昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(112)みたか朝活

2015-03-31 05:13:48 | 三鷹通信
 一昨日の土曜日朝9時からの<みたか朝活>に参加した。
 好齢ビジネスパートナーズの世話人、堀池喜一郎氏から誘われて3回目だ。
 ・・・堀池さんてボクと同じ70歳後半のはずだけど、若い人を惹きつける力があるんだ。
 この会に参加しての第一印象である。

 15年以上前ボクは退職して、粗大ゴミ化しようとしていたのを家内から放り出されて、大学の同窓会活動にかかわり、麻雀、ゴルフ、囲碁などを楽しみ幹事などもやった。
 
 仲間は同年代で、若くても60代だった。
 それが縁あって堀池氏が立ち上げたシニアSOHO普及サロン・三鷹に入会し、「今どきの年寄りはご隠居してんじゃない! ただならぬシニアをめざせ!」とはっぱをかけられた。
 
 その頃のことをボクは読売新聞に投稿している。

 それ以来、ボクは何をやるべきかの自分探しが始まった。
 7年ほど前「昭和に生きた経験談、最近の世相への感想」を「昭和のマロ」というブログを立ち上げ、ほぼ毎日、エッセイや小説で書き連ねてきた。
 その中で、最近の人類文明はおかしいんじゃないかと「人類は文明の進化路線に逆らえるか」というエッセイを連載した。
 その思いを「レロレロ姫の警告」という小説にして、80歳を前に今年念願の著書を出版した。
 

 さらに、小学校の放課後のクラブ「囲碁教室」や「書き方教室」などにもボランティアとして参加した。
 
 
 他にも地元の人たちへとの交流を求めて、マスコミ関係、農業に携わる人、デザイナー、お役人などいろいろな人と関わり合うようになった。
 それでも<朝活>のような、若さあふれる会合に参加するとどぎまぎしてしまう。
 そしてこの日の参加者はこれまでになく、多士済々、刺激的な話題にあふれていた。
  
(1)これからを考える好齢者
(2)3がい主義(生きがい、やりがい、ナイスがい)
(3)Oターン
 堀池氏のモットーは進化していた。

 12年前、「シニアSOHO普及サロン・三鷹」に「地域情報化大賞」を授与する立場だった元日本経済新聞社編集長のT氏は
 
 退職後の今は堀池氏は師匠だと言ってはばからない。
 そして、暮らすと働くが愛着のある場所でつながるために共感力ある文章を書き、情報を伝えることを通して社会ふくり、人づくり、仕事の機会を創出する「Loco共感編集部」なる組織を立ち上げた。
 今のところ彼以外はすべて女性だという。
 羨ましいというべきか。

 女性に囲まれている職場という意味では、この会をしきるY氏も近く<キャリア・マム>という10万人の主婦ネットワークを活用する職場で働くかもしれないという。
  まさに女性が輝く時代がやってきた。
 今日初参加の三鷹市民協働センターのスタッフTさんは「オープンデータを使ったアプリの開発をやりたい。
 例えばごみ分別とか、バスナビ観光情報とか」と意気軒昂である。
 また、所沢市役所から初参加のYさんは、地産地消の食に関心があるとのこと。

 食と言えば、調布の運送業を営むK氏は、調布飛行場を活用して近海の離島から鮮魚を都会の人たちに提供する「調布アイランドプロジェクト」に取り組んでいる。
 
 また、前述のY氏は出身地の茨城県笠間市の特産の栗や稲荷ずし、笠間焼などを三鷹市に紹介するいわゆるOターン活動を既に三鷹市中央通商店街で実践しいる。
 
 仲間のA氏はアンテナショップを作るべく助成金を申請中とのこと。
 また同じ仲間でこの朝活の事務局でもあるK氏は、今まで商店には興味がなかったが今では三鷹の商店街に顔がつながり、依頼があれば仲介役も果たしますと積極的だ。
 
 そして今回特筆すべきは、ホームスクーリングで著名な、K氏とH氏の参加だった。
 K氏は2回目の参加だが、6人のお子さんを義務教育をご自身の手で行い、立派な成人に育て上げた。
 H氏は初参加だが、ご自分のお子さんばかりでなく、子育てに一家言があり、知的探究心を触発する塾、<探究学舎>を経営されている。
 
