昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(107)スイスに巨大碁盤

2015-01-31 06:46:33 | 三鷹通信
 明日2月1日から三鷹三田会のホームページがリニューアルされる。
 担当する<囲碁分科会>の活動報告をUPした。

 *駅前コミニティーセンターで毎週行われる対局と勉強会。

 *三鷹市の小学校の放課後、ボランティアで子どもたちに囲碁を教える活動。
  一年に1回、プロ棋士をお呼びして「親と子の初心者教室」を開催する。
  
  
 *近隣の三鷹三田会の囲碁愛好者を集めて、囲碁大会を行う。
  
  強いお孫さんにたじたじの場面も。

  <ヒカルの囲碁入門>の集英社インターナショナルのブログを覗いたら、スイスの公園に、日本だって見かけないような巨大な碁盤があることを知る。
  
 碁盤に碁石が収納されていて、この巨大碁盤で囲碁が打てるんだ。
 
  スゴイ!

 

エッセイ(252)東京の雪

2015-01-30 08:13:07 | エッセイ
 このところ健康のためにできるだけ歩くようにしている。
 図書館や駅まで歩くと4,5000歩にはなる。
 
 明日は雪の予報なので、格別用事もないが散歩することにした。
 
 2キロほど先の書店を目指す。
 「レロレロ姫の警告」について聞いたら、入荷するまで10日から2週間かかりますと言われる。
 入荷の予定はありません、などと言われなくてよかった。

 近くの会社の倉庫の入口に白いものが撒いてある。
 
 ・・・多分塩だな・・・
 裏道に入ると、公民館の前で二人の男が白いものを散布している。
 
「明日の雪対策ですか?」と声をかけると頷いていた。
 融雪剤を散布しているのだ。

 途中、プラスチックのスコップを担いで歩いている人に出会った。
 Jマートに寄ってみるとスコップや融雪剤がばっちり用意されていた。
 
 
 そして今日の朝、昨日の天気からは想像も出来なかったが、天気予報の通り雪になった。
 

 

エッセイ(251)親の悩み、子の悩み

2015-01-29 09:23:36 | エッセイ
 久しぶりでNHKの朝ドラ<マッサン>を見た。
 今回のテーマはウイスキーづくりではなくて、養女にしたエマのことだ。
 同級生から母親が外人だとからかわれたエマ。
 
 
 マッサンとエリーは、ついに真実を打ち明ける時が来たと感じる。
 
「それでも、あなたをずっと愛し続ける」と言う。
 
 
「分かった」エマは、健気にも笑顔で対応する。
 
 でもひとりになれば、淋しさが襲ってくる。
 

 ガンバレ! エマ! きっと明るいこれからが待っている。
  

エッセイ(250)姫のパパ、ママへ

2015-01-26 06:23:11 | エッセイ
 ─姫のパパとママへ─
 
 石垣はいかがでしたか?
 
 青い空、遠浅の澄んだ海。
 日ごろの忙しい日々を癒すひと時になりましたか?
 以前、なぜそんな遠い所へいくの?と訊いたら、姫が好きだからと言っていたことを思い出します。
 姫は学校でもプールの時間が一番楽しみみたいですよね。

 姫はもう10歳、小学校の最年長です。
 傍目ながら、親としてのご苦労を見てきて、改めてご苦労さまと申し上げます。
 ジジとして何の手助けも出来ないことに心痛の思いです。

 姫は確かに難病の持ち主ですが、目つきがしっかりしている。
 むしろ、我々が見透かされているのではと思うことがあります。
 我々のしゃべっていることは全てお見通しなのでは、と。

 ボクも喜寿を超え、人生を振り返る歳になりました。
 とても満足のいく人生ではなかった。
 あたふたと、確たる目標もなく、日常を追いまくられて暮らしてきたような気がします。
 ババからのんきな父さんとバカにされています。
 
 しかし、いろいろなニュースに触れ、人類の先行きに思いを馳せるようになりました。
 人類はこのままでいいのか!などと。
 
 そんな時、東日本大震災が発祥しました。
 
 自然をコントロールしようなどという傲慢な人類に、自然が警告を発しているのでは?となぜか直感しました。
 そして、そのことを伝えるために、姫は自然界からの使者として遣わされたのでは?という発想が浮かびました。

 急に創作魂に火が点いたのです。
 そんな思いをファンタジーにまとめ、世に発信したい!と。
 考えてみれば、人生に確実に保障されているのは<死>だけです。
 この人生という短いひと時を、ボクは何のためにこの世に生まれてきたのだろう!
 残された時間を有意義に過ごさなければ、と思うようになりました。

