昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(218)日本人(48)

2011-08-30 05:12:27 | なるほどと思う日々
 昨日、民主党総裁選をテレビで拝見させてもらった。
 5候補者それぞれがそれらしく事前演説し興味深かった。

 前原氏は優等生らしく大所高所から網羅的に政策を語り、自らの至らぬところも付け加えて無難な出来だったが、どちらかというと独りよがりでナルシシストの印象はぬぐえず、胸にぐっと迫るものがなかった。

 馬淵氏は政治家になった原点は田中角栄氏への憧れだったと語り、6人の子沢山らしく家族に立脚することが大切であることを自らのことばで真面目に切々と訴えた。

 海江田氏は、前二者に比べると、論点が散漫で<泣き虫>、<小沢氏の繰り人形>のイメージが払しょく仕切れていない。

野田氏は「朝顔はどうして早朝に清々しい花を咲かすのでしょう・・・。その前に夜の暗さと静けさがあるからです」「ドジョウが金魚の真似をしてもしょうがない」という喩を巧みに使って、<思惑ではなく思いで>、<下心ではなく志で><信頼感のある政治を>.と訴えた。

鹿野氏は<挙党一致でまとまって>と言葉の種類は少なかったが、目を剥いて声高に訴えた。

 投票結果は、前原氏74票、馬淵氏24票、海江田氏143票、野田氏102票、鹿野氏52票で、海江田氏と野田氏の決選投票となった。

「前原でなくて、野田? 鹿野は意外と多いな・・・」が第一印象だった。
 世論調査の評価がダントツの前原氏を、選挙重視の議員たちは当然選ぶと思ったのだが、逆にそれで解散されたらたまらないという懸念が働いたのかもしれない。それに、当初出ないと言っていた前原氏の踏ん切りの悪さも影響したかもしれない。

 鹿野氏の票については、民主党においても、首相は無難で調整能力のあるベテランがいいと思う連中が多いのかなと思った。

 決選投票に際しても野田氏は「政治は坂道を雪だるまを押し上げて行くようなもの。どんどん重くなっていく。自分一人ではどうにもならない。非常時にあたって、3党合意を無視して果たして国会は進むでしょうか?」と海江田氏を挑発して勝利を勝ち得た。
 <215対177>だった。

 演説の巧みさで野田氏の圧勝かなと思っていたが、海江田氏が意外に票を積み重ねた。
 未だに小沢氏の隠然たる影響力があることを思い知った。
 <怨念の政治>から脱却したいと言っている野田氏が、小沢氏に操られることなく手腕を発揮できるか見守りたい。

 野田氏の勝利が確定した瞬間、「この人に出会った時から首相にしたいと思っていた」と言っていた蓮舫氏の目がうるんだように見えた。

 


なるほど!と思う日々(217)日本人(47)

2011-08-28 05:13:07 | なるほどと思う日々
 菅首相が正式に退陣を表明して、後継総裁、総理を狙う5人の民主党候補者が出そろった。
 <金権体質・小沢>からの脱却を目指した現政権が見事覆され、「菅以外なら誰でもいい」「死ぬまで生きがいのあることをやりたい」と言って、ふたたび<政権操り師・小沢一郎>が政界の表舞台にしゃしゃりでてきた。

 日本の泥沼的政界に隠然と巣食う鵺的な存在<小沢一郎>
 
 小沢氏は別名<選挙の神様>とも言われる。
 2009年の選挙で143人もの<小沢チルドレン>とか<小沢ガールズ>とか呼ばれる大量の新人議員議員を誕生させ、彼らの恩義を力に今回の民主党総裁選でも<生きがいのあること>をやろうとうわけだ。

 かつて海部内閣を誕生させたとき、小沢氏は「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」と言ったそうだが、今回「小沢さんの力も必要だ」と彼の支持を受けることになった人の良さそうな「私の価値はどうでもいいんですと」涙を流した海江田万里氏はどういう心境なのだろう。
 

なるほど!と思う日々(216)日本人(46)

