昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(347)大久保名誉教授の「日本の文化」を学ぶ会<浮雲>追記

2019-06-30 03:43:46 | 三鷹通信
 昨日の二葉亭四迷の「浮雲」の記述は四迷の混迷を強調しすぎたようです。
 大久保先生からいただいたお言葉を、改めてご紹介いたします。
 
「<浮雲>のポイントは維新から二十年を経て近代国家体制が始動し始めた時期に対応するように文学においても従来の戯作調から近代的内面心理小説へ急転換しようとして破綻する産みの苦しみを体現している点にあるということです」
 
 
 ・・・次回から先生がピックアップされる「日本の近代的文学」に期待しています・・・        
    


 

三鷹通信(346)大久保東女名誉教授の「日本の文化」を学ぶ会②浮雲

2019-06-29 04:34:52 | 三鷹通信
 大久保喬樹東京女子大名誉教授は、今日も素敵なアロハシャツ姿。
 
 「さすが、女子大ですから半ズボンというわけにもいきませんが、いつもこんな感じです」
  講義の冒頭にこんな会話をさせていただきました。

 *今日のテーマは二葉亭四迷の「浮雲」
  
  幕末、1864(元治元年)~1908(M42)
  外国語学校でロシア語を学び、坪内逍遥に私淑。
  
  
 *子ども時代は、ロシアの東アジア進出の時代背景から、軍国少年で、士官学校を志願したが不合格。
  外国語学校でロシア語を学び、ロシアの写実文学に影響を受ける。

 *「浮雲」のはしがき。、
 「薔薇の花は頭に咲いて活人は絵となる世の中独り文章のみは黴の生えた陳奮翰(ちんぷんかん)の四角張りたるに(漢文のこと)、・・・舌足らずの物言を学びて口によだれを流すは拙し是はどうでも<言文一途>の事だと思い立っては矢も楯もなく文明の風改良の熱一度に寄せ来るどさくさ紛れお先真闇三宝荒神さまと春のや先生(はるのやおぼろ・・・坪内逍遥のペンネーム)を頼み奉り欠硯に朧の月の雫を受けて墨摺り流す空のいきおい夕立の雨の一しきりさらさらさっと書流せばアラ無常始末にゆかぬ<浮雲>めが艶しき月の面影を思い懸けなく閉籠て黒白も分かぬ烏夜玉のやみらみっちゃな(めちゃくちゃな)小説が出来しぞよと我ながら肝を潰して此書の巻端に序するも・・・」
 *薔薇の花は頭に咲いて? 時は、服装面でも変化が見られる。
  
 *鹿鳴館時代でもあった。
  

 *というわけで、日本初の「言文一致」の文体で書かれた近代小説の始まりを告げた作品です。
 *融通の利かない内海文三と要領のいい本田昇が寄宿先の心を寄せたお勢をめぐる物語。
 *文三は自分勝手に様々な思いを巡らしながらも、結局何もできない。
  
 *最後は自室で、天井の木目、オプチカルイル―ジョンで終わる。
  
  
 *しかし、四迷は出来に満足せず、以後、翻訳家、ジャーナリストの道へと進む。
 *ペンネームは、おやじに腐され「くたばってしまえ!」と自虐したものという説もありますが・・・。

  時代に振り回され、彼にとっては文字通り四迷の一生だったのでしょうか?         

なるほど!と思う日々(601)芸能・スポーツ① ともかく観客に受ける作品、マキノ式

2019-06-28 04:18:07 | なるほどと思う日々
 めちゃおもろい映画、マキノ式。
 
 臨終の関西落語の大御所が見たいというので、中井貴一は許嫁の木村佳乃を説き伏せ、スカートの中を見させるという必殺のシーン。
 

 *見た後、臨終のご本人から
  「バカヤロウ! オソト(オソソではなく)が見たいといっただけだ」と言われて、中井は佳乃からスリッパでぶん殴られる。
  

 *マキノ省三が日本で初めて映画を撮影してから百年目を記念して、津川雅彦がマキノ雅彦として初監督をした「寝ずの番」
  

 *ともかく売れる、ヒットする、観客に受ける作品を作らねばというのが<マキノ式>という。
  

  *顔で演技するな、軽く演じ、熱演、力演は必要ない。重心の移動で演技せよ。  
         ・・・森繁久彌や渥美清のように・・・           





なるほど!と思う日々(600)政治⑬ 大久保利通の政治採決のやり方

2019-06-27 06:24:05 | なるほどと思う日々
  大久保利通はあくまでも冷徹あるいは過酷なほどに現実を見つづけた。
 
 
 *配下の者が内務卿室に案件を持ってくると、独特な型で政務採決の返答をした。       
  ① 「それはご評議にかけましょう」・・・これは断行の意志がある場合。
  ② 「それは篤と考えておきます」・・・保留か、調査が必要な場合。
  ③ 「それはご評議にはなりますまい」・・・否定する場合。

 *大久保は、旧主筋を裏切ったという倫理の呵責から生涯免れることはなかった。
  
 
 *諸藩の下級武士たちが将軍を政権から追い、旧主である諸侯から統治権をとりあげ、一方において四民を平等にして<国家>というそれ以前の日本になかったものを創り出すには、仏教でいうところの聖なる虚空が必要だったのである。
  

 *以上、司馬遼太郎「この国のかたち」から・・・
  




なるほど!と思う日々(599)経営① サラリーマンもプロでなくてはならない!