 そして、子どもたちに「何者になりたいのか?」と問いかけている。
 中学生の生徒さんをひとり同道されたが、今本人が興味を持っているのは自転車だそうだ。
 いずれは自転車にかかわる仕事をしたいと既に目標が明白だ。
「会社勤めをするならシマノだな・・・」と誰かからアドバイスがあった。
 
「自転車部品では世界的シェア90%を占める。チャックのYKKと同じで絶対に間違いのない会社だ。大企業以上に・・・」ということだ。

 他にもいろいろな話題が飛び交った。
「地方選挙に立候補する知人から、誰か政治に関心のある若者を紹介してくれと言われたが、となると、大学生か高校生になるがあいにくその層には付き合いがない。それに日本では政治や宗教の話はタブーとなっている。今、18才に選挙権を与えることになっているが、政治に関心を持たせるという点で、受け入れ態勢はどうなっているんでしょう?」と問いかけをしたら、「教育基本法にも政治的教養を身につけよとあるように、政治をタブー視するのはおかしい。現実には高校生100人と議員が食事しながら語り合うという会合もあったようですよ」
 

 他にも「人間図書館で、この街の著名人をリストアップして、私を借りてみませんか?」
 
 など、他にもいろいろあったが書ききれない。
 また来月の<朝活>が楽しみです。
 
   

三鷹通信(111)第12回読書ミーティング

2015-03-29 05:14:41 | 三鷹通信
 昨日は忙しくも充実した1日でした。
 朝9時から12時まで<みたか朝活>   
 午後2時から5時まで<読書ミーティング>

 <みたか朝活>の報告は明日に回して、先ずは<第12回読書ミーティング>の報告をします。

 *現役編集者の講師から<今年のベストセラー>について。
  イスラム国がらみの本がたくさん出ました。
  (テロリスト国家の来歴と今のイスラム情勢)
  
 
 

 この問題に絡んでイスラム教って何だ、本当は偉大なイスラムの知恵なんだ、という入門書が出ましたが、既刊本が多い。
 
 
 

 そして昨年12月からこれまで売れているのがトマ・ピケティの「21世紀の資本」
 
 世界的なベストセラーで、こんな5,500円もする分厚い本が日本でも現在13万部にもなろうかという勢いで売れています。
 国家全体で投資・不動産・相続による収支が、経済成長を上回っています。
 生産の伸びより金持ちの伸びが大きいなんて、おかしいんじゃない?
 現在の世界経済の異常を指摘したものです。
 (資本収益率(r)>経済成長率(r))
 
 「金持ちはますます金持ちになり、格差が拡大するじゃないか、金持ちに税金をかけて中間層以下に還元する仕組みを!」というアピールが受けているのでしょう。
 解説本も出ています。
 

 圧倒的に売れているのは「フランス人は10着しか服を持たない パリで学んだ”暮らしの質”を高める秘訣」(ジェニファー・スコット)で、5か月で35万部売れています。
 
 カリフォルニアガールがパリに半年住んだ体験記で、アメリカでもベストセラーだそうです。
 マテリアリズム(物質欲望主義)からミニマル(ささやかな日々を愛するように)へということでしょうか。
 杉浦日向子描く粋な江戸の女を思い出しました。
 
 ・・・あこがれのパリに住むフランス人が10着の服で上質な暮らしをする・・・
 読書ミーティングに参加された女性たちも興味津々のようでした。
 
 *参加者からの<推薦本>

 (1)「太公望」宮城谷昌光
  
 紀元前11世紀、中国の中原(現在の北京辺り)に位置し、古代王朝として栄華を誇った<商>。
 その巨大王朝によって父と一族を殺戮された一遊牧民の子が復讐を誓い、<商>を滅ぼすに至る壮大な叙事詩です。
 絶望から奮起、苛烈な試練を経て、相手を見る目、咄嗟の判断力を磨き、チャンスを捉え、遂には単なる復讐から国家展望の志へと変わっていくのです。
 (占い、剣術、酷い刑罰、生贄、物々交換などの古代生活から貨幣経済に移行していく歴史過程も興味深い。商人と呼ばれる所以だそうです。)
  