 そんな時、たまたまいろいろな出版社に送っていた作品の中から、「レロレロ姫の警告」が文芸社の目に留まり、<文芸社セレクション>という企画に乗らないかというお話を頂きました。
 この機会を逸してはもうボクが世に出る機会はないでしょう。
 
 富士紅葉台の山荘にみんなと行った時、姫は降るような満点の星空を眺めていました。
 
 
「横顔には月光菩薩の面影があるわね」
 
 ババがつぶやいていたのも思い出しました。
 それらのエピソードをまとめあげ作品に仕上げました。
 
 人間はそれぞれどんな形であれ、この世に生まれてきた意義はあるのです。
 そのために一生懸命生きる。
 自分のため、他人のため。
 姫は姿ふるまいだけでも存在価値があるんです。
 ・・・何かを訴えかけるような目・・・
 ・・・月光菩薩のように人を和ます笑顔・・・

 そんな思いを作品に込めたつもりです。
 

 取りあえず原稿を同封します。
 ジジの意図するところをご理解いただきたく、よろしくお願いいたします。

     平成26年5月 子どもの日
     レロレロ姫をこよなく愛するジジより
 





エッセイ(249)運を活かそう(4)

2015-01-25 04:54:42 | エッセイ
「どこか変更するところがありますか? 誤字脱字があったとか・・・」
 文芸社編集部から電話が入った。
「特にありません」
「では、最終ページを第二版に変えるだけでいいですね?」
 
 「レロレロ姫の警告」に関して出身学校関係や、地元などからの購入要請に応えて、出版社が重版に踏み切ってくれるのだ。
 
 後はわが家族、特に家内と娘への応援要請だ。

 実は肝心の姫の母親である娘と、ババであるわが家内がジジが書いたこの本の出版に反対していたのだ。
 
 この本は目次で見るように、35のエピソードで構成されている。
 
 宇宙からの使者である姫が変身するファンタジーであるが、変身するまでの前半は実話に基づいている。
 超難病で生まれたわが孫娘は、10才になるもパパとママ、それにジジやババのことはレロレロと3つの言葉しかしゃべれない。しかし、とてもカワイイ。
 
 パパとママのみならず、ババも何ごともさし置いても姫のためには超献身的である。
 それは頭の下がるほどだ。
 しかし、その思いを掬い取って描いたこのファンタジーをどういうわけか、応援するどころか、完全に無視している。

 彼女たち自身が、この本に描かれた姫の存在価値を周囲の人たちにPRしてくれなければ、読んでくれる人たちの広がりは期待できない。
 超難病の姫はより多くの人たちの支援を得なければ、この先の姫の人生はないことは明らかである。
 この小説をより多くの人たちに読んでいただくことの意義を、今こそ彼女たちに説いていかなければと決意した。

 ちなみに、ボクがこの本で描きたかった<姫の心>は、彼女が書いた下記の詩に象徴的である。
 つまり、人間界を見下す自然界の<冷徹な心>と、家族の愛情に育まれた人間的な<優しい心>の狭間で葛藤する心である。
  
 お母さん! どこへ行ったのおかあさん!
 海に向かって叫ぶキミ
 玉となって頬を伝うキミの涙

 それを見つめるボクの目にも涙
 何の虚飾もないピュアな涙

 あの黒く荒れ狂った波は今は
 凪いで静まり返っている
 陽さえ燦々と降り注いでいる

 お母さん! どこへ行ったのおかあさん!
 キミの声が、虚しく響く
 ボクの胸がドクドクと脈打つ

 ヒトの驕りを質す自然の怒り!
 事実は事実として 今はピュアな涙を流そう
 
 

 *今までご支援いただいたみなさま、これからもよろしくお願いします。

  

  
  

エッセイ(248)運を活かそう!(3)

2015-01-24 06:30:53 | エッセイ
 一昨日は大学の同級会だった。
 
 冷たい雨の中、25名も参加した。
 クラス54名中ほぼ半分がこの歳でこの数はスゴイ!
 
