ。われわれはここで死ぬことになるが、それと引き替えに敵艦もすべて沈める。わが海軍の面目を保つのだ」
 幸運なことに、ワシリー・アルビホフという将校がサビツキーをなだめ、魚雷の発射を中止させることに成功した。
 
 アルビホフという一人の将校が、核戦争を回避したのである。
 (オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史より)

 <一発触発、人類破滅>への道を人類自身が生み出したのだ。
 
 
 

エッセイ(209)戦時国際法違反

2014-06-28 03:55:47 | エッセイ
 沖縄の年寄り、子ども、女性を本土に疎開させるため、1788名を乗せた対馬丸が米潜水艦に撃沈されてから70年目、犠牲者慰霊のため天皇皇后両陛下が沖縄糸満市を訪問された。
 
 
 戦争によるものとはいえ、何とも惨くやるせない想い出である。

 まさに、「非戦闘員は保護対象であり、これを無視して危害を加えることは戦争犯罪である」という戦時国際法に違反している。
 同じことは、東京大空襲でも言える。
 東京の下町を焦土と化した大空襲は、初めから一般市民を主目的とした大量虐殺作戦だった。
 
 軍事関連施設に目標を絞った爆撃では戦果を上げることができなかった米軍は、焼夷弾を使って市街地を焼き払い日本国民の戦意をそぐ作戦に転じていた。
 この作戦を指揮したカーチス・ルメイ司令官の下で<効率的>な作戦計画に手腕を振るっていた、ロバート・マクマナラ元国防相が、後日述べている。
 
「ルメイも私も、戦争犯罪を行ったのだ。もし負けていればだ・・・」

 オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史によれば、
 
 広島への原爆投下を知ったとき、トルーマン大統領は「(この発表は)最も心躍る}仕事だったと語った。
 
 ある民主党議員は電報を打って大統領を諌めた。
「無辜の人を死にいたらしめる兵器に歓呼するなど、かりそめにもアメリカ合衆国の大統領たる者の成すべきことではない。)喜んだ理由が破壊ではなく、破壊に終止符を打ったことにあると明確にしていただきたい」と。

 その後「原爆は日本の終戦を早めるのに効果的だった」と言われているが、日本サイドの受け止め方は違っていた。
 むしろソ連の参戦が日本の指導者の戦意を喪失させたのだ。
 
「ソ連が満州、朝鮮、樺太ばかりでなく、北海道にもくるだろう。相手が天皇制に理解のありそうなアメリカであるうちに始末をつけなければ・・・」

 <他者の苦しみへの無関心>
 第二次世界大戦の恐怖と流血によって多くの人が他人の苦しみに無関心になった。
 300機の爆撃機で編成され沖縄戦線に派遣されたたイギリスの<タイガー・フォース>の一員だったフリーマン・ダイソンは語っている。
「十分に守りを固めていたドイツ人の殺戮より、無防備な日本人を殺戮し続けたことに私は不快感を覚えた。それでも私は止めなかった。戦争にどっぷり浸かったころには、平和のことなど頭から消えていた。憎悪も慙愧の念もなく殺しつづけた私の魂の空しさを言葉にできる人は現代詩人にはいないだろう。
 しかしシェークスピアは理解していた。そしてマクベスにこう言わしめた。
「血の流れにここまで踏み込んでしまった以上、今さら引き返せるものではない。思いきって渡ってしまうのだ」

 ─続く─
 

エッセイ(208)日本とアメリカ(2)

2014-06-16 04:08:26 | エッセイ
 今、世界で最も読まれている日本の作者、村上春樹。
 前回の読書ミーティングで、何故彼の作品が人の琴線に触れるのか?
 講師がまとめたのが下記だ。
 ①損なわれること。生きてきた意味がない、という状況になること。本質的な意味で人生がだいなしになること。これを書いてきた。
 ②以上を美しく書いてきた。
 ③おそらく多くの読者は、この最悪の悲しみを疑似体験したい。
 ④自分を取り巻く世界は、現実と非現実はあいまいで、謎に満ちており、問題は解決しない。不条理なことにしばしば襲われる。
 