2019-06-26 06:20:13 | なるほどと思う日々
          

 ダイエーグループを拡大、1972年には小売業売上トップ、1988年にはプロ野球福岡ダイエーホークスを率いた中内功。
 

 内館牧子との対談で、厳しい言葉を連発している。
 
「もうビシバシ、ビシバシと辛いのなんの・・・」

 *きちんと結果を出せ!
 *成果のない人は努力するな!
 *会社におったら空調代とか電気代がかかる。だから早く帰れ!
 *そんな役立たずは会社をやめてもらいたい。
 *プロ野球球団を経営してから、契約というものがわかりました。
  
  
 *これからはサラリーマンもビジネスができるプロにならねばならない。

  <政治家>で言葉の厳しさという点では、なんといっても、アメリカのトランプ大統領だ。
  
  *日本は甘え過ぎだ!と言っているのだ。
   ・・・ここまで言うか・・・と安倍首相も戦々恐々。


 

三鷹通信(345)6月23日(日)に行われた三鷹三田会麻雀会の成績が、昨日(月)22:05分やっと発表となりました。

2019-06-25 03:31:19 | 三鷹通信
 日曜日に行われた三鷹三田会の第257回例会の成績発表が、昨日遅く(22:05)にやっと発表された。
 
 (先月例会の模様)
 *前月同様、ゲーム終了後、提出された成績表のチェックを幹事諸君が入念に行っていた。
  長くなりそうだなと、小生はパーティーを欠席して早々に失礼した。

 *成績結果が、やっと、昨日遅く(22:05)に発表された。
  ・・・参加者48名。
  優勝、斎藤晃(S52法)。準優勝、小澤秀雄(S47工)。第三位、三矢恵啓(ゲスト)
  参加回数150回記念賞、林 茂男(S27法)・・・最高齢89歳
  成績不調の小生も40位に入賞していた。

 *幹事諸君、提出成績表のチェック作業、ご苦労様でした。         


なるほど!と思う日々(598)官僚③ 日本の政治システムの汚職体質の原点は田中角栄だ!

2019-06-24 05:06:29 | なるほどと思う日々
 田中角栄は官僚の心を掴んだ。
 
 「諸君は思う存分仕事してくれ。失敗の責任は全部おれがとる!」と言って。

 *きれいごとだけではありません。官僚にキャッシュをばらまいたり、退官後に天下り先を世話したり、と。
  ここに、今起きている一連の政界不祥事の原点がある。
  

 *基本的には<利権政治>の原点。
  族議員と各省庁の癒着から起きている。
  
       




なるほど!と思う日々(597)官僚② 日本の交通機関の過剰お節介ぶり!

2019-06-23 03:50:15 | なるほどと思う日々
  フランスとは対照的な日本の交通機関のお節介ぶり!
 
 「危ないですから黄色の線の内側までお下がりください」
 到着時には駅員が「車内にお忘れ物がございませんように」と注意!

 駅で降り、エスカレーターで降りるとき、
 
 「ご利用の節はベルトにつかまり、黄色の線の内側にお立ち下さい」

 自動精算機では、小銭の用意に手間取っていると、
 
 「清算金額をお入れください」
 清算が済むと
 「定期券、カードの取り忘れにご注意ください」         

 *会社が責任逃れでやっているのではなく、多くの乗客が過剰お節介を望んでいるんです。
  こうした配慮に快感を感じている。

 *こうしたお節介が、「自分に責任を持たない社会」を助長してます。
 
 




なるほど!と思う日々(596)官僚① パリのお役人の無責任ぶり!

2019-06-22 04:50:57 | なるほどと思う日々
 パリのお役人の無責任ぶりときたら!
 
 ルーブル美術館でも、オルレアンの美術館でも白昼名画が盗まれた。

 *パリ警察の責任者はうそぶいた。
 「本件に関し私はなすべきことは完全に果たしている。現在なされている非難に私は関心がなく、無視している」
 
 
 <自動改札機>を飛び越えていく人がいっぱいいるのに、パリの駅員は黙って見ています。
 
 *彼らは切符を売る人、注意する係りではない。別にコントローラーという係りがいるのだそうです。
 
 *友達がメトロで財布をすられてしまい、駅員に届け出たら、
 「すられる方が悪い。自分のものぐらい自分で守りなさい」と相手にしてくれなかった。
           





なるほど!と思う日々(595)政治⑫ 来週に迫ったG20大阪サミットにおける日本の役割は?

2019-06-21 03:18:03 | なるほどと思う日々
 来週に迫ったG20大阪サミットに向けて日本の役割は?
 

 100年前、20世紀の初頭の日本は世界史の潮流を読み違えた。
 
 列強模倣の植民地ゲームに参入し、一敗地にまみれた。

 今、世界は米中を軸にあいかわらず<力の論理>を振り回している。
 
 
 寺島実郎は言う。
 「世界はゆっくりであるが、国際法理と国際協調による全員参加型の秩序形成の時代に向かいつつある」
 

 「米国の復元力と日本の<理性>が問われている」と・・・