昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(53)巨大絵本の青空シアター

2012-05-27 04:40:56 | 三鷹通信
 みんなのブックカフェのTさんからご案内をいただいたので、今までこの種の催し物には行ったことがなかったが、初めて見物に行った。
 
 前日の雨風から一転、好天に恵まれ、文字通り薫風かおる三鷹の東八通りから天文台通りを30分ほど歩いて会場の大沢コミュニティセンターへ。
 
  

 すでに会場は家族連れなどでいっぱい。
 広場では、ホットドッグや焼きそば、こんにゃく田楽などの屋台も並び、ふろしき市で手作り雑貨などが売られている。

 お目当ての「世界で一番大きな布絵本」のパネルシアターが始まったところだった。
 タテ・2,7メートル、横4メートルの巨大絵本のページがめくられると、8メートルにもなる。
 Tさんがページめくりの大道具係り、ナレーター、操り師(鳥のフィギュアを持って絵本の前を動き回る)、舞台監督と八面六臂の大活躍。
 
 
 
 たくさんのお子さんやおとなたちが食い入るように観ていました。

 左欄のブックマーク・ミタカッチTVの実況をご覧下さい。 

 他にも、三鷹科学遊びの会の「きらきらレインボー」づくり、バルンアート、輪投げゲーム、ミニ新幹線等の遊び。
 大沢台小学校の器楽演奏、七中吹奏楽部や武蔵野シンフォニックオーケストラ、フラダンスやコーラス、エアロビクス、気功・太極拳、手話コーラス、三鷹囃子などの実演。
 絵画・書道、写真展など、今日も盛りだくさん。

 お誘いの上ご来場ください。
 

なるほど!と思う日々(227)笑腺

2012-05-25 05:29:01 | なるほどと思う日々
 桂文珍さんが大学で講師をされたことは有名ですが、その中から興味深いものがあったのでここにご紹介させていただきます。

 
 涙腺があるのと同じように、笑いの腺、笑腺というのがあるんではなかろうかと思います。人によって笑うポイントが違う。
 ・・・そこで笑腺の同じ人と結婚すれば幸せになれます。・・・
 実は私は結婚して二十五年になりますが、うちの家内とはそこのところで唯一いっしょですから、今日までやってこれました。

 以前、ニュースステーションという番組で、立松和平さんという作家が、四万十川からのレポートをやっておりました。
  
 立松さんの口調で)「四万十川の、上流に、足を、一歩一歩進めるとー・・・、ここは、生命(いのち)のみなもとです。川は、生命を、はぐくんで、くれるのです。川は、海へと、流れていきます。そして、川は、海と、一つになります。海はまた、空と、一つになります。そして、空からまた、雨となってこの大地を潤すのです。そして、この大地に、また、いのちの、息吹を、与え、命を、はぐくんで、くれるのです。どうですか、潮美ちゃん、川の中は?」と言うと、潮美ちゃんいう潜水の達人がいらっしゃって、川の中に潜って、「コー、カー(空気の音)、立松さん、今ヤマメが卵を産んでいます。クワー、見えますか? カー」(笑)
 そんな苦しいとこでしゃべらんでもええがな思いますな。それでもやるんですね。「コー、カー、立松さん、今ヤマメが卵を産んでいます。見えますか?」
 私は、どんな深いところだろうと思いまして、画面を見ますと。タンクが水より上へ浮いています(笑)、何じゃそれ! と思いながら、しかし、上からも見えるんでしょうけど、映像的に、画面を通すことで、これは面白い、そういう画面づくり、演出です。
 その時に立松さんが言います。「そうですか。ヤマメが、卵を、産んでいるんだ。新しい、いのちの、はじまりです」音楽が入る。
 いやあ、すごいなあ、上手やなあと思っているうちに、画面がポンと変わりましたら、そのヤマメを焼いていました(笑)。そこで私と家内は爆笑しました。
 そのあと、彼の言ったせりふが、もっと素晴らしかったです。
「必要以上に、とっては、いけません」(笑)あたりまえやそんなもん。思っていると、「では、この、川の恵みを、いただきましょう」
 うまいですねえ。必要以上にとってはいけないちゅうのは、仏教の考え方でしょう、おそらくね。無駄な殺生をしないようにということなんでしょう。わかっているけど面白い。そんな当たり前のことがギャグになるんですね。 
 そいで、ガブッと食べて、「うまい!」と、こう言いました。私は、ヘェー、この人は面白い。相当面白い、すばらしい、こんな笑えるレポートできる人ない、本人はその面白さに気づいていないのがもっといい、と感動しまして、「ああ、いいねえ」「よかったねえ」と二人でげらげら笑いまして、その日、うちの家内がお風呂に入りました時に、私は、隣の洗面台で、立松和平さんになってみました。
「どうですか、奥さん。お風呂は、一日の、疲れを、取って、血行をよくし、疲労を回復し、明日への、英気を養って、くれます。どうですか奥さん、お湯はわいていますか?」と言いますと、うちの家内は、頼みもしないのに、お湯の中へ顔を入れまして(笑)、「コー。カー(拍手と笑い)、いまガスで、お湯が、わいています。カー」(笑)
 あうんの呼吸というやつですな。たのみもしないのにそれをやってくれる。私の立松和平さんの真似にスーとつきあってくれる。面白さを共有できる。ウチの家内がお湯の中に顔をつっこんで、「クワー」と言ってくれた時に、ああ、幸せだなあと思いました。