 行われたのは日比谷・お堀端東京会館の地下1階の東苑。
 
 
 東京会館は今年建て替えるので今年が最後だ。

 先ずは、遠方浜松より駆けつけてくれたE君の乾杯の挨拶。
 ノーベル賞受賞者天野浩氏で活気づく浜松の模様が語られた。
「なに?あのヒロシくんが?」
「ウチのシンセキだよ!」
 そんなエピソードが5つ。

 それからは飲み放題で、好きなお酒を片手にそれぞれが談笑。
「いやあ、最近頭がふらふらして好きなボクシング観戦にも行けないよ」
「あの万年幹事だったY君が欠席?」
「体調が悪いらしいよ」
 やはり健康問題が話題の中心だ。

 それでも元気を回復して久しぶりに参加したY君や、今も元気で年間50回もゴルフに励んでいるS君は紅一点参加したSさんとゴルフ談義。A君は今も野球チームを引っ張ってあちこち遠征してるという元気いっぱいなのもいる。

 ところで今回もエネルギッシュに幹事役を務めたM君の計らいで、Sくんの山と渓谷社「遥かなる日本七百名山」、それにボクの処女作文芸社「レロレロ姫の警告」が紹介された。
  

 
 
 Sくんは500名山以上を実際に踏破した実体験から生み出したものだ。
 ボクとは元気度が違う!

 最後はS君が今年も作って来てくれた横断幕の前で「若き血」を熱唱した。
 

 また、夏にはKくん計らいで鰻を食べながらの暑気払いがある。
 まだ、まだ、楽しみは続く。みんな元気でまた会いましょう!

 なお、今回はいつもは地味なボクをひときわ目立たせていただいて、みなさんありがとう!



エッセイ(247)運を活かそう!(2)

2015-01-23 05:01:47 | エッセイ
 I君は弁護士だ。さすがこの歳になって事務所は閉じたけど、まだ一件、遺産相続の難しい案件を1件抱えてるそうだ。
 専門技術を身にして頑張っているという点では書道の大家、Aさん。
 それに診療報酬請求事務資格を持つHさん。
 今回お土産を持ってきてみんなに振る舞った。さすがだね。
   

 彼らとのいろんな思い出が走馬灯のように浮かんできた。
 昨年の新年会。
 
 今年と変わらないね。
 
 還暦を祝う伊香保の集まりは盛大だった。

 ゴルフの想い出も多い。
 
 N君が作ってくれたニアピンの旗も懐かしい。
 

 富士山ろくのTU君の山荘で飲み過ぎて<ゲロ事件>で迷惑かけたこともあったっけ。
 しかし、T君のハワイアンバンドは、あのころまだプロはだしだった。
 

 この会のボス的存在であるM君やE君のおかげで、わが作品が今年世に出た。
 
 ボクは運のいい男だ。
 運を活かさなければ!

 
 
 今、イスラム国に人質になって、身代金を要求されている後藤健二さんのお母さんが、イスラム国に対し「健二はイスラム国の敵ではありません」と釈放をお願いするメッセージを出された。
「感情でドンパチして、素晴らしい地球を壊している」
「うらみつらみは捨ててお互いに素晴らしい地球を作る努力をしましょう」
 
 お母さんは心優しいわが息子のために涙をこらえながら、人類の根幹に迫る問題点を指摘された。

 まさに「レロレロ姫の警告」そのものだ。
 姫は言っている。
「自然災害で犠牲者が多数出たって騒いでいるけど、戦争ごっこの好きな人間は、人間同士で殺し合いして、亡くなった人が何人いるかご存知ですか? 第二次大戦では5千万人ですよ! ・・・それなのに人間は反省もなく、相変わらず性懲りもなく殺し合いを続けている・・・」
「人間同士の争いもコントロールできないくせに、自然をコントロールできるなんてもってのほかです!」
 
 人類をリードすると自負する政治家、宗教家、思想家、科学者たちよ、宇宙の中に儚く浮かぶ地球を見て、人類の未来を考えなさい!
 
 
 

エッセイ(246)運を活かそう(1)

2015-01-22 17:48:59 | エッセイ
 昨日は中学校同窓会の新年会だった。
 金沢の中学校を出て在京の、喜寿を迎える今も元気な連中が11人集まった。
 
 みんな元気で生き生きしてるね。
 
 去年と同じ場所だったけど、場所を間違えたりして全部が揃ったのは予定時間より30分遅れだったけど、許容範囲としよう。
 この歳になっても、元気でみんなが集まっていい気分になれるのは、何といってもエネルギッシュで明るいE幹事のおかげだ。

 でも、話題の中心はやはり<健康問題>だ。
 この会の中心的存在だったH君は、今や植物人間化して数年になる。
 それでも、みんなの声を録音して聴かせたら、目を動かしたという。
 周りの者には分からないが、本人には分かっているのかもしれない。

 も一人この会の常連Yさんが脊椎にボルトを挿入する手術で入院。
 それでもがんばって好きな社交ダンスに復帰したいと言っているそうだ。
 期待しているよ!