 つまり、世界を哀しみが覆っていることを知る作家だというのだ。

 そんな作家が好んで多数翻訳したアメリカの作家がレイモンド・カーヴァーだ。
 その作品のなかでも村上が最も好きな作品のひとつが<ささやかだけれど、役にたつこと>だと言う。
 
 
 ぼくは<JAPANIST>の巻頭を飾ったエッセイ<内海隆一郎のパズルのかけら>を読んだとき、このカーヴァーの作品が頭に浮かんだ。
 あまりにも日本的なおもいやりの愛情に満ちた作品に対比するものとして。
 世界を覆っている現実の<哀しみ>って、こうなんだ!と。


 村上自身の言葉で内容を簡単にまとめるとこうだ。

 誕生日の朝にスコッティーという名の子どもが車にはねられて入院する。
 両親は病院にかけつけ、子どもにつきっきりになる。
 そして注文していたバースデイケーキをパン屋に取りに行くのを忘れる。
 そんなものを注文していたことさえ忘れる。
 彼らは子どもの誕生日のためにスコッティーという名前を大きく入れたケーキを用意していたのだ。
 入院した何日か後に子どもは死んでしまう。
 家に帰った夫婦が悲しみをじっと噛みしめていると電話のベルが鳴る。
 パン屋は子どもが死んだことを知らない。
 そして彼らがケーキを取りに来なかったことで頭にきている。
 でもパン屋は名を名乗らない。
 ただ電話口で不気味な声で「スコッティーだよ。スコッティーのことだよ」と言うだけだ。
 そして夫婦はそれが誰なのかわからない。・・・
 話はそこから更に展開していく。
 夫婦はパン屋に押しかける。
 そして彼らは互いの苦しみを夜が明けるまで語り合う。
 そして、彼らはある種の救済へと到達するのだ。
 もちろんそれは本物の救済ではない。
 そこではまったく誰も救われはしない。
 すべては失われ、損なわれてしまっている。
 子どもは死んでいる。
 ケーキは腐っている。
 夫婦はうちのめされている。
 パン屋の人生は破滅している。
 救済はどこにもない。
 でもそれはいうなれば救済があるはずの空白なのだ。
 そこでは救済は「救済の不在」という空白の形をとって姿を現す。
 つまり不在というかたちをとった存在である。
 そう、そこには救済があってもよかったのだ。
 でも、実際にはない。
 しかし、ないにしても彼らはそこまでいったのだ。
 そしてそれはいつか、「ささやかだけど役にたつ」かもしれないのだ。
 それは誰にもわかりはしない。
 でもやるだけの価値はあるのだ。


 *子どもを失くした彼らとパン屋のやり取りを記す。

 ・・・彼女ははっと思いあたった。それが誰なのか、彼女にはわかった。スコッティー、ケーキ、電話番号も教えた。・・・
 鍵が外され、ドアが開いた。光の中にパン屋の主人が立って、顔を突き出すようにして二人を凝視した。
 