 いい話ですね。
 ところで、三鷹の現役編集者の主宰する読書ミーティングに刺激されて、「作家と落語家の主宰する楽しい読書会」というのを、6月16日(土)14;00~17:00まで三鷹駅北口武蔵野タワーの会議室で立ち上げることになりました。
(定員30名、会費1000円・作家ははやしたかしさん、作品は銀河鉄道999のノベライズやシナリオ、童話など多数。落語家は三遊亭右左喜さん、1994年真打昇進、武蔵野市在住です)
 みなさんから紹介された本をネタにトークを楽しもうという会です。
 さて、参加者は集まるでしょうか?

 

有名人(50)男の魅力(19)旭天鵬

2012-05-21 04:49:15 | 男の魅力
 常勝横綱白鵬がいて、6人もの大関が誕生した大相撲夏場所において優勝したのは、力士最年長の37歳、平幕の旭天鵬だった。
 

 ウイキペディアによれば、彼は20年前、旭鷲山らとともに来日し大島部屋に入門、初のモンゴル出身力士となった。来日して半年後、稽古の厳しさや日本の食文化などに馴染めずともに来日した5人とモンゴル大使館に駆け込むが、モンゴルの実家まで来た師匠大島に「今に相撲はモンゴルの時代になる」と説得され、部屋へ戻った。

 そんな彼が、「やっちまったというか、これもひとえに20年間にわたり、私を支えてくれた人たちがいて初めてなし得たんです。相撲をやっていてよかった・・」とインタビューに答えている。

 彼の日本語の上手なことは有名で、かつて早稲田大学日本語研究教育センターで、<学習ストラテジー概論:効果的な言語習得のために>というテーマで宮崎里司教授と対話形式で学生たちに授業を行ったことがあるくらいだ。

 韓国から日本に帰化した呉善花さんによれば、日本語は独特の難しさがあると言う。
 いくら文法や言葉の意味を覚えても日本語が上達することはない。
 意味ではなく「いわんとするところを悟るセンス」が必要になると言うのだ。
 日本的な非論理的思考そのものをたどって、話す相手から伝わってくる気分に乗せられて「わかる」という体験をするしかない。
 つまり、自分の気分を変えなくては「言わんとするところ」がわからないのだそうだ。
 この「わかる」という体験がある程度習慣となったとき、人はきっと日本人になるのだと彼女は看破している。

 「日本語はむずかしいと聞いていましたが、覚えていくうちにそんなでもない」と旭天鵬は言っている。
 彼は日本語学校で学んだことはない。辞書などもそっちのけで、周りのひとたちと沢山しゃべり、カラオケやテレビのバラエティ番組やドラマを見て、理屈ではなく日常の体験の中で習得していったのだ。
 彼はいつの間にか日本語に馴染み、そして感覚的に日本人になり、気分は日本に帰化するまでになった。
 実際彼は7年前にモンゴル国籍を離脱、日本国籍を取得し帰化している。

 そういえば、彼は表彰式の国家斉唱の時、あきらかに「君が代」を口ずさんでいた。
 今や彼は日本人より日本人らしい。
 
 名実ともに日本人になった旭天鵬さん、今回の快挙、ほんとうにおめでとう。

 

詩歌(6)東京スカイツリー、すっこーん音頭

2012-05-15 05:05:52 | 詩歌
 <東京スカイツリー・すっこーん音頭>

 
 

 東京スカイツリー
 すっこーんと大空に突き出たよ!
 果てしなく広がる街並み見下ろして
 住まう人たちに幸あれ! と

 東京スカイツリー
 すっこーんと大空に突き出たよ!
 煌めく灯りに目を細め
 さらに夢を育め! と

 東京スカイツリー
 すっこーんと大空に突き出たよ!
 さらなる宇宙(そら)を仰ぎ見て
 君らの未来は永遠なり! と

   (昭和のマロ、2012.5.15) 
 