 恒例の在京・金沢合同<あじさい会>を仕切る今年の幹事役は、16年前の大腸がんの大手術を克服したA君。
 栃木県の鬼怒川温泉で開催することを報告した。

 サポートする女性幹事役は、常連のEさん。彼女に頼めば何とかなる、病気なんか関係ないゴルフ大好きレディ。昨年は墨絵に目覚めて東京都美術館に出品、初めてながら入賞という新たな才を開花させた。

 ここで登場するのが、ゴルフのシングルプレーヤーながら、最近は足がちょっとというT君。それでも地場産業(ジジイとババアの集い)なる、ハワイアングループを率いて老人ホームなどで慰問演奏などに精を出している。
「いやあ、ワシらより若い年寄りが相手で参るわいな」と方言丸出し。
 そのT君が来年の<あじさい会>は金沢でやろうと提案。
 北陸新幹線も開業してるし、いいんじゃない!
 意気軒昂だね。

 ー続くー

 
 

エッセイ(245)「レロレロ姫の警告」販促活動(2)

2015-01-20 09:42:32 | エッセイ
 今年出版したボクの小説「レロレロ姫の警告」にご関心を頂いてありがとうございます。
 
 いろいろな形でご評価いただいていることは、これまでもブログで報告申し上げてきました。
 アマゾンのカスタマーレビューでは「表題から想像されるより遥かにスケールの大きな作品で驚きました」☆☆☆☆☆などという評価までいただきました。
 また<楽天のお勧め商品>などというコーナーも見かけました。
 
 まことに感謝感激です。

 一方では「20冊頼んだのに数冊しか入荷しない」「発注したが、在庫なし。増刷予定なし」などという返事を書店から言われているなどとのクレームも後を絶ちません。
 というわけで、出版社に交渉して増版の約束を取り付けました。
 印刷会社の都合で2~3週間かかるかもしれませんが、予約してしばらくお待ちください。
 ご迷惑をおかけしていることを、著者として深くお詫び申し上げます。昭和のマロ


 

三鷹通信(106)第11回読書ミーティング

2015-01-18 06:27:01 | 三鷹通信
 講師からベストセラーについて。
 ベストセラーとは10万部以上売れる本
 瞬間的に大きな売り上げを記録して、社会現象的な読まれ方をする本
 2014年のベストセラー(日販調べ)
 

 今年の傾向(出版科学研究所分析)
 *今年のベストセラーなのに、10冊中6冊が2013年発売。
 *消費税の影響で、読者のマインド落ち込み、定価アップ1500円以上が中心
 *小説にヒットなし、新売れっ子現れず(百田尚樹、池井戸潤、湊かなえ、東野圭吾、村上  春樹だけが作家買い)
 *自己啓発、心と体の健康、自分のための読書がメガヒット

 <2014年ベストセラーの特徴>
  ゆっくり、手堅く
  *ゆっくり売れる(ベストセラーは時代を映す鏡ではなくなりつつある)
  *新しい人の本にチャレンジするより、手堅く、好きな作家を手に取る
   (<本屋大賞>、<このミステリーはすごい>、<直木賞>は時々売れる。
    <芥川賞>はかわいい女性だと売れる?)
  *いつの時代にも売れる古典のコミック化入門書
   (アドラー、コヴィーの他にもドラッガー、松下幸之助や稲盛和夫の本も売れる。
    ロングセラーがひとひねりしてベストセラーに近づく傾向)

  わかりやすい、シンプル
  *一目で内容のわかる、タイトル(ベスト10は小説以外すべて一目で内容がわかる)
  *シンプルなノウハウ
  *シンプルな世界観
   
   自分の心と体のための本
  *心と体の健康が一番売れる。
   
  *対人関係のおりあい
  *自己啓発
   
    みんなの好きな人間のパートナー猫の表情をバックに、人生に彩りと癒しを与えてくれる<著名人のひと言>を添えている。
 例えば、「隙があるから、好きになる」マリリン・モンロー
 

 推薦者からは、
 荒木佳代監修・日本全国「新幹線」をとことん楽しむ本
 
 昨年秋に東海道新幹線開通50周年を迎え、今年春には北陸新幹線が金沢まで伸びるなど、新幹線の話題を捉え、歴史、デザイン、地方とのかかわり、未来の夢など、雑学をからめて楽しく、分かりやすく解説。