「主人公の魅力、生きていく目的を貫き通すすばらしさ、物語の世界ならではの主人公の生き様の醍醐味をぜひ味わってほしい」
 推薦者の言葉に、ぜひ読んでみたいと思いました。

 宮城谷昌光は、歴史小説作家で古代中国の偉人にスポットを当てた作品を得意としています。
 自費出版した「王家の風日」が500部にもかかわらず司馬遼太郎の目に留まったのがデビューのきっかけだったそうです。

(2)海の翼(秋月達郎)
 
 昭和60年イラン・イラク戦争のさ中、フセイン大統領は48時間以降はイラン領海内の航空機無差別攻撃を宣言しました。
 イランに取り残された200人以上の日本人の救出に、日本政府も救出機を出せない中、即決で動いてくれたのがトルコ共和国でした。
 その背景には日本に対するトルコの<恩返し>の情が込められていたのです。
 明治23年に串本で遭難したトルコの「エルトゥールル号」の大勢の水兵を小さな島の住人が総出で献身的に救い出し、トルコへ送り返したという事件があったのです。
 トルコはこの事件を教科書にも書きとどめ、多くのトルコ人がこのことを知っています。
 宿敵ロシアを日本海海戦で破ったこともトルコの日本びいきに一役かっているようです。

(3)「世界通貨戦争後の支配者たち」原田武夫
 
 これはボクの推薦です。
 ボクはかねがね世界が金融メルトダウンに陥っている現状に懸念を抱いていました。
 従来、アダムスミスの「国富論」やマルクスの「資本論」、ケインズの「有効需要の原理」などの経済理論が存在しましたが、現在明快な経済指導理論が存在しません。
 先に触れられたピケティの「21世紀の資本」が売れるわけです。
 なぜ、一部のお金持ちに世界の金融が取り込まれてしまったのか?
 そしてそれをがギャンブルのようないかがわしい手法で世界の金融を翻弄する状況がまかり通っています。
 
 それと科学の進歩が<悪魔のエネルギー>と言われる「核エネルギー」の開発により、ついに人類世界を滅亡に陥れかねない<核兵器>を生み出してしまったのです。
 そして国連常任理事国である米・英・仏・ロ・中の戦勝国大国がその兵器を保有し、世界を牛耳っているのが現状です。
 その脅威をバランスすることで世界の平和が保たれているという理屈ですが、今やその<悪魔の兵器>がならず者の手に渡る危険性もあるのです。
 ボクはそういう意味で現在の人類文明は危機にあると見ています。
 そして「自分さえよければ、今さえよければ、先のことはどうでもいい」という、人間の<性(さが)>に警告を発するつもりで「レロレロ姫の警告」という小説を出版しました。
 
 自然界の中で生きているくせに、自然の理を無視した考え方、行動をする人類は傲慢でどこかおかしいということを警告しています。
 
 そんな時に目に触れたのがこの本です。
 上で述べたボクの疑問に応えている! と思ったのです。
 現在の金融が少数の人たちの手に握られている。それを歴史的に辿って行けば、戦争を肥やしに身を太らせたロスチャイルド一族の金を巡る動きに行きつきます。
 これに関しては陰謀説などいろいろありますが、ボクはロスチャイルド一族がたまたま強欲な人類の性に通じていてそれを巧みに操り自らを太らせて行った結果だとみています。
 今やアメリカの財政もロスチャイルドやロックフェラー一族など、一部のひとたちの金に繰られてロビー活動などで政治さえもコントロールされています。
 
 日本との関わりも明治初期から徳川家とのつながりを通じて金融で徐々に浸透し、日露戦争から第二次世界大戦へと金を出し入れしていたようです。
 しかし、第二次世界大戦であれだけしこたま落とし込まれた日本は不死鳥のように蘇ってきました。彼らからすると日本はちょっと西欧的諸国と考え方、行動傾向が異なるのではないかと作者は指摘しています。
 つまり、自然に恵まれた日本は<森の民>であり、彼らは<砂漠の民>の発想をベースにしています。
 彼らは常に前進し続け、自然をコントロールし続けなければ生きていけないという強迫観念で行動しているように見えます。
 しかし、日本は本質的にそんな決断をする必要がないと見ています。
 