2011-08-24 05:20:57 | なるほどと思う日々
  英国の経済雑誌<エコノミスト>最新号の表紙をこんな風刺画が飾った。
 
 朝日新聞の22日の<座標軸>に主筆の若宮啓文氏は「表紙には富士山を背にオバマ米大統領とメルケル独首相が着物姿で並び、タイトルは「ターニング ジャパニーズ」。
 ぐずぐずしていると日本みたいになるぞ、という警告だ。
 意味するものは長きにわたる財政の無策と政治まひである。
 侮辱的なイラストだが、反論もできまい。財政赤字はふくれ上がり、大震災や原発事故に加えて国際政治が難局のそのとき、またも首相が代わる国なのだ」
と述べ、劣化極まる政治に対し、二院制度と選挙制度を抜本的に改革せよと訴えている。

 しかし、制度の問題というより、首相が回転ドアのように変わることを日本の国民が何とも思っていないことが問題なのでは。
 つまり、民主党政権になって衆参ねじれが問題となっているが、それ以前から首相はとっかえひっかえ入れ替わっている。首相がだれであろうと問題ないと国民は思っているのでは。
 むしろ、朝日を筆頭にマスコミには、パワーのあるリーダーの出現を嫌う風潮がある。

 今から30年近く前、フランスから日本にやってきたポール・ボネ氏は<不思議の国ニッポン>の中で述べている。
 「ムッシュ・ヨシダ(吉田茂首相がなぜ<ワンマン>と呼ばれたか──それは、大多数の日本人がワンマンの存在を喜ばないことのアンチテーゼであると(日本人とのビジネスを通じて)気がつくようになったからである」
 
 日本人とのビジネスを通じて彼が知ったことはこういうことである
「欧米のトップマネジメントは、社員の生存権がトップの判断にゆだねられていると同時に、責任もまたトップに集中している。それが日本では権利も責任も分担制である。そして何よりも不思議なのは、マネジメントの判断までが分担制なのだ。日本人と取引するうえで、この知識は絶対に欠かせない。ミドルマネジメントから入っていって、ネゴシエーションをピラミッド型に積み上げていくのが成功の秘訣だ。そして、この秘訣は、単に民間企業を相手にしたときばかりでなく、官僚組織から何らかの合意をとりつける場合にも必要である」

 ただ、日本でも戦後占領下という特殊状況下で政治を仕切った吉田ワンマンだけでなく、<日本列島改造論>の田中角栄、と<自民党をぶっ潰せ>の小泉純一郎というユニークなワンマン手腕を発揮した首相がいた。
 ただし、彼らも退任すると同時に酷評され、またぞろ誰でもいい首相が出現している。

 少なくともこの大震災というこの国難の時だけでも、ユニークな<ワンマン>の出現を期待したい。


 
 
 


 

有名人(48)男の魅力(17)佐々木則夫

2011-08-20 07:13:34 | 男の魅力
 連日の猛暑日がようやく途切れ、久しぶりに熱帯夜から解放された。
 昨夜はなでしこジャパンと、なでしこリーグ選抜の凱旋試合を楽しんだ。
 前半に、宮間からのパスに近賀が合わせ、丸山の突破から川澄が、再度宮間のパスに坂口がと立て続けに得点し、世界覇者なでしこの威力を見せつけた。

 これで十分と他に関心を移し、再び終了間際にチャンネルを戻したら3対2と1点差に押し込まれていた。

 佐々木則夫監督はこの結果について、「非常にいい強化試合になった。選抜チームに感謝したい。後半の反省を踏まえて課題を克服し、オリンピックへの道に邁進します」と語った。
 
 佐々木監督には、バレーの<鬼の大松>と呼ばれた大松博文監督をはじめとする従来の「おれについてこい!」式の監督像とは別の<男の魅力>を感じる。

 W杯で、PK戦となったとき、佐々木監督には笑顔があった。
「あたりまえだよ。澤のミラクルシュートが入ったから儲けたと思った。あの時勝ったと思った」
 と語った。

 アウディジャパンが価格289万円のAudi A1を監督、選手全員に3年間無償リースの提供があった。
 「僕にはすごくアウディ」と監督は早速ギャグを飛ばし、澤が「こんな高級車は自分たちに合うかわからない」とコメントしたとき、「でも、君には?」と合いの手を入れ、澤も「アウディ」と応えて和気あいあいだった。