 単なる移動手段、速ければいいという発想から、<楽しむ>手段として新幹線はさらに進化し続けている。
 エンターテインメント性や快適性の重視。
 カッコいいデザインやカラーリング、風呂付の車両まで出現。
 乗り物好きの推薦者自身が監修、執筆。
 オタクにつっ込まれても対応できる内容になっている。

 次の推薦者はボク。
 三根生久大・帝国陸軍の本質
 
 明治維新以来、瞬く間に列強の仲間入りをした日本は日露戦争に勝利し世界をあっといわせた。その日本が結果論からすれば無謀な第二次世界大戦に参戦敗北した。
 なぜ、そのような無謀な戦争に突入しそして敗戦したのか。
 その原因の一端をこの書の中に見た時、ボクは衝撃をうけた。

 日本軍の強化のために陸軍大学に招聘されたドイツのメッケル少佐はコメントしている。
「日露戦争での日本の勝因は、日本固有のサムライ精神とヨーロッパの近代戦術を融合させたこと、国民皆兵によって徴収された農民、商人までもが武士道精神を完全に習得していたこと」
 兵士の質は世界有数だったが、この本によれば当時、<奥の院>と呼ばれ、部外者は近寄ることをさえ許されなかった参謀本部作戦課作戦室の<暴走>が、その重大な罪科を生んだ原因の一つだったと指摘している。
 しかし、なぜかこの事実は今でも意外と語られていない。
 詳細はこの本で読んでいただきたいが、例えば、インパール作戦が戦況極めて不利だったことを現場サイドを見てきた参謀が報告したところ、作戦本部を牛耳っていたSが、「この馬鹿野郎! なんちゅうことを言うんだ!戦況不利なる時は敵も同じと思え!」と作戦要務令に書いてあった言葉とともに罵声を張り上げ、矢立てを投げつけたそうだ。

 つまり戦場に一度も行ったこともない、陸大の優等生ということだけで選ばれた一部の参謀の教条主義の頭でっかちにエリートに牛耳られていたという実態があったのだと言う。
 もちろん、そういった人事と教育の問題だけでなく、敵サイドの情報を冷静に分析する能力にも欠けていた。
 南方進出を行わなければ米英との戦争は避けられただろうし、そこそこの戦果をベースに手を打つという手段も在り得ただろうから・・・。
 
 次の推薦本は石黒由美子・奇跡の夢ノート
 
「その車は、アクセル全開で突っ込んできた。ドンッ! グシャッ! 突然の衝撃に私のからだは跳ね上がり、頭からフロントガラスに突き刺さった─けいせん。」で始まる。 
 ある日突然、交通事故で瀕死の重傷を負った少女の話。
 顔を540針縫う。ほぼ失明。記憶喪失。
 そこから出発して、闘病、重傷から生還を果たしただけでなく、入院中に抱いた夢、新頃でのオリンピック出場の夢もついに叶えてしまう。
 日々の目標を「夢ノート」に記し、ひとつひとつ達成していった彼女に、17年後ついに夢が叶う!
 健常者に戻るだけでなく、オリンピック出場まで果たす奇跡と言っていい。
 ひとりの人間の可能性を大きく示し、勇気を与えてくれる一冊。

 そこにはお母さんの献身的な愛があった。
 お母さんはすべてを受け入れ、いつも前向き、プラスの言葉しか言わない。
 お母さん自身がシンクロの技術から、入試まで独学し娘を援助。
 まさに奇跡のお母さんだ。
 日記を書くことで、理想を思い描き、それによって情報を得るアンテナを張ることが出来る。
 「やりとげようと思えば、どんなことも不可能はない」と思わせる本。
 読む人にも元気を与える。
 
 最後は講師からロングセラー 川端康成・雪国
 
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった」
 あまりにも有名な 冒頭のシーン。
 川端康成はこの作品で日本人初のノーベル文学賞を受賞。
 新潮文庫累計379万部、ランク第7位のロングセラー。

 現代っ子には、高等遊民の島村にも、芸者の駒子にも感情移入できない。
 読者にとっては彼らも一時代の雪国の風景に過ぎない。
 しかし、多くの日本人は日本の美しさを愛し続ける。
 日本を代表する美しい言葉で描かれた作品である。
  
 最後にボクの「レロレロ姫の警告」をPRさせていただいた。
 
 講師からは「この本が職業的な書き手のルーチンの仕事と一線を画すものであり、また、素人が単なる創作欲にしたがって頑張ってみたものとも、なんだか違います。この本が放っているのは、作者が生きてこれれたことの総力を上げて作ったものという印象でしょうか」と言っていただきました。
 身に余るお言葉と感謝します。