「店は閉まったよ」と彼は言った。「こんな時間に何の用かな? 真夜中だよ。あんたら酔っぱらってるんじゃないのかい?」彼女は開いたドアからこぼれる光の中に足を踏み入れた。パン屋の主人は誰かを知って、もったりとしたまつげをしばたたかせた。「あんたか」と彼は言った。・・・
「あんたの注文した3日前のケーキを持っていくかい?それでいいのかい?ごたごたは御免だよ。・・正価の半分の値段であんたに譲ろう。いいや、ほしきゃただで持っていっていいよ。・・・いっとくが、そのケーキを作るのには時間もかかったし、金もかかった。でも、欲しければ持っていきなよ・・・」
「なあ奥さん、あたしはおまんまを食うために1日16時間ここで働いているんだよ」とパン屋は言った。・・・
「・・・パン屋は夜中に働くんだ・・・」
「パン屋が夜中に働くことは知っているわ」とアンは言った。「そして夜中に電話もかけるのよ・こん畜生」と彼女は言った。パン屋はのし棒をぴしゃぴしゃと叩き続けていた。・・・
「子どもは死にました」と彼女は冷たい平板な声で言った。「月曜の朝に車ではねられたんです。死ぬまで、私たち二人はずっと子どもに付き添っていました。でももちろん、あなたにはそんなことわかりっこないわね。・・・そうよね、パン屋さん?でもあの子は死んだのよ、こん畜生」・・・。「こんなのあんまりよ」・・・
 パン屋はのし棒をカウンターに戻した。そしてエプロンを取り、カウンターの上に投げた。 彼は二人を見て、ゆっくりと首を振った。・・・「お座りください」と言った。・・・
 「どうか腰かけて下さい」
 アンは涙を拭き、パン屋を見た。
「あなたを殺してやりたかった」・・・
 パン屋は二人のためにテーブルの上をかたづけた。
「なんとも言いようがないほど、お気の毒に思っています。聞いて下さい。わたしはただのつまらんパン屋です。それ以上の何者でもない。・・・わたしには子どもはおりません。だからお気持ちはただ想像するしかない。申し訳ないという以外に何ともいいようがない。・・・」
「わたしは邪悪な人間じゃありません。・・・つまるところ人間としてのまっとうな生き方を見失ってしまったんです」
 ・・・パン屋はカップを見つけてコーヒーを注いだ。・・・
「何か召し上がらなくちゃいけませんよ」とパン屋は言った。
「よかったらわたしが焼いた温かいロールパンを食べてください。ちゃんと食べて、頑張って生きていかなきゃならんのだから、こんなときには、ものを食べることです。それはささやかなことですが、助けになります」と」彼は言った。
 
 
 二人はロールパンを食べ、コーヒーを飲んだ。
 ロールパンは温かく、甘かった。
 それから彼は話し始めた。二人は疲れきって、深い苦悩の中にいたが、それでもパン屋が打ち明ける話にじっと耳を傾けた。
 
 この歳までずっと子どもも持たずに生きてくるということがどれほど寂しいものか。彼は二人に語った。オーヴンをいっぱいにしてオーヴンを空にしてという。ただそれだけを毎日繰り返すことが、どういうものかということを・・・。
 彼は世の中の役に立つ仕事をしているのだ。・・・

    


 昨日のザックジャパンは何だったのか?
 
 
 本田が先制点を挙げて、一瞬期待を持たせてくれたが・・・
 それからは終始、ボールは奪われるし、パスは通らないし。
 勝っていながら、そのうち負けるな、と思っていたらその通りになってしまった。
 優勝するぞ!なんて極限まで膨らんだ風船は音を立てて弾けてしまった。
 
 温かいご飯でも食べて、元気を取り戻すしかないぜ!

エッセイ(207)日本とアメリカ(1)

2014-06-15 02:22:09 | エッセイ
 友からJAPANIST(ジャパニスト)という雑誌をいただいた。
 <誇りある日本人のための志誌>
 <ニッポンに、詳しくなろう>という副題がついている。
 

 巻頭のエッセイ<内海隆一郎・パズルのかけら>を読んだ。
 一人娘を他家へ嫁がすことになる。
 文具売り場で、娘の幼い時に似ている写真の紙箱に目が留まり買い求めた。
 
 中身は新聞紙二面分の大きなジグソーパズルだ。
 1000ピースの断片を組み合わせて作らなければならない。
 老夫婦は作ることを早々に諦める。

 五日後、奥さんがかがみこんで何かしている。
 いきなり1000ピースはムリだから500ピースにチャレンジしているのだ。
 旦那も引き込まれて夜遅くまでかかって仕上げ、夫妻は、やったあ、と叫んで、思わず握手していた。手を取り合うなんて何年ぶりだろう。

 デートから帰ってきた娘もパズルを手伝うようになった。
 婚約者も巻き込んで780ピースの<ドイツの古城>に挑む。
 
 四人は断片をやりとりして、息の合ったチームワークで共同作業をして夜遅く完成させた。

 ところが結婚式が迫ってくると若い二人は何かと忙しく、パズルどころではなくなってしまった。
 そこで老夫婦は例の難関、1000ピースの<幼女>に取り組むことにした。
 しかし、二晩かかって4分の1がやっとだった。
「いままで、あの二人に頼り過ぎていたようね。あたしたちの実力がついたわけじゃないのかもしれないわ」
 ついにギブアップしてしまった。