 女心をつかむ気配りはなかなかのものだ。
 記者会見で、監督のすごさについて尋ねられた大野選手は「学んだこと? 特に・・・。オヤジギャグ言っていたとこぐらいしか・・・」
 宮間選手が「監督は試合が近づくにつれてリラックスし、大舞台で選手を背負ってどっしりしていた」とフォローすると「まるっ!」とにっこり。
 続くGK海堀選手が回答に窮すると、「山郷、福元から学んだので僕からではないとはっきり言えよ」と突っ込み、彼女に「学んだのは山郷さんと福元さん」と言い直させ、みんなから笑いを取っていた。

 戦術的には就任直後澤選手を守備的ボランチにコンバートし、絶賛されたパスサッカーを完成させたこともあるが、なんといっても<女心>をつかむ手腕は素晴らしい。
 
  

金沢便り(31)ルビーロマン

2011-08-18 04:54:29 | 金沢便り
 金沢の山ちゃんから暑中見舞いをいただいた。
 
 写真は当地名産「ルビーロマン」(葡萄)

 
これがブドウ? 一見すももかと思った。

 金澤近郷の河北潟は江戸時代にも干拓構想があったが干拓事業完成は昭和61年になった。
 広い干拓地には「麦畑」「西瓜畑」「葡萄畑」「ひまわり畑(巨大迷路)」などに利用されている。

 この葡萄畑は一区画三千坪の広さで”デラウエア””巨峰”などのほか、当地話題の”ルビーロマン”も栽培されている。
 
 市場の競り市で初競り値が一房50万円になった。
 一房30数粒の実だから一粒いくらだろうか。
 冬から生育過程を撮り続けているが未だ口にしたことがない。

 
 大西ブドウ園、ルビーロマンの木(右手前)   
 ルビーロマンの剪定
 
 ルビーロマン色づく

 ・・・インターネットの紹介では・・・
 「赤くて大粒のブドウが欲しい!」
 ブドウ農家の願いをかなえようと、平成7年春、石川県農業総合研究センター砂丘地農業試験場では、「藤稔」という黒色の大粒ブドウから採取した種400粒を試験場の片隅に播きました。
 大切に育てた幼木は、平成9年から実を付け始めました。しかし、400本の樹の中で赤い実を付けたのはわずか4本。この中から、味、色、房や粒の大きさなどの品質、栽培のしやすさなど地道な調査を繰り返し選ばれた1本が。「ルビーロマン」です。
「石川県の宝」として、全国に羽ばたくブランド品種に成長するよう、皆さまとともに育ててまいります。


 味もいいそうですが、大きさを実感するためぼくもインターネットで調べてみました。
  巨峰、デラウエアと比較してみてください。
  

なるほど!と思う日々(215)日本人(45)

2011-08-16 05:00:27 | なるほどと思う日々
 菅総理大臣の退陣が明確になって、ニュースの焦点は<菅降ろし>から一気に次期総理に直結する<民主党代表選>に移った。
 既に何人かの候補者が取りざたされているが、大衆受けするインパクトある顔ぶれではない。
 むしろ、候補者の一人、野田財務大臣が提唱した<大連立政権>に関心が集まっている。

 「国難ともいえる大震災からの復興を見据えて、今年度の第3次補正予算案も、来年度予算案も与野党が真摯に向き合って合意形成をしないと、(このねじれ国会のもとでは)成立しない。連立を視野に入れるべきだ」というわけだ。

 終戦記念日を迎えるにあたって、NHKスペシャルで「日本人はなぜ戦争へ向かったのか、果てしなき戦線拡大の悲劇」が再放映された。
 想定を遥かに超える戦果をもたらした12月8日の<真珠湾攻撃>に始まり緒戦は順調に戦果を重ねていった<太平洋戦争>。
 しかし、あくまでも無理を承知で始めた戦争だった。
 アメリカとの早期講和を狙うのか、長期耐久戦でひたすら耐えるのか、首脳部の意志は割れて統一できない。
 結局、防衛と戦線の際限のない拡大の両方を、陸海軍がバラバラに追及するという矛盾した決定に至る。
 軍官僚たちは占領利権を争い、戦線拡大のエスカレートは止まらない。
 そして、重大事に危機感を共有できず、統率力を発揮できない国家指導者の下で犠牲者は膨らんでいく・・・。