金沢便り(36)鯉幟の甲羅干し

2012-05-10 04:24:45 | 金沢便り
 加賀友禅流しで有名な浅野川で毎年鯉のぼり流しが行われている。  

 今年も山ちゃんからフォト便りが届いた。

「ボクは鯉幟の”金太郎”という名前なんだ」
「ボクの兄ちゃんが鯉幟だって水の中で泳いでみたいと言ったんだ」
「そしたら少年連盟のおじちゃん連が12年前から一日だけ浅野川で泳がせてくれるようになった」
  
 

「今日は近くの中学校のブラスバンドクラブの人達が演奏してくれ、遠くからもいっぱいの人が見に来て、気持ちよく泳ぐことが出来たんだ」 
 

「翌日はみんなで
ボク達の体を洗ってくれ気持ちよく空の空気も吸うことが出来たんだ」
 

 金澤市浅野川梅ノ橋にて

エッセイ(118)文明の進化路線に逆らえるか(27)

2012-05-01 04:44:08 | エッセイ
 日本のこれからのエネルギー政策はいかにあるべきか。
 その意味で、ドイツ、デンマーク、フィンランンド三国の実例を取り上げた、NHKの時任三郎、世界エネルギーの旅は興味深く示唆に富んだものだった。
 
 ①ドイツ、シェーナウ市。
「自分たちの電気は自分たちの手で」を合言葉に原発を含む国策電力会社からの離脱を図る。比較的豊富な水力を利用。しかもダム方式ではなく、自然の流れを損なわない形で。そして先ず160軒の賛同者から始まった。
 送電線の問題があった。4億円の買い取り資金を調達するために、「わたしたちは(電力会社)のきらわれもの」というユニークなPRを全国的に繰り広げ、13万人の協力者を得て実現。電気料金は1割ほど高いが、内何パーセントかは新たな自然再生電力に投資し続ける。
 そして、26年前に始まったこの運動は今や全国的になり、10年後には原発廃止の国家的決断を引き起こした。

 ②デンマーク、ロラン島。
 
 自然のきらわれもの強風を利用した風力発電で島に住む65,000人の電気を賄うまでになった。
 きっかけは40年前島に原発建設計画が持ち上がったことだった。
 政府は、賛否両論を併記した資料を配布し、選挙民の意向により原発建設を断念。
 以後、風力発電に注力、今や、世界一の風力発電設備は世界各国に輸出、日本も買っている。2050年までには自然再生エネルギー100%を目指す。

 ③フィンランド、ユーラヨキ市。
 
 オルキルトオ原発2基が存在し、国の2割の電力をまかなっている。現在3号機建設中。
 問題は核燃料廃棄物。そこで、原発に併設して地下437Mの埋設施設(オンカロ)を建設中。2020年に完成、120年分の核廃棄物を埋蔵する。
 ユーラヨキ市は原発から10キロの場所にあり、原発関連で働く人たちの町である。
「オンカロも100%安全とは言えないが、ものすごい道に踏み出してしまった人間の責任はみんなの責任で、安全な方法を100%に近づけるしかない」と言っている。
 ちなみに電力会社の本社もここにあり、社長共々責任を果たす覚悟を示している。

 以上、各国の事情はいろいろであり、それぞれ完璧なエネルギー解決策と言えないところが厳しい。

 ①ドイツ。エネルギー源は(2010年)石油(33.8%)、石炭(22.8%)、天然ガス(21.8%)原子力(10.8%)、水力、風力その他再生可能エネルギー(7・9%)、しかも世界第6位のエネルギー消費国であり、主要エネルギーの60%を輸入に依存している。

 ②デンマーク、北海油田による石油・天然ガスの供給があり、輸出も行われておりエネルギー資源には比較的恵まれている。風力発電は20%を占める。

 ③フィンランド。寒冷な気候のため暖房用エネルギーの需要が多く、国民一人あたりのエネルギー消費量は世界でもトップクラス。
 エネルギー資源に恵まれてなく、石油、天然ガス、石炭は輸入に依存。原子力に依存する度合いが強い。

 さて、日本の場合はどうか。
 エネルギー資源はほとんど輸入に依存。電力の輸入は不可能。
 原発を廃止する前提としては、メタンハイドレードなど自前の資源開発、自然再生エネルギーの開発が必須となる。
 経済力が国力を左右することを考えればエネルギー問題は焦眉の急の課題である。