 そして結婚披露宴。
 お開きになってからも旦那の涙は止まらなかった。
「娘たちとの団欒は、幻に過ぎなかった。あんなことは二度とないのだ」

「あ、そうそう、これ、あの子がお父さんに渡してちょうだいって・・・」
 新婚旅行に発った二人を見送って帰った旦那に奥さんから封筒が渡された。
 ・・・この二か月間、ほんとうに楽しくて充実した時間を過ごしました。お父さん、お母さんと一緒に同じことをして遊ぶなんて・・・
 手紙と共に渡されたのは二個のパズルのかけらだった。

 今朝まで娘の部屋だった二階の6畳間に<幼女>のおおきなジグソーパズルが目の前に広がった。
 ・・・そういえば、あの子はこの三晩この部屋に閉じこもっていた・・・
「おまえも、これをひとつ持て。そして、あのパズルに嵌めるんだ・・・」

 このエッセイを読んだとき、どういうわけか村上春樹が翻訳した、アメリカの作家、レイモンド・カーバーの<ささやかだけれど、役にたつこと>が思い浮かんだ。
 そのことは明日に。
 ─続く─ 
 

言葉(17)日本人とアメリカ人そしてヨーロッパ人

2014-06-10 05:03:11 | 言葉
 「日本人に限って泊めているんだ・・・」
 ドイツの民宿のおやじが語る場面を書いていて、小田実の<何でもみてやろう>の一節を思い出した。
 

 私がひとりで喫茶店(パリの)でコーヒーを飲んでいたら、コンチハという見知らぬ男がいた。誰かと思ったら、先日私たちを見物に来たお巡りさんの一人だった。
 彼は英語の片言が話せた。
「あのマドモアゼルはアメリカ人だね」
 
 私がうなずいたら、彼はおっかぶせるように「日本はアメリカとどえらい戦争をやったんじゃなかったのかい」
 

 これはフランスのみならず、ヨーロッパ人が、私とアメリカ人と親しげにしているのを見たときに先ず示す普通の反応であった。私の率直な感じでは、ヨーロッパには、まだ前の戦争というものが残っている。ひとびとの心のなかでは戦争はまだ続いているのだろう。
 イギリス人はドイツ人を憎み、フランス人は彼らを恐れ、ドイツ人はドイツ人で、たとえばハンブルグのビヤホールで私の肩をどやしつけながら、「われわれは勇敢だった。今度やるときはイタリアぬきでやろうじゃないか」とクダをまいていた男もいる。

 日本人は淡白すぎる、過去を忘れすぎるというが、たしかにそれも困りものであろうが、ヨーロッパ人のねちねちした執念もあまり気持ちがよくない。過去に手ひどい痛手をこうむったことがないとはいえ、アメリカ人はこんな点サッパリとして健忘症的であって、ずいぶん日本人と似ているな、と思わせるときもあった。

 ともあれ、こうしたヨーロッパで、日本人とアメリカ人が仲よくしているのは、一種異様なものに眼に映じたのだろう。ギリシアの電車のなかで、私がアメリカの坊やと冗談を言って笑い合っていたら、かたわらのギリシア人が、右手と左手の人差し指をたがいに当てさせてチャンバラのかたちをつくりながら、さっきのフランス人警官と同じようなことを言った。
 
 

有名人(53)女の魅力(31)吉原由香里

2014-06-09 05:21:02 | 女の魅力
 <吉原由香里>
 彼女のことは8年前<女の魅力(7)梅沢由香里>で取り上げているから二度目だ。
 最近、先輩の縁で昨年の6段昇進祝いの時と、最近彼女を囲む会で直接お会いする機会を得た。
 
 最初に関心を持ったのはテレビ解説でアシスタントとして登場したころだ。
 まだ、初段になったばかりで、当時女流棋士としては飛ぶ鳥を落とす勢いの小林泉美棋士とテレビ対局し、勝った時の印象が強烈だった。
 初々しい可憐な見かけによらず、闘争心の旺盛な棋士魂を感じた。
 