「自分さえよければいい、今さえよければいい、先のことはどうなってもいい」
 この<砂漠の民>的な考え方をベースに発展し続けた文明は今や岐路に立たされています。
 作者は結論づけています。
「人類史はいよいよ地球(ガイヤ)との調和を旨とする長期安定の時代へと突入し始めた。そこで旨とされるのは<足る>を知るということであり、自然(じねん)という均衡状態への絶えざる調整だ。その意味での<出と入り>を絶えず意識し、個人のライフスタイルへと落とし込める人間だけが幸福感を感じ、充実感を感じることの出来る時代が到来した」
「日本を支える将来世代たちが誇りを持ったこの国・日本の中で豊かさと幸せを享受していく。そうなった時──日本は他の誰の手をも借りることなく、今度は自らの手で黄金の国(ジパング)へと昇華し始める。その姿を見た世界は日本に追従し、やがて世界はジャパナイゼーション(日本化)の時代を迎える」と。

(4)「男しか行けない場所に女が行ってきました」
    田房永子
  
 今回出色の推薦本。
 男しか行けない場所、各種風俗店、ガールズバー、ピンク映画館、風俗で働く女性たちへのインタビュー、エロ本撮影現場の取材、・・・。
「男性向けエロ本の中には、<女>についての情報しか書いてないけれど、私にとっては<女>から一番遠い世界だった」

「風俗は、アホ男を増長・増殖させている」
 おっパブは男仲間とのコミュニケーションツールになっている。恥と自覚せず同志愛となるこの感覚。
「男のケアに関しては研究し尽くされ、要望に、応えようとする営業熱心さは多い」
 しかし、女に対してのものは男の思い込みおよび、そう思い込みたいであろう意志に即したウソ情報ばかり。
「借金を返したら風俗は辞める」と涙ぐむ女の子、そんな重苦しい雰囲気は活字にならない。「かわいくてエロい」という「男の幻想」だけだから。
 女は性欲の対象で、人格は必要なかった。
「これだから、男女平等なんて口だけなんだ」
「男は、どんな風に女が怖がっているのか分からないんだ」
 男が女を人として尊重できる社会にするには、学校で教えたり、男が家事や育児をし易いように社会を変えることをみんなで考えないと実現できない。   

 ・・・う~ん、風俗に行く際に、女のことを考えていないかも。
 いなかったかも、に訂正。

 *ロングセラー(講師から)「破戒」島崎藤村
  
 明治後期、出身の教員丑松は父親から堅く戒められていたにも関わらず、同じ宿命を持つ解放運動家、蓮太郎の壮絶な死に動かされ、ついに戒めを破ってしまう。
 その結果偽善に満ちた社会は丑松を追放し、彼はテキサスに旅立つ。
 激しい正義感をもって社会問題に対処し、目覚めた者の内面的相剋を描いて近代日本文学の頂点をなす傑作です。

 人類の弱さと社会の残酷さが時代を越えて賛否両論を呼び起こす。
 ロシア、ドイツ、アメリカで翻訳。ロングセラーに。
 世界で通じるテーマです。


なるほど!と思う日々(333)なぜ日本人は居酒屋が好きなのか?

2015-03-25 05:57:46 | なるほどと思う日々
 「なぜ日本人は居酒屋が好きなのか?」
 
 日ごろできないうっぷんを晴らせるんだ。
 
 職場の同僚や上司といっしょに、愚痴を言ったり、文句だって言っちゃうもんな。
 
 
 上司に文句? アメリカじゃ考えられない。たちまちクビだよ!
 
 社会には3つの空間があるんだ。 「家庭」と「職場」それに「居酒屋」なんだ。
 日本人は職場の人間といっしょに行くケースが多い。
 
 しかし外国人の場合は友だちかひとりかだね。

 「居酒屋」はシンポジウムの場なんだ。
 
 Syn(一緒に)posis(飲む)のギリシア語symposionから来ているんだ。
 
 なごやかな雰囲気のなかで学問上の討論をするという意味だ。

 日本では「居酒屋」から画期的なアイデアだって生まれるんだ。
 電気がまの開発で、いかにしたらおいしいご飯が炊けるかということに頭を悩ましていた研究者が、サワーの泡からヒントを得てダイヤモンドの粉末を貼ることを思いついたんだ。
 
  
 
 (昨日のTBSテレビ「所さんのニッポンの出番」から)
 
 

なるほど!と思う日々(332)今こそ日本の役割が問われる!