 残念ながら、未曾有の国難ともいえる<大震災>に直面した菅政権のこの5か月は、まさに戦時下における東條政権と同じ状態だった。
 そして<菅降ろし>が達成されたにも関わらず、未だに、政権党民主党にも、自民党を初めとする野党にも<選挙>を重視して、自党の存在意義に固執しこの国難に対応できない勢力がいる。
 この際、政治家は太平洋戦争下の政権の失態に鑑み、本来の政治家の役割を肝に銘ずるべきだ。

なるほど!と思う日々(214)日本人(44)

2011-08-15 04:11:01 | なるほどと思う日々
 明日行われる京都・<大文字の送り火>に、陸前高田の<被災松>を使う予定が放射能問題で一転、二転し、京都市は結局使用を断念した。
 
 
 被災者の鎮魂のために良かれと思って掲げた崇高な企画が、モンスターペアレントみたいなポピュリズムに、被災者のみ霊は鎮まるどころか翻弄される結果となり、世界遺産<京都>は苦悩している。
 なんとも情けない。
 

 一方、成田山の新勝寺の犠牲者供養の<おたき上げ>で使用されることが昨日明らかになった。
 被災松の皮の部分から放射性セシウムが検出されたとして、京都では計画が断念されたが、松の皮を削れば心配ないとして予定通り9月に護摩の木と一緒にたくことになったのだ。

 この報を受けて、世界遺産<京都>はふたたび考え直すのだろうか。
 そして、どうコメントするのだろうか。
 
 

昭和のマロの憂鬱(16)新入社員時代(9)

2011-08-13 05:37:10 | 昭和のマロの考察
 若い男は部屋の奥の大きなデスクに対面した真新しいスチールデスクにぼくを導いた。
 書類など物がいっぱい積み上がって雑然とした他のデスクの中で、それは、さあどうぞいかようにもしてくださいというように、ピカピカと光っていた。

 ぼくが席に座るや否や、去って行った男と入れ替わりに、長い髪を後ろで束ね、目が大きくて切れ長な美しい女性が突然というように現れた。一瞬、場違いなのではと思ったが彼女の行動がまたぼくの心を動揺させた。
「はい、どうぞ」と彼女はぶっきらぼうに言って、事務用品の入ったボックスを投げ出すようにドスンと真新しいデスクに置くと、長い首を立てて、ハイヒールの音を高くして去って行った。
 首から腰、足首へと流れるようなラインの後ろ姿がぼくを挑発していた。
 ・・・社長に望まれて入社した誇りなんて何の役にも立たないわよ・・・と言っているように。

 ぼくは気持ちを静めて辺りを見回した。
 大きなデスクの背後、ガラスで仕切った大きな個室が見える。
 中腰になって忙しそうに手を動かしている偉そうに見える男がいる。
 ・・・まるで水族館のピラニアみたいだ・・・ 
 小柄で、目の大きい頬の痩けた男は、市岡専務だとすぐ分かった。
 このまま、放置されっぱなしという屈辱には耐えられないので、ぼくは敢えて自ら挨拶のため、個室の扉を開けた。

「あ、キミか・・・」
 今初めてぼくの存在に気づいたというように専務は言った。大きく深く響くような声だった。
「市岡です。今すごく忙しいんですよ。猫の手も借りたいくらいにね・・・。よろしくお願いします」
 ぼくの挨拶を遮るように、それでも、丁寧な言葉づかいで締めた。
 目つきの鋭いこの男はやはり市岡専務取締役営業部長だった。社長のつてで入社したぼくに、専務は薄い唇をゆがめて笑顔を作り、塩辛声で慇懃に応えた。

 しかし、出かける準備のために手は休みなくデスクの引き出しとアタッシュケースの間を往復し、もう目は笑っていなかった。
「おい、佐藤! 出かけるぞ。村山工場の荻野主任にパーツフィーダーの見積書を忘れるな」
 書類を収めたアタッシュケースを手にするとぼくを専務室に残したまま、さっき案内してくれた若い男にだみ声で声をかけた。