 昨日テレビNHK囲碁フォーカス<棋士に聞く>で彼女を観た。

 お父さんの影響で囲碁を始め、幼いころから才能を発揮、院生にもなった。
 しかし、しばらく伸び悩む時期があった。
 
 たまたま、テレビの仕事が入り一流棋士対局の解説アシスタントの体験が彼女を成長させた。
 
 
 
 

 そして入段。
 
 さらに女流棋聖のタイトルを獲得
 
 
 しかし、息子さんを出産、しばらく活躍の場がなかったが、ここへきて本来の闘志が蘇ってきたようだ。
 
 

 日本囲碁界の看板娘だけでない、実力者吉原由香里の再登場を期待したい。
 
 このブログの人気記事
 *なるほど!(277))人工知能
 * ”  (232)脚フェチ
 *男の魅力(19)旭天鵬
 * ”  (18)プーチン

 
 

なるほど!と思う日々(277)人工知能

2014-06-08 05:17:20 | なるほどと思う日々
 <人工知能> 
「ネットと連動 高速度化」 
「人の知性超える日 現実味」

 6月7日(土)の朝日新聞の記事は衝撃的だった。

 <ヒト型ロボット>
 
 <将棋では人口知能がプロ棋士を圧倒>
 
 など、話題を集めている。

 従来、<人間のように考える大型コンピューター>による人工知能研究で世界をリードしていたのは実は日本だった。
 しかし、コンピューターにルールを覚え込ませようとして、ルールが多すぎてすべてを書ききれず失敗に終わった。
 
 ところがいま、世界中で、個人がインターネット上に、文字や動画などのデータをため込んでいる。その大量のデータをDL(ディープラーニング)などの人工知能がのみ込み賢くなっていく。
 アップル社のiPhneに組み込まれた<Siri>が場所の問い合わせに、データベースやウエブを検索して音声で答えを返す。
 

 データをのみ込めばのみ込むほど進化する人工知能は、いずれは人間の知性を超えるのではないかという予測も出始めている。
 人工知能が自律的に動き始め、人間の指示に従わない事態に陥りかねないという危惧が専門家の一部にはある。

 AKB総選挙が雨のふりしきる味スタで挙行された。
 
 雨のなか、7万人も集まったなんて信じられない!
 草食系渡辺麻友が、肉食系指原莉乃を押さえて初の一位を獲得した。
 
 

 かく言うジジイの一押しは総監督「努力は報われます!」の高橋みなみだ。

  
 
 このブログの人気記事

 ①なるほど!(244)荒くれ男を仕切る
 ②運が悪いことから(192)ドイツ(8)
 ③女の魅力(30)堀北真希
 ④金沢便り(40)兼六園の雪つり
 ⑤エッセイ(198)東日本大震災鎮魂詩
 ⑥なるほど!(245)知的な肉食系女子
 ⑦女の魅力(27)樋口可南子
 ⑧中欧旅行から帰って(3)

エッセイ(206)Gゼロの時代

2014-06-04 03:22:12 | エッセイ
 アメリカのオバマ大統領がシリアの化学兵器問題で、いったんは介入を決めておきながら、同盟国イギリス、そして自国世論の反対によって断念した。
 
 この時点を境にアメリカは戦後60年以上、良くも悪くも果たしてきた<世界の警察>の役割を放棄することになった。
 
 しかし、ロシアのウクライナからクリミア半島を奪取。
 

 中国の南シナ海への強引な進出。
 
 

 アメリカの後退によって大国の力による姿勢はより先鋭化している。
 
 さらなるウクライナのロシア化にはプーチンも足踏みし、習近平もアメリカのみならず、周辺国ベトナムやフィリピンの思いのほか強い反発に苦悩しているかにみえる。

 近くG7が開催される。
 
 Gゼロの時代に直面し、「多数の円卓会議で重要なのは<理念>である」と寺島実郎氏は言っているが、果たして<理念>が<力>を制することになるのか。
 となれば、まさしく<力>の現実に立脚しながらも<積極的平和主義>を標榜する日本の安倍首相の出番になるのだが。
 
 みなさんのご意見を賜りたい。