2015-03-22 06:09:52 | なるほどと思う日々
 
 昨日の朝日新聞一面トップ記事。
 
 ひと言で言えば、ついに日本も「普通の国」になったということ。
 戦後70年、日本は平和憲法を有するある意味「特異な国」であった。
 つまり、同盟国アメリカの要請と言えども、この憲法のため日本国民の血を流すことを拒み続けられた。
 アメリカがこの憲法制定に関わり、それを守る余裕がアメリカにあったからだ。

 しかし、今やアメリカもそんな余裕はなくなった。

 日本も同盟国として普通の国並みの役割を果たすよう迫られたのだろう。
 基本的には核兵器を保有する米、英、仏、露、中の戦勝国クラブ、国連のコントロールする戦後レジームの中、米に追従していく役割しか日本には期待されていないのだ。

 翻って現在の世界を俯瞰してみると、人類文明は先の見えない泥沼に足をつっ込んでいるように見える。
 その根底に、人類文明が生み出した悪魔のエネルギーの存在を意識しないわけにはいかない。
 わがレロレロ姫は雑誌記者とのインタビューで警告している。
 
 「・・・つまり、厄介な原発の燃えカスを地中深く埋設するなんて言っていますが、そんなものをどんどん溜めこんだ結果がどうなるかについて今の科学は答えていないんです・・・」
 
「はあ・・・」男はよくわからないという風に頭を振った。
「つまり未解決の問題を先送りしていることが問題なんです!」わたしは声を強めた。
「そうして。知らず知らずのうちに、人類のよこしまな考えで生み出した結果によって自然が汚染されていくことが問題なんです!」
「問題先送りですか。科学も政治や経済と同じなんですね」

 インタビュアーは感心したようにうなずいた。
「人間のやっていることはすべて、自分だけがいい、今がよければいい。先はそうなっても、という考え方が問題ですね・・・」
 
 
 悪魔のエネルギーは核兵器になり、今や国際政治の脅しの最終武器として君臨している。
 人類が存亡の瀬戸際まで行ったキューバ危機の時を思い起こしてほしい。
「キューバ危機を乗り越えられたのはただのまぐれだった」
 当時ケネディ大統領の国務長官だったロバート・マクナマラは回顧している。
 
 空母ランドルフに先導された海軍部隊が、キューバに向かう船舶を護衛するソ連潜水艦B・59の近くで機雷の投下を開始したのである。アメリカの駆逐艦に乗船していた兵士は、ソ連の潜水艦が核兵器を搭載していることに気づいていなかった。・・・
 潜水艦内はパニック状態に陥った。バレンチン・サビツキー艦長が司令部へ連絡を試みたものの、失敗に終わった。そしてサビツキーは、核魚雷の発射準備を部下に命じたのである。「ここでもたついているあいだに、戦争ははじまってしまったようだ。ただちに核魚雷の発射準備に入る。われわれはここで死ぬことになるが、それと引き替えに敵艦もすべて沈める。わが海軍の面目を保つのだ」幸運なことに、ワシーリー・アルヒボフという将校がサビツキーをなだめ、魚雷の発射を中止させることに成功した。アルヒボフという一人の将校が、核戦争を回避したのである。 
(オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史)より。

 最近でもクリミア攻略に際し、ロシアプーチン大統領の核兵器を準備していたという発言が注目されている。
 
 ましてやならず者グループに核兵器が握られたら人類の運命はどうなるのか。
 こうした状況下でこそ日本が果たせる役割がある。
 悪魔のエネルギーのくびきから人類を解き放つきっかけを作れるのは、世界で唯一被爆国である日本ではないだろうか。
 科学的にも、政治的にも日本がこの役割を果たす先導に立つことを、戦後70年の首相談話に盛り込んでもらいたい。
 
 「レロレロ姫の警告」のお買い求めは、
 吉祥寺サンロードの「ブックス・ルーエ」
 
 
 
 あるいは、三鷹駅南口パルコ3Fの「啓文堂書店」でお買い求めを。
 
 
 (お勘定カウンターに置いてあります)
 また、「アマゾン」などのインターネット書店でも。
 在庫が少なくなっていますがよろしくお願いいたします。


なるほど!と思う日々(331)異常気象

2015-03-21 05:21:21 | なるほどと思う日々
昨日気象庁は「異常気象レポート2014」を公表した。
 
 それによれば、世界のみならず特に日本で長期的に気温の上昇傾向が見られる。
 
 将来の見通しについても述べている。
 

 わがレロレロ姫はこの点について、ホームルーム「東日本大震災について」で先生との会話の中で言及している。
 昭和のマロ「レロレロ姫の警告」(文芸社セレクション)から
 

「人類は自然災害を自然界からの警告と捉えるべきなんです!」  

自然界からの警告?」
「警告だと捉えようとしないから、自然災害の規模を次々と大きくせざるを得ないのです」
 わたしはむきになって言った。
「だんだん大きくする?」
 先生はそう言うと、ちょっと口調を変えた。
「石田の言うことを聞いていると、何か自然が意志を持って人間に災害をもたらしているみたいな言い方だけど?」先生が納得できないというような顔でわたしの顔を見た。
「そうです。自然にも意志があるんです」わたしは先生を睨んだ。
 このことこそ、わたしが人類に伝えなければならないポイントだ。
「じゃあ、自然に意志があるのだとしたら、なぜ世界でももっとも自然を愛している日本に、自然は台風とか、大地震、大津波のような仕打ちをするのですか?」
 後藤先生はついにわたしを自然界の代表と見立てたかのような発言をした。
「日本は周りを海で囲まれ、森林に恵まれ水は豊か、温暖な地帯という世界でも有数の自然に恵まれている国です・
・」
 わたしはみんなを見回してこれから繰り広げる講演の前説のような言い方をした。
「おっしゃる通りです・・・」
 先生はもはやわたしが大人であるかのように丁重な言葉づかいでうなずいた。
「良いことがあれば、悪いこともあるというのが自然の理というものです。砂漠の国のように石油は採れるかもしれないが自然環境の過酷な所もあるように・・・」
「・・・」
 先生もみんなもシーンとして聞き入っている。

「そんな自然を愛している日本は、自然の恵みを素直に受け止めて自然と共生する考え方に立つべきなんです」
「当然です!」先生は同意するように首を振った。
「このところそうでない考え方に与していることが問題なのです!」
 わたしは改めて表情を引き締めて言った。
「そうでない考え方に与している?」先生の眉間にまた皺が寄った。
「人類は自然を完璧にコントロールする力があるという傲慢な考え方です。つまり、自然を思いのままにしたいという思い上がった考え方です! その結果が地球温暖化など、地球に悪影響を及ぼしているという現実があるじゃないですか・・・」
 わたしはどうだというようにみんなを見回した。
   
 

なるほど!と思う日々(330)ローマ法王よお前もか!それとも?

2015-03-14 06:34:11 | なるほどと思う日々
 昨日、3月13日(金)ローマ法王庁は中国、習近平主席宛てに関係改善を求める書簡を送ったことを明らかにした。
 世界に12億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会の総本山、バチカンのトップとしてアルゼンチン人初のヨハネス法王が就任してちょうど2年目に当たる。
 弱者に寄り添い、途上国を重んじる姿勢を鮮明にし求心力を高めている。
 

 昨年は米国とキューバとの関係改善の橋渡しをしたことで注目を浴びた。
 
 今回は、1958年以来断絶している中国との関係改善を図る動きに出た。
 現在中国では共産政権と一体化した「愛国教会」の下にあるカトリック信者たちと、ローマ法王に忠誠を誓う地下組織下にある信者たちと二分されている。
 大量信者の宝庫に手をつけたのだ。

 その前提として、事前に申し出のあったチベット仏教のダライ・ラマからの会見申し込をヨハネス法王は断っている。
 

「バチカンの外交は、キリスト教的人道主義に基づくものではなく、他国と同じように国益を最優先する点で変わらないのか」 
 欧米のメディアは批判している。
 残念ながらこれが現実なのだ!
 ・・・ただ、これで中国の共産党独裁体制の壁を庶民レベルで突き崩す突破口になれば、なかなかの戦略とも見れるが。・・・

 北陸新幹線開通! 金沢よ輝け!
 

