昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(78)親と子の初心者囲碁教室

2013-12-02 05:32:32 | 三鷹通信
 毎年恒例の親子囲碁教室が開かれた。
 開始10分前に三鷹市立第一小学校に到着。
 参加される親子が次々と入って行くのが見える。
 タクシーが停まり背広姿の男性が降りて、手に持った書類と門扉を比べるように眺めている。
 ・・・先生だ・・・
 挨拶すると、やはり今日の講師、泉谷英雄八段だった。
 
 明るい爽やかな笑顔。

 既に受付にスマイルクラブ代表のYさんが待ち構えていた。
 その案内で4階の多目的教室に向かう。
 第一小学校では<スマイルクラブ>という制度があり、放課後のひと時を生徒に活用してもらおうと、囲碁の他にもサッカー、生け花、空手、ストリートダンスなどたくさんのクラブがある。
 
 三鷹市立第四小学校のK校長先生が地域のシニアの協力を得てこの活動を始め、当時の鳩山首相も参観に訪れ全国的に評判になった。

 今や、第四小学校から第一小学校に赴任されたO校長の御指導の下、スマイルクラブY代表のような父兄や我々のような地域のシニアボランティアのサポートによりますます盛んになっているが、このような活動は三鷹市のほかの小学校にも広がっている。

 今日もたくさんの親子連れが集まった。
 
 三十人ほどいるだろうか。
 囲碁クラブの主宰者Aさん、そしてO校長のご挨拶の後、
 泉谷講師の軽快なお話でなごやかに始まった。
 
「囲碁は陣地を奪い合う戦いのゲームですが、<囲碁道>とも言うように、<柔道>、<茶道>、<書道>などと同じように道を究める<礼儀>を貴ぶゲームでもあります。<お願いいたします>で始め、<ありがとうございます>で終えましょう・・・」
 基本的なルールのお話から、例を挙げ、子どもたちの反応を確かめながら話を進める。
「おっ! スゴイね! 劫なんかも知っているんだ!」

 そして、九路盤を使って実戦をやってみる。
 お父さんと子ども、お母さんと子ども、子ども同士。
「スゴイね! カケツギもちゃんと知っているんだ」
 泉谷先生は実戦の合間を回って指導する。
 
 

 そして再び講義を挟む。
「ここはどう打ったらいいかな? はい、キミ!」
 
 子どもが正解を示すと、
「スゴイ、その通り!」とみんなで拍手喝采。
 お母さんもわが子が誇らしくうれしそう。
 さらに先生は、
「勝とう勝とうは敗けのもと」
「のぞきに継がぬバカはなし」
「一間とびに悪手なし」
 などの格言を使って分かりやすく説明する。
 
 そしてさらに実戦。
 
 2時間の講習は休みなく、しかしあっという間に終わった。
 みんな机を正し、囲碁道具を返却し、日本棋院のボールペンを先生からいただいて心豊かな表情で帰って行った。