 ─続く─
 

なるほど!と思う日々(213)最近のテレビCM

2011-08-11 04:52:19 | なるほどと思う日々
 民放のテレビはCMがウザイ。
 肝心なところですぐCMが挿入され、これでもか、これでもかと畳みかけてくる。
 でも、最近なかなか目を引きつけるコマーシャルも多い。けっこう努力していることが分かって好感の持てるものもある。
 そういうのを探しているとCMもけっこう楽しい。

 最近目を引くのは大和ハウス工業のコマーシャルだ。
 役所広司の「大和ハウちゅ」なんてのもあったが、深津絵里とリリー・フランキーの「ここで、一緒に」ってのがいい。
 ドラマ仕立てになっている。
「またどうでもいいことでけんかした」
「どうでもいいと思ってるところがすでにダメ」
「アレ? おれが悪いの?」
「謝れば許してあげるけど」
「そう、簡単に頭を下げる男ではない」
「都合のいいときだけ男になるのね?」
「・・・」
「若い時からたいしたことなかったけど」
「・・・」
「年取ってもだいじにしてあげない」
「いいさ」
「けっとばしちゃうかも」
「いいさ、その代りオレより長生きしろよ」

「お帰り」
 ここで彼らのハウスが映る。そして・・・「ここで、一緒に」の字幕。

 なんか身につまされるな。

 大和ハウスには上野樹里の「ペットショップ編」なんてのもある。
 ペットショップを訪れた彼女はドーベルマンを7匹もほしがり店員さんを困らせる。
 
 彼女の頭に浮かんでいるのはリビング、キッチン、バスルームなどあらゆる場所をドーベルマンが守っているイメージ。
 さらに彼女は「ライオンって、います?」
 楽しいCMだが、何を売り込みたいのか分からなかった。

 もうひとつ、味の素の食欲全開「麻婆茄子」編。

 なんたって山口さんと花ちゃんの食べっぷりがいい。
 ほんとうにおいしそうで、買って食べたくなる。

 特に初めて見る杉咲 花ちゃんは13才だそうだが、注目!
 
 
 
 

なるほど!と思う日々(212)日本人(43)

2011-08-08 06:33:49 | 昭和のマロの考察
 国家間の紛争は、ちょっとした個人的行動や発言によってすぐ火がつく。
 「自民党員の鬱陵島訪問に対する韓国の入国拒否」 
 「フジテレビは韓流偏重じゃないか」という俳優高岡氏の発言によってそれぞれの国民感情に火がついた。

 韓流ドラマのみならず、KARAや少女時代や、イケメングループが大挙日本に押し寄せ、両国ともに平穏でご満悦なこのところのムードに水が差された。

 皮肉なことに今回の事件で対象になったフジテレビで一昨日、石原慎太郎氏と藤原正彦氏との<日本の進路>に関してのインタビューが放映された。
 その中で石原慎太郎氏は「国は国益に基づき行動し、それぞれを敵視しているのが現状である」という趣旨の発言をした。
 特に経済問題に関しては顕著であり、円高という理不尽な現状は、リーマンショック後アメリカを始め世界の大国は大量に紙幣印刷輪転機を回したのに日本だけがインフレを怖れて回さなかった。
 もう、バカに近い甘い姿勢が原因であるという指摘をした。
 
 いずれにせよ、日本は戦後アメリカの妾に成り下がり、我欲のみがはびこり、国民としての責任感も自信も喪失していると厳しい。

 <今後の日本の進路>を問われた石原氏は、高い技術を持つ日本は原爆を超える兵器を開発し保有することで<腕力>を持って各国に対峙するしかないと述べた。
 そして、なでしこジャパンの澤選手の「苦しいときは私の背中を見なさい」と言った澤選手の言葉を日本を率いるリーダーに贈った。
 

 藤原氏は宮間選手が見事な足さばきで同点にした後も浮かれることなく、厳しく次の点を取りに行った姿勢が日本女性の諦めない精神を示してい素晴らしかった。
 
 そして、歴史と伝統に学べば、日本人の美的感受性と美しい自然を守る力のあることが感受でき、自信を持てれば現状の苦難も一気に克服する力があると語った。