 今日、3月15日の朝日新聞「GLOBE」で「バチカン」を特集している。
 ・・・教会は再び世界を動かすか・・・
 
 *バチカン銀行はマネーロンダリングでマフィアとつながっているのでは?
 *巨大化した組織<バチカン官僚>と<現場派>の亀裂が深まっている。
 *聖職者による児童への性的虐待。
 
 巨大な官僚組織化したことによる歪が山積みしていたバチカンのトップに選ばれたフランシスコ法王は<貧者の教会>を旗印に登場した。
 はたして、自らを浄化し、庶民の<灯>たりうるか?
 
 キューバとアメリカの関係修復に力を添えて自信を深めたヨハネス法王は、今度は巨大な官僚国家組織<中国>に切り込んだ。
 果たしてその外交的エネルギーの結末は?
 (おそらく中国はバチカンの提案を受けないと思うが・・・)
 
 

エッセイ(254)東日本大震災

2015-03-11 06:05:07 | エッセイ
 小説<レロレロ姫の警告>の冒頭から。
 

 わたしが生まれてちょうど十年目の3月11日の午後2時半を過ぎたころ、パパの運転する車でママも一緒に五日市街道を走っていた。いつものように後部座席にベルトで縛りつけられて・・・。
 今でこそ慣れて素直に縛られているけれど、最初のうちはこうされることが理解できなかった。赤ちゃんの時は揺れに対応できないからチャイルドシートなるものにはめ込まれて身動きできないのもやむを得ないと思うけれど、10歳にもなってスイカじゃあるまいし、いくら動きの鈍いわたしだって少々の動きに座席から転がり落ちないように対応できるわよ・・・。

 ・・・いつもの通りにパパとママに身をゆだねてのんびりしていたが、とつぜん脳の中枢に強烈な刺激を感じた。
 ・・・ひょっとして・・・。
 わたしはあわててパパのシートに蹴りを入れた。
「パパ、愛がおかしいわよ! 車を止めて!」ママがわたしを見て叫んだ。
「何だよ。何だよ・・・」
 パパは車を路肩に止めて、外へ出てわたしのドアを開けた。
  
 まだわたしは蹴りを入れ続けた。
「おしっこかしら? そんなお知らせしたことがないのに・・・」ママも外へ出た。
 パパがわたしのシートベルトを外し、抱えて外に出た途端に地面が揺れた。
「地震だ!」パパはあわてて揺れる車からわたしを遠ざけた。
 わたしはパパの手をすり抜けると、ひょこひょこといつものペンギン歩きだったけれど、わたしなりに一生懸命竹藪に向かった。
「ここって愛が生まれた病院じゃない! 愛!」どこへ行くの!」ママが絶叫した。

 ・・・(そしてレロレロしかしゃべれなかった超難病の石田愛は、天上界から電磁波の指令を受けて竹藪の中で大変身した)・・・

 
 <この震災で感じたこと>というテーマで話し合った時のことだ。
「石田はどう感じたのかな?」みんなからいろいろな発言があって一段落と見た先生は、黙っていて積極的に発言しようとしなかったわたしを指名した。
 ・・・来た! 予想通りだ・・・。
 わたしはすくっと立ち上がった。
「いつもそうですが、自然災害は自然界から人類への警告なんです」
 満を持していたわたしは、ちょっと躊躇したが、今こそ使命の一端を披露する時なのだ! と意識して大人みたいな口調で、はっきりと決めつけるような言い方をした。
 みんなの目が一斉にわたしに集まった。
「自然界からの警告?」先生が息を呑んだことが分かった。
 
 
 

 

三鷹通信(110)じんわりと浸透

2015-03-02 07:02:40 | 三鷹通信
 昭和のマロ「レロレロ姫の警告」
 
 おかげさまで初版第1刷は完売、第2刷も売れ行き好調。
 全国区にはほど遠いですが、地元ではじんわりと浸透中です。

 昨日もジョイフル・コーチング・クラブのミニミニ懇談会に参加、作品を紹介させていただきました。
 
 その後、みたか認知症家族の会代表のご紹介で
 
 みたかみんなの広場の代表にお会いして、作品に対するスピーチを依頼されました。
 
 またその場で<江戸小噺笑い広げ鯛>主宰の方にもお会いでき、わが作品を広めてみましょうとのこと。ありがたいことです。
 

 また、吉祥寺サンロードの<ブックス・ルーエ>
 
 そして三鷹駅南口コラル3Fの啓文堂書店三鷹店でも作品を置いていただけることになりました。
 

「レロレロ姫って?」
 ミニミニ懇談会のGさんから質問されました。
 ・・・どんな意味なのか分からないですよね・・・
 「帰ってきたかぐや姫の警告」にでもすれば分かりやすくてよかったかな? 反省・・・

 ・・・実はわが孫が超難病で生まれまして、パパとママ、他はレロレロしかしゃべれないんです。共働きの娘夫婦、そしてわが家内も巻き込んでお世話がたいへんなんです。
 ボクの役割を考えましたね。
 ブログで「人類は文明の進化路線に逆らえるか?」なんて書いているように、ボクは最近の人類文明が先の見えない迷路に入り込んでいる危惧を感じているんです。
 そんな思いをカワイイ孫娘を自然界からの使者としてスーパー少女に仕立てて、わが思いを世の若者に伝えようと思って、この作品になりました。

 昨年アメリカの下副大統領のアル・ゴアが「未来を語る」を日本で発刊して大評判になりました。
 
「いま行動しなければこの地球は救えない」と警告しています。
 姫は彼のようにデータを駆使してはいませんが、人間社会の生活を見聞きする中で感じた人類の矛盾を突き、こどもにも分かりやすい言葉で訴えたのです。

 しかし、人間社会の現実は姫にとっては厳しいものでした。
 結局狡猾な人類に操られて当時完成間近かな東京スカイツリーから自然界に戻って行かなくてはなりませんでした。 
 みなさんも是非ご一読ください。(昭和のマロ)

 
 


 

エッセイ(253)浅草で英語落語

2015-03-01 06:07:28 | エッセイ
 友人が浅草で英語落語をお披露目するというので、久しぶりに浅草に出かけた。 
 
 中国語がばんばん飛び交い、聞きしに勝る賑わいだ。
 
 人混みに身を委ねて歩く。
 
 おっ! 人力車同士が鉢合わせ。人力車を引く若者はいずれもイケメンだね!
 
 天丼の大黒屋の前は行列だ!

 
 お目当ての浅草公会堂に到着。
 
 表に回ると、有名人の手形がいっぱい!
 
 
 会場である和室のある四階に上がると、よっ! ご本人だ! かっこいいね!
 
 三人目にご本人、鹿鳴家沙夢登場!
 これが二回目だが、前回よりはるかに上達している!
 撮影厳禁なので残念ながら50人あまり満席の客席は写せないが、ご本人だけは盗み撮りした。
 中に、長い脚をもてあましている妙齢の黒人の女性がいた!
 彼女の反応を見ていると演者の良し悪しが分かる。
 先に演じたふたりより彼への反応が一番よかった!

 
 彼の演じたのは志ん生が得意とした<火焔太鼓>
 
 演じるのもたいへんだが、英語に翻訳するのが難しい。
 これは彼の属する「キャナリー英語落語教室」を主宰する鹿鳴家英楽氏の台本に基づいているそうだ。
 
 火焔太鼓で大金をせしめた与太郎が調子に乗って「今度は半鐘を売りつける!」と言ったら家内が「それはダメよ。ジャンと鳴るからおじゃんになる」というオチをどう英語にするのだろう?
 なんと、fire bell だからfireされる(首になる)だと! うまいもんだね!
 
 最後は主宰者鹿鳴家英楽が演じたが、すごいね! 英語はネイティヴ並みで、かえって我々には早すぎて分からない! 黒人レディは大笑いしてたけど・・・。
「ちんぷんかんぷんだ」 病院に来たついでに寄ったというA君がぼやいて、早々に帰って行った。
 もっと外人を呼び込んだらというのがボクの